【平成27年2015年9月8日(火)参議院わが国および国際社会の平和安全法制に関する特別委員会】
引き続き、「2015日米防衛ガイドライン国内実施2法案」(189閣法72~73号)と「維新の党対案」(189参法16~20号)が議題になりました。
参考人質疑。
元内閣法制局長官の大森政輔さんが登場しました。
大森さんは日本国憲法第9条について「個別的自衛権と集団的自衛権は本質的な差異がある」とし、「両者は別次元であり、憲法9条により集団的自衛権は認められない」としました。
きょねん、2014年7月1日の閣議決定(国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について)については、
「本件閣議決定は、内閣が閣議決定できる範囲を超えており、無効である。これにもとづく自衛隊法(などの)改正は認められない」と断言しました。
衆議院の参考人質疑での、阪田雅裕さん、宮崎礼壱さんについで、元長官の「違憲」発言はこれで合計3人目。
大森さんは与党協議会(高村座長、北側座長代理)のとりまとめ文書に言及し、「おそれ(虞)という言葉を使っているが、法的に不確実性があることでば、主観的判断によって大きな差異が生じる」として、その時の為政者の判断に左右される法的安定性のない言葉だとしました。
大森さんは「砂川判決が集団的自衛権を認めているとする論は、法律の基本的理論からして、まったく暴論です。ここでいうボウロンは、傍論ではなく暴論です」と批判しました。
そのうえで、「集団的自衛権の行使が国策として必要なのならば、憲法改正手続きに乗せるべきだ」としました。
大森さんは民主党の広田一さんの質疑で、現在の内閣法制局について、
「私が長く在職した職場であり、旧友がいるので言いにくいのだが、数日前の朝日新聞で元最高裁判所長官(山口繁さん)まで厳しい意見を言っていて、私だけでないのだと感じた。本来ならば顔を上げて、(元内閣法制局長官として)最高裁長官の姿を見られない内心を持っている。我々先輩としてどうしたらいいのか考えるが、最後はその任にある者(横畠裕介・現内閣法制局長官)が責任をもって、脱却するしかないのだと思う。(ここにいる国会議員も)陰ながら応援してやってください」と語りました。
参考人質疑の後、維新の党対案の「PKO協力法改正案」(189参法23号)と「船舶検査法改正案」(189参法24号)が小野次郎さんから趣旨説明されました。
これで維新対案は合計7法案(参法16~20号、23・24号)となりました。
中央公聴会を15日(火)午後1時から開くことを多数決で決め、散会しました。
【同日 厚生労働委員会】
別エントリーに書きましたが、「労働者派遣法改悪法案」(189閣法43号)が修正可決しました。
この日は2時間コースで各会派が一巡。野党議員は「きょうの朝の理事会で与党から採決に関する提案そのものがなかった」と語りました。
ところが、最後の福島みずほさんの質問が終了したとたんに、自民党の羽生田俊理事がなんらかの動議を提出。野党が抗議し、委員長が休憩を宣言しました。このときの顛末については、もう一つ別のエントリーに書いてあります。
そして、午後3時28分に再開。動議は採決されていないと思いますが、丸川珠代委員長はここで「質疑の終局」を宣言。ただちに自公の修正案として「9月30日施行」へ修正しました。
採決の結果、民維共社の反対、自公の賛成多数で修正可決しました。
【同日 参議院文教科学委員会】
まず一般質疑がありました。民主党からは斎藤嘉隆さん、神本美恵子副代表が質疑に立ち、「会期末の日教組」の勢いが出てきたようです。
この後、別エントリーにも書きましたが、「公認心理師法案」(189衆法38号)が福井照・衆議院文部科学委員長から趣旨説明。共産党の田村智子さんが質疑した後、採決され、共も含む全会一致で可決しました。
【同日 参議院外交防衛委員会】
岸田外相が条約5件、「189条約8~12号」を趣旨説明し、散会しました。
条約5件は、日本とカザフスタン、ウクライナ、ウルグアイ各国との投資協定、カタールとの租税協定、ルクセンブルクとの社会保障協定の合計5条約です。
【同日 参議院内閣委員会】
「PFI法改正案」(189閣法55号)が担当大臣の甘利明さんから趣旨説明され、きょうは散会しました。
【同日 参議院農林水産委員会】
まず一般質疑。この後、「6独法を2独法に統合する、農林水産省設置法など改正案」(189閣法32号)が趣旨説明され、散会しました。
【同日 参議院国土交通委員会】
一般質疑だけなされました。
このエントリー記事の本文は以上です。
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