(13日投稿で、10日付にバックデートしました)
「農業競争力強化支援法案」(193閣法21号)が、平成29年2017年2月10日(金)、提出されました。
当ブログでは昨年8月の記事でこの動きを伝えましたが、上述のタイトルで、政府提出法案「閣法」として出されました。
施行日は成立3か月後(公布の日から起算して3か月以内の政令で定める日)。附則第2条で、「農業資材価格調査はおおむね1年以内に行う」と明記しました。法案に施行日だけでなく、法律が政府に要求する調査の期限を明示するのは、異例の書きぶり。政府外与党議員(小泉進次郎自民党農林部会長ら)が逐条審査して立法したものであり、力の入りようを感じます。
法案は、農業者と集荷業者間の取引状況に関する調査も義務付けており、これも1年以内に行うよう明記しました。
全国中央会を廃止する改正JA法に続いて、資材販売業者及び集荷業者としてのJAを規制する法案で、今回は県中央会が影響を受けることになりそうです。JAなどの再編計画や、民間事業者の新規参入に向けて、官民ファンドの出資、政策金融、機構の債務保証などが盛り込まれました。減税措置は、すでにこの法案の成立を前提にして、「所得税法改正など平成29年度税制改正法案」(193閣法6号)に入っています。
政府は同日、「農業機械化促進法廃止及び農研機構法改正案」(193閣法22号)と、「主要農作物廃止法案」(193閣法23号)もあわせて提出しました。193閣法23号は、当ブログが先月(
米の品種改良などのバイオゲノムの民間参入促進、主要農作物種子法廃止法案、第193回通常国会に提出へ
)報じました。193閣法22号は、「廃止法案」ですが、県庁による農機具の研究を、独立行政法人に移す内容。193閣法23号は、県庁の農林試験場の品種改良などですが、法律を廃止することで、民間企業の参入を促すねらい。両法案とも、県庁の品種改良・農機具研究をさせないのではなく、民間企業が県知事に申し出て参入しやすくなるのがねらいだと思われます。
改革の方向性としては、JA全中廃止につづき、今回の3法案で、県中央会の役割の制限も、想定されるところです。
第193回通常国会では、2007年ごろから続く、民進党の「農業者戸別所得法案」(政権時は法案未提出で、第1次第2次野党期に議員立法として提出)をめぐる二大政党による論争の集大成となる、政府と農業者が折半する「農業災害補償法改正案」が3月上旬に提出するはこび。農林水産委員会で、ここ4年前後続いている、与野党激突となり、法案審査の波が高くなることも考えられます。与党内での骨抜きに向けた巻き返し動きもあり得ます。
この記事の本文は以上です。
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