【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

2020年東京オリンピックで解散戦略に変化 今後の政治日程を更新しました

2013年09月09日 17時22分03秒 | 第47回衆院選2014年12月アベノミクス解散

 2020年東京オリンピック開催決定を受けて、有料ブログの「今後の政治日程by下町の太陽・宮崎信行」を更新しました。

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 解散総選挙日程に大きな変化が生じました。

 2010年7月11日(日)に選出された参議院議員の改選は、2016年7月10日(日)に行われると考えるのが妥当です。さらに衆参ダブルだというのがもっぱらの見方です。しかし、2016年7月10日(日)に第47回衆院選に首相が踏み切った場合、その任期は2020年7月9日までになります。

 2020年東京オリンピックの開会式は2020年7月24日が予定されており、それまでに自民党は2度の衆院選をしなければいけなくなります。

 このため、2016年7月の衆参ダブルではなく、衆院選の後ろ倒しや前倒しの可能性が出てきました。

 なお、国会内で、噂される、2015年4月の統一地方選とのダブルですが、2・3月中に衆議院が解散されたことは、第4次吉田内閣の解散以来、過去半世紀ありません。予算審議が優先だからです。

 仮に、安倍首相が第47回衆院選を任期満了近くまで後ろ倒しすると、与党は負けやすくなる傾向があります。だからといって、抜き打ちで前倒しすると、第48回衆院選で勝って初めて、開会式を与党で迎えることになります。

 東京オリンピック直前に自民党が解散したら勝てるとはまったく限りません。英国では、第2次世界大戦勝利直後(1945年7月、ヒトラー自殺の2か月後)というタイミングで、与党・保守党のチャーチル首相が解散して、大勝が予想される中、負けて、下野するハプニングが起きたことがあります。その後、チャーチルは首相に復帰しており、英国では直近最後の再登板となります。これは逆に英国民自身が、1945年7月の総選挙でのチャーチルの下野に関して意外感を持ち続けていたことを示します。

 ちなみに、2010年5月6日の総選挙で勝ったキャメロン保守党政権ですが、ロンドン五輪まで内閣改造をせず、オリンピック後で、かつ、パラリンピックが始まる前、という絶妙なタイミングで内閣改造をしました。

 安倍首相の一存だけでなく、東京オリンピック開会式を現職議員として迎えたい人は自民党内に増えると考えられ、今後の解散戦略に大きな変化が生じそうです。

 なお、2013年12月ごろにも、最高裁が、広島1区、広島2区などで、第46回衆院選の無効を決定し、早期の解散圧力がかかる可能性もあります。