【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

[きょうの国会]税制改正法案が審議入り、蓮舫代表「関係者は関心があるが、一般の国民に関心をどう持ってもらうか工夫したい」

2017年02月16日 18時55分43秒 | 第193回通常国会(2017年1月から6月まで)学校法人森友・加計学園国会

[写真]きょうの国会議事堂=皇居から見て裏側、参議院側=筆者撮影。

【衆議院本会議 平成29年2017年2月16日(木)】

 まず、小里貞利さんに対する弔詞贈呈がありました。

 続いて、税制改正法案が審議入り。

 「所得税法改正など平成29年税制改正法案」(193閣法6号)が麻生財務大臣から趣旨説明され、代表質問がありました。

 この後、高市総務相が「平成29年度地方財政計画」、「地方税法改正案」(193閣法10号)「地方交付税法改正案」(193閣法11号)を趣旨説明し、その代表質問がありました。

 麻生財務大臣は国税の法案について、

(1)所得税の見直し
(2)法人税で、研究開発税制などの見直し
(3)消費課税で酒税の税率構造の見直し
(4)国際的な租税回避の対策
(5)災害のたびに特別立法で措置していた既定の恒久法化
(6)不動産税制の見直し

 だと、コンパクトに説明しました。

 代表質問では、国税分について、自民党は質問に立たず、民進党の鷲尾英一郎さんから質問が始まりました。鷲尾さんは「パート主婦など控除対象配偶者の就労を妨げているのは、社会保険料負担も勘案すべきで、その調整をせずに年収要件だけ引き上げても、就労拡大はわずかしか期待できない」と語りました。

 この、自民党が国税の法案で質問に立たなかったことについて、蓮舫民進党代表は同日の記者会見=写真、民進党本部、筆者・宮崎信行撮影=で、





 「財務大臣に対して質問しないのは、与党であれ野党であれ、立法府として残念だ。税制については、関係者は関心を持つが、一般の国民に対して関心を持ってもらうために、審議のあり方について、工夫が必要だと思う」と語りました。同党はあす対案を国会に提出するもよう。

 本会議に戻って、公明党は国税分について、「酒税の増税プログラムは、そのときの消費状況を点検することが必要だ」「日本における相続税発生を懸念して、外国人の高度人材が日本で働くことを避けることがあったが、今回の法案で解消するのか」とただしました。安倍首相は答弁で「酒税の税率の段階的見直しのたびに消費の状況を点検する」とし、公明党の意思で税制改正大綱に入ったものだと強調しました。首相と財務大臣は「酒税は税率の段階的見直しのたびに消費の状況を点検する」とともに、答弁しました。

 このほかに、安倍首相は気になる答弁をしました。「企業の配偶者手当に年収要件があることも就労調整に関係があり、経団連は会員企業に対して、配偶者手当の見直しを指示した」と述べました。所得税の配偶者控除と、給料の配偶者手当の問題を混同させ、給料カットにつなげようとする思惑が、政財にあるように、私は思います。首相は「賃上げは政労使会見の成果によるところが大きいが、所得拡大税制がインセンティブになった面もあり、企業規模を中小企業まで拡大する」と語りました。この辺は、実は法人税制の問題です。この段落の首相答弁は、ともに、公明党の上田勇さんに対する答弁。

 共産党は、アベノミクスの光と影について質問しましたが、具体的な税制改正に触れませんでした。

 本会議はこの後、上述の通り、地方税法改正案の審議に。

 高市総務相は平成29年度地方財政計画について「国地方あわせて0・8兆円増加する」と演説しました。

 自民党の古賀篤さんが「私は総務大臣政務官をつとめた」とし、「昨年は災害が相次いだ」として、災害復旧の充実を求めました。この分野では、内閣府、国交省などと所管が重複する部分があり、省にエールを贈ったとみることもできます。

 民進党の高井崇志さんは、午前中の委員会=後述=に続いて、本会議でも高市大臣をただし、天下り問題、ICT利活用、地方財政に言及。高市総務相は「臨時財政対策債はできる限り減らした」と理解を求めました。高井さんは演説の冒頭で、共謀罪の金田法相、日報の稲田防衛相の辞任を求めました。

 散会。

【衆議院総務委員会 平成29年2017年2月16日(木)】

 午前8時30分過ぎから、前回の大臣所信に対する一般質疑をしました。

 本会議後に再開し、一般質疑終了後に、「地方税法改正案」(193閣法10号)「地方交付税法改正案」(193閣法11号)が趣旨説明され、散会。次回は、21日(火)9時から。

 きょうの一般質疑では、NHK新会長らも呼ばれました。

 自民党の小林史明さんは「マイナンバーカードが1200万人まで普及してきた。税だけでなく、国保などに広げて、行政の電子化につなげたい」としました。答弁では、2012年国会や2013年国会と同じく、内閣官房の向井治紀審議官が登場。ずいぶん鍵となるエース官僚なんだろうなと思いました。

 民進党の高井崇志さんは、NHK新会長に質問しましたが、民間とはいえ、NHK経営委員だったので答弁は安定しているように感じました。

 民進党の鈴木克昌さんは、「ふるさと納税(自治体への寄付金の所得控除)では、地元ケーブルテレビのキャスター枠など、豪華な贈答品が増えている」と首長経験者として指摘しました。

 共産党の田村貴昭さんは本会議=上述=でも、問答となった、総務省と内閣府防災担当とのすみわけについて、内閣府からも答弁者を呼び、質問。梅村さえこさんは、マイナンバーについて質問しました。

【衆議院議院運営委員会 平成29年2017年2月16日(木)】

  インターネットのみならず、衆議院倶楽部などに属する記者にも非公開です。

 議事録は、来週頃には、このアドレスのリンク先で公開されます。


【参議院 平成29年2017年2月16日(木)】

 審議はありませんでした。決算委員会は、宮崎県、鹿児島県で気象庁関連など視察しました。 

この記事の本文は以上です。

(C)2017  宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 
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