【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

国際開発協会IDA加盟法律の改正案、0・3兆円を、IDA第18次増資として投資へ

2017年02月07日 23時59分55秒 | 第193回通常国会(2017年1月から6月まで)学校法人森友・加計学園国会

(8日投稿、7日付にバックデート)

[写真]財務省、2015年10月、筆者・宮崎信行撮影。

 「国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案」(193閣法13号)を、財務省が作成し、平成29年2月7日(火)国会に提出しました。

 IDA(International Development Association)は、「アイダ」と読むそうですが、その第18次増資に応じ、3459億3208万円を上限とする追加出資を、政府に認めます。

 公布日に施行。

 世界銀行グループというひとまとめの呼び方が国内外に定着しているブレトン・ウッズ体制ですが、これまでの出資額や、他国の出資額を、私は知りませんので判断しかねますが、まあ、いいのではないかという気がします。IDAの幹部に、財務省から何人派遣されているのかも、国会審議を通じて知りたいところです。

 衆議院は政府から同日提出された、「所得税法改正など平成29年税制改正法案」を193閣法6号、「関税定率法改正案」を193閣法12号、上述法案を193閣法13号としました。3つとも、「※こめじるし法案」として、3月31日までに成立させてほしいと国会に求めています。きょねんの衆議院財務金融委員会では、野党側筆頭理事が税制改正法案とそれ以外を切り離して審議するよう要求し、委員会日程がずれ込みました。しかし、与党・自民党は強行に審議しました。ことしの税制改正法案は例年に比べれば小ぶりな改正で、秋に盛り上がった内容も、地方税法改正案として総務委員会に付託される見込みであることから、波は低いかもしれません。

この記事の本文は以上です。

(C)2017  宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 
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平成29年介護保険法改正案提出さる、「自己負担3割2割1割」政令委任、介護保険料は総報酬割導入、介護医療院新設、検討時のレンタル・リフォームはどうやら骨抜きに

2017年02月07日 23時59分37秒 | 第193回通常国会(2017年1月から6月まで)学校法人森友・加計学園国会

(初投稿は2017-01-23 11:43:52で、法案提出をうけて、仕立て直しを、8日投稿し、それから、7日付にバックデート)

 3年に1度の介護保険法改正案が今国会に提出されることは、既に昨年8月のエントリーでお伝えしました。

 「地域包括ケアシステムのための、平成29年介護保険改正法案」(193閣法15号)は2月7日(火)に提出され、政府は3月末までの成立を国会に要請しています。

 最近では「介護保険を使うなんてお金持ちだねえ」と言われるそうですが、改正法案では、例えば「夫婦で年480万円のような高額世帯は3割負担」とするような政令をつくる権限を政府に渡します。「3割負担」「2割負担」「1割負担」となりますが、ほとんどの人は1割負担でよいことになりそうです。この負担割合条項は2018年8月施行。

 40歳以上が負担する介護保険料は健康保険料(支援金含む)と同様に、総報酬割となります。試算では、負担増は1300万人、負担減は1700万人。なお、この保険料条項は、成立直後の、2017年8月施行ということで、中年・中間層がじわりじわりとやられる風潮が続きます。

 介護と医療を一体的に提供する「介護医療院」の新設を盛り込みました。地域包括ケアシステムを進めることになります。

 法律は束ね法案で、介護保険法、医療法、社会福祉法、障害者総合支援法、児童福祉法が一括して改正されます。法律全体としての施行は、来年、平成30年4月1日(日)。

 法案の土台となる、先月12月9日の審議会とりまとめによると、杖など福祉用具レンタルは全国平均価格を発表し、手すりなど福祉リフォームは標準様式を発表するという内容になっています。自己負担分うんぬん以前に、業者の定価が高すぎるということが、関係者から問題視されていましたが、どうやら、業者・関係団体らの働きかけで、まったくの骨抜きになったもようで、それを反映した法律案が作成されているとみられます。

 高所得者である要介護者の自己負担引き上げも盛り込まれます。

 法案は、厚生労働省の次官級として「医療技監」ポストを新設する「厚労省設置法改正案」(193閣法16号)と同日に閣議決定されましたので、政府は一体審議を求めると思います。

 関係者の中では、法律成立時ではなく施行時にあわせて「2015年改正」「2018年改正」などと、施行年で呼ぶ慣習もあるようです。

 当事者の方は、厚労省ホームページや、業界紙・誌、関係団体の広報誌などでご確認いただくようにお願いします。

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駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法を10年延長、普天間など市町村交付金でグアム移転等ロードマップを2032年まで見通す

2017年02月07日 23時59分14秒 | 第193回通常国会(2017年1月から6月まで)学校法人森友・加計学園国会

(8日投稿で7日付にバックデートしました)

 「駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法を10年延長する改正法案」を、政府は平成29年2017年2月7日(火)朝の定例閣議で決定し、開催中の第193回通常国会に提出しました。議案番号は「193閣法18号」。

 現行法の10年延長案。法律の有効期限を2027年3月31日とし、交付金の予算措置は2032年3月まで可能とする内容です。

 「2プラス2」日米安全保障協議委員会が平成18年2006年5月1日に決定した「再編実施のための日米のロードマップ」 にもとづき、再編する見込みの基地周辺の市町村に交付金を出す法律。当初は「グアム移転ロードマップ」として海兵隊8000人移転が盛り込まれましたが、最近はあまり聞かれなくなりました。ただ、ロードマップのメニューのうち、横田基地空域(ラプコン)の一部返還、KC130(輸送機に空中給油装置が付いたもの)が沖縄から岩国基地に15機位移転するなど実現しているものもあります。

 改正案は10年延長のほか、株式会社国際協力銀行の業務特例を廃止する条項が入っています。

 防衛省は、3月31日までに成立させてほしい「※こめじるし法案」としてほしいと、与野党国対に伝えています。

 法律は公布の日に施行。

本文は以上です。

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[きょうの国会]文部科学省天下り問題で集中審議、歴代人事課長を参考人として招致、与党も批判合戦に参加

2017年02月07日 17時13分21秒 | 第193回通常国会(2017年1月から6月まで)学校法人森友・加計学園国会

[画像]踊る、文部科学省事務首脳、3列目の右から2人目が、前川喜平前事務次官(当時は初等中等教育局長)、YouTubeのAKB48公式チャンネル内の動画「トビタテフォーチュンクッキー留学JAPANバージョン」から筆者・宮崎信行がキャプチャ。

 画像はどうしても出したかっただけで、前川さんら文部科学省職員を貶める意図はまったくありません。どうしても、これにしたかったんです。

【衆議院予算委員会 平成29年2017年2月7日(火)】 

 「平成29年度予算案」の審議は6日目で、そのうち、集中審議はきょうが1日目となりました。

 タイトルは「公務員の再就職の在り方と行政改革について」。

 文部科学省の吉田元高等教育局長が安保国会延長中の8月に退職し、10月に学校法人早稲田大学に再就職したことが、再就職等監理委員会から指摘されました。きょうの集中審議に向けた、野党側は調査結果を要求し、きのう、文科省が詳細な中間報告をまとめ、きょう付けの新聞各紙でも1面トップで報じられました。

 委員会では、今国会召集前日に辞任した、前事務次官の前川喜平さんと、改正国家公務員法施行から先月までの、歴代の内閣官房人事課長が、「参考人」の立場で出席しました。これまでの審議で野党が政府参考人として呼び出した元人事課長が、現在の局長の立場としてしか答弁できないとしたことに配慮したのでしょう。

 自民党の牧原秀樹さんの質問に答え、前川さんは「再就職規制の違反と情報隠しをお詫びしたい」としました。この後、歴代人事課長のときわさん、はくいさん、ふじわらさん、とよおかさん、らが順に謝罪と認識を述べました。

 対象とされた、吉田前教授は出席しませんでした。天下りの結節点とされるOBは出席しました。閣僚からは、人事課長経験者による人事マフィアのようなものがあったと調査結果の報告がありました。安倍晋三首相は「65歳を超えても働ける改革が必要だ」としました。

 共産党の宮本岳志さんは、学校法人に対する私学助成金の割合は下がっていると強調。「天下りを大学側が喜んで受け入れる構図がある」と語り、人口減少ジリ貧局面での大学運営の厳しさに配慮しました。

 宮本さんは、スーパーグローバル大学の助成金で、早稲田大学の補助金が100億円で、2位の九州大学の83億円などを大きく引き離していると語りました。その一方、宮本さんは「早稲田大学政治経済学部は授業料が(年)4万1000円上がった」と話し、教育をめぐる資金配分の見直しを求めました。

 日本維新の会の浦野靖人さんは「早稲田大学は1882年に政治経済学部が創立した名門だ」としました。

 早稲田大学では、政治経済学部が看板学部とされ、建制順にもとづき、いかなる場面でも「政治経済学部政治学科」から並ぶことになっています。ところが総長(学校法人理事長)は、ここ30年間、1代置きに法学部長が就く法学部支配が続いています。バブル期の西原春夫総長、その後の、文学部の小山宙丸総長、法学部の奥島総長、理工学部の白井総長、法学部の鎌田薫総長。私は白井総長の時に、関係者に「白井総長は法学部の神輿ではないのか」と聞いたら「白井総長は理工学部出身だから産学連携で寄付金を集める力がある」と言われて、納得しました。ところが、4期8年経ったら、やはり法学部長が総長になったので、そういった理工学部の力も取り込んだ支配が続いているのでしょう。

 この間、時間貸しをしていた第二学生会館、政治経済学部の事務所がある3号館、30年前に作ったばかりの百周年記念会堂などが、次々取り壊され新しい建物となりました。昨秋に行った際も、大隈講堂の脇で工事をしており、大学界のサグラダファミリアと化しています。このお金がどう回っているのか。学校法人は会計法の対象外ですから、入札は不要。発注しているゼネコンは違う会社を使っているようです。

 こうして、昨年話題となった保育所(厚労省、社会福祉法人など)は足りず、大学(文部科学省、学校法人など)は余る。いびつな国となりました。早稲田大学の学生とは、ここ25年間ほど継続して会いますが、別に時代と関係なく、学生はなにも変わらないと感じています。

 あと、関係ないですけど、上の画像の「トビタテ留学」キャンペーンで、フランスに留学していた女性筑波大学生が行方不明(おそらく逝去)となっています。優秀な学生を国全体で守ろうという気概を、国家国民は持ちたいものです。

 話は戻って、きょうの審議では自民党、公明党とも、閣僚ではない文科省の事務方を叩いて、政権批判をかわそうとの思惑が見え隠れし、世論の動向が気になるところです。あまり世論はこの問題に関心を持っていないように感じますが、2月の予算審議の焦点となりそうです。

 衆議院では5年ほどやめていた場内協議が増え、たびたび速記が中断しました。今月、基本的質疑で金田法相の答弁をめぐって度々止まったことから、止まるのが常態化しつつあります。きょうは浜田靖一委員長も「テレビが入っているんだから」と本音を漏らす姿も見られました。昨日の一般的質疑では午前の部が午後12時31分頃まで続きました。28年ぶりに自民党が衆参単独過半数を持つ予算審議なので、与党としては止めながら確実な成立を期すものと思われます。野党は「止め男」「止め女」が頑張るしかないようです。

 だいぶ止まりましたが、審議は午後5時10分頃に終わり、散会しました。

 あすは午前9時から。

【参議院 平成29年2017年2月7日(火)】

 ありませんでした。

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