【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

●安保2法案、参・特別委で可決も 17日中の成立は阻止

2015年09月17日 23時51分00秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

[画像]質疑打ち切り動議提出直後のようす、2015年9月17日、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

【平成27年2015年9月17日(木) 参議院我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会】

 午後4時30分、安保2法案(189閣法72号、73号)が採決され、可決したもよう。

  引き続き、附帯決議案が朗読され、自民党、公明党、日本を元気にする会、次世代の党、新党改革の5党により採択されたもよう。
 
 これに先立つ、午後1時00分から午後4時27分まで特別委員長不信任動議を審議。

 否決され、鴻池祥肇特別委員長が復席したと同時に、自民党の山本一太さん(前国務相、元外交防衛委員長)が口頭で質疑の打ち切り動議を提出。午後4時30分ごろに、起立多数で可決したもよう。

 附帯決議が朗読され、自民党、公明党、日本を元気にする会、次世代の党、新党改革の5党の賛成で採択されたもよう。

 午後4時37分ごろに散会したもよう。

 ◇

 平成27年2015年9月17日(木)午前8時50分設定の理事会を、第一理事会室ではなく、第一委員会室に入りました。

 鴻池特別委員長は開会を宣言。

 これに対して、福山哲郎理事らが「だまし討ちだ」として、与党理事に猛烈に抗議しています。

 民主党、維新の党、共産党、社民党、生活の党と山本太郎となかまたちは、フィルバスター、牛タン戦術で抵抗しました。

 午後1時から午後4時27分まで、鴻池特別委員長不信任動議の趣旨説明と討論。

 民主党の福山哲郎さんは、鴻池さんのさばきがよかったのに、地方公聴会設定から質疑終局の宣言までのスピードを、官邸の差し金ではないかと指摘しました。

 賛成討論で、大塚耕平さんは35分間にわたって演説。

 このなかで、参議院事務局委員部について、「戦争で荒廃した国が立ち上がる段階で、話し合いのルール作りに失敗し、再びすたれた国もある。議会職員の矜持を持ってほしい」と語りました。

 これについて、元衆議院事務総長の回顧録。昭和40年1965年入局からを振り返り、「もっとひどいのは、その前は突然委員室を変えたことだってあるんだよ。さすがにそんなだまし討ちは私らは知らないけれども、」「さすがに私が入った頃の40年代はもう、そんなめちゃくちゃなことはなかったね」(「谷福丸オーラルヒストリー議会政治と55年体制衆議院事務総長の回想」の68ページ)。このような戦後20年ではありえなかったことが、きょうの参議院で行われました。私から一つだけ加えると、おととし、与党・参議院自民党の国会対策委員長(当時)が、秘密保護法の特別委員会で、委員部職員をさしかえせることがあり、委縮があったのだから、しかたないーーと私は思います。


[画像]大塚耕平さん、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 維新の党の清水貴之さんは、「小野次郎さんが法案提出者になってから私が理事になったが、鴻池委員長にご指導いただいた」としながらも、賛成しました。

 共産党の井上哲士さんは「地方公聴会からの時間が短い」としながらも、地方公聴会の参考人の声を紹介し、議事録に残しました。
 社民党の福島みずほさんは「保守政治家の矜持を見せてほしい」と呼びかけました。

 山本太郎さんは「内閣委員会で子宮頸がんワクチンの質疑をしたときに、後で賛同してもらえた」としながらも、「日米地位協定の表現についてとがめられた」として、日米地位協定は売国条約だとした表現について、過去の国会議事録にも載っていると指摘しました。

 この3時間28分は、すべてNHKで放送されました。

【同日 参議院本会議】

 中川雅治・議院運営委員長の職権で、午前10時00分に設定。

 午後10時10分開会。

 法案に先立ち、中川雅治議院運営委員長解任決議案が、民主党の前川清成さんらから提出されました。

 趣旨説明演説で前川さんは「安保法案の参議院での審議時間は97分間だが、111回ストップした」とし、徴兵制懸念から自衛隊法を再修正すべきだとしました。「イチバン前で、『ふざけるな』と野次っているあなたは、自衛隊出身なのだから、もっと国民の声を聴くべきだ」と名指しを避けながらも、宇都隆史議員を指さし批判しました。

 討論では、民主党の石上俊雄さん、共産党の仁比聡平さんが同調を呼びかけました。石上さんは「中川さんは特定秘密保護法強行採決のときの特別委員長だった」とし、「もういい加減にしてください」「人生に失敗はつきもの。しかしイチバン大事なのは反省することだ。二度と過ちをおこなってはいけない」と演説しました。

 記名投票表決(堂々めぐり)の結果、投票総数236、賛成89、反対147で否決され、午後9時25分前後に休憩しました。

 午後11時再開。「あす午前0時10分(以降)開会」の延会手続きをとりました。これで安保法案の採決は日をまたぐことができました。

【同日 衆議院本会議】

 午後1時に設定されています。上がり法案は1本ありますが、60日規定3分の2条項で、安保法案の再議決が可能。参議院野党へのプレッシャーをかける意味合いもありそうでした。

 午後10時に始まり、大島理森議長が「明18日の午前1時から本会議を開くことにして、これにて延会します」とし、終わりました。この本会議には民主党、維新の党などは出席していなかったようです。

【同日 参議院内閣委員会】

 衆本と同じ午後1時設定でしたが、午前中に取りやめになりました。

【同日 参議院議院運営委員会】
【同日 衆議院議院運営委員会】

 本会議の段取りや、今後の日程を協議したとみられます。

このエントリー記事の本文は以上です。

(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 
(http://miyazakinobuyuki.net/)

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