民主党の大畠章宏幹事長は2013年9月5日(木)の定例記者会見で「総支部長は都道府県連が中心になって選任してもらう」と語りました。そのうえで、「民主党は地方組織がぜい弱になってきている。ここら辺については、(羽田内閣を裏切った)荒井聡役員室長と近藤昭一総務委員長も含めて党の改革案をつくっていきたい」と語りました。名指しこそ避けましたが、県連職員に多い、社会党出身職員へ力を集中させたい意向と推測されます。
これについて、ある県連の事務局長(社会党出身)は「荒井さんの北海道は自治労が強いでしょう。うちは、他県から「民主党王国」と言われるが、実際には地方議員が以前から少ないので、そんなことはない。2人の自民党出身の先生の後援会と党地方組織の車の両輪でやってきて、これからもそうしていく」と反論しました。ただ、社会党や自民党に関係なく、「今までは国会議員団にウェートが置かれた政党だったけれども、衆院選・参院選で明らかな通し、地域に密着した活動や組織は自民党県連に比べて弱いので、(県連を)強くする方向性でやっていく」と語りました。ただ、「海江田執行部から具体的な提案はない。市町村議員選挙に、今(から2015年4月の統一地方選にかけて)民主党公認で出ようという(新)人がいるとは思えない。地方組織強化の方向性は間違いないとは思うが」と述べ、執行部のリーダーシップに懸念を示しました。
北海道には、旧社会党のビルもあり、民主党総支部は必ずそこに入居して、家賃を毎月10万円払わなければいけない総支部もあります。古式騒然とした社会党系県連職員による総支部長選びではなく、私たち党員が地元の総支部でしっかりと「勝てる総支部長」をつくって、国政への影響力を持ちましょう。
参考になるのは、ジェフリー・アーチャー原作の「めざせダイニング街10番地(First among the equals)」の1986年制作のテレビドラマ(アイ・ヴィー・シー制作)がお手本になります。
サイモン・カースレイク衆院議員は、現職ながら、区割り審による区割り変更で次の総選挙の総支部長になれていません。
そこで、奥さんと2人で、毎週末、全国の党の総支部長選びの予備選挙を旅してまわる日常。
初めて降り立った田舎の駅。
総支部事務局長が迎えに来てくれました。
「素晴らしい土地ですね」と感想を述べるカースレイク議員夫妻。
総支部事務局長から「6人の総支部長候補者に面接します」。
総支部の予備選挙では、総支部の党員から面接を受けます。
カースレイク候補は、「絞首刑については?」の総支部党員の質問に「反対です」と持論を展開します。
総支部党員は「殺人犯を野放しにする気?」と不満顔。
続いて、この地域では大事な質問「農家への助成金は?」
「仮にこの選挙区の総支部長になれたのならば、」
「それから、農業問題をすぐに勉強します」とこたえるカースレイク議員、こんな答えで大丈夫なんでしょうか?
そして、次の質問。
総支部党員「総支部長に選ばれたら、夫人は選挙区に住みますか?」
奥さんは、「医者なので無理です」として、選挙区に住めないと話します。
そのうえで、「女性も社会で力を発揮すべきです」と持論を述べます。
驚いた顔の総支部党員。
面接を終えて、控室にさがるカースレイク議員夫妻。
この後、長時間待たされます。
そして、暫定総支部長がやってきました。
「総支部は6人全員を総支部長に選びたいのですが」
「今後20年間を見越して、勝てる総支部長を選びました」
「トラバース総支部長に決定し、次期総選挙を戦います」
ということで、カースレイク議員は総支部長争いに敗れ、最終的に次の総選挙には出られないということになりました。このドラマではこれに先駆け、保守党員が先輩から選挙区を割り振られるチャーチル首相、サッチャー首相を生み出したエリート養成の「英国保守党落下傘方式」のシーンも出てきます。
このように勝てる総支部長をつくらなければ、私たち総支部党員の政治的影響力が下がります。原作では「奥さんはおなかが大きいようだけれど、医者のあなたが、将来的に子供のこの田舎町で育てられますか?」と質問するシーンもあります。英国では、選挙時には、奥さんも戸別訪問要員となります。
わが党が、英国労働党のように、特定の鉄板選挙区で、確実に衆議院議員にさせてあげるほどの組織力はありません。ただ、地方議員、地方連合幹部を除き、15人ほどの総支部コアメンバーがいれば、小選挙区で勝てると思います。
ぜひ、早く勝てる総支部長をつくり、15人で、温泉合宿でもして、次期総選挙必勝の体制をつくりましょう。
私たちは、社会党でも、自民党でも、労働党でもなく、民主党です。