【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

[きょうの国会]「2016年体制」で自民さらに加速し、今週末にも予算が衆院通過の公算

2017年02月20日 17時19分14秒 | 第193回通常国会(2017年1月から6月まで)学校法人森友・加計学園国会

【衆議院予算委員会 平成29年2017年2月20日(月)】

 自民党が衆参単独過半数を持つ「2016年体制」で初めての予算審議は、今週金曜日から来週前半までに衆議院通過という超高速ペースとなることが確定しました。

 浜田靖一委員長は、既に決定している明21日(火)の公聴会に加えて、22日(水)23日(木)の分科会の開催を、午後イチで決定。採決は、民進党などが反対し、自民党と公明党などが賛成しました。

 地方公聴会は既に終えており、予算案は最速で金曜日にも衆議院を通過。昭和31年1956年から平成元年1989年までの衆参単独過半数時代の、最速は3月1日でしたので、歴史的な最速ペース。参議院議員が初めて野党第一党党首となった最初の国会で、参議院不要論が確定的となる皮肉なめぐりあわせとなりました。仮にテレビ入り集中審議を2回やっても、2月中に通過します。

 きょうの委員会に戻ります。

 平成29年度予算案は12日目で、そのうち一般質疑は4日目(これまでに集中審議3回開催済み)。

 自民党の江藤拓さんは「稲田大臣はよく頑張っている」と語り、北朝鮮ミサイル問題や、地元の話をしました。公明党は2人登場。吉田宣弘さんが下関の話を短時間質問。真山祐一さんは「公明党学生局は奨学金問題もやっているが、それと同じくらいブラックバイト問題に取り組んでいる」と紹介。福島から横浜へ非難していた子が、「福島さん」と呼ばれて馬鹿にされながら、150万円カツアゲされたことを苦にして、自殺。横浜市教委が「いじめではない」との見解を、おそらく世論に配慮して変更した件を「許せない」と語りました。

 そろそろ、地元の話もオッケーかなというくらいに、審議は熟してきた感じがします。

 民進党の本村賢太郎さんが、インターネットや東京新聞紙上で話題になっている、東京MXテレビ番組「ニュース女子」に言及。中島克仁さんは、NHK山形放送局記者が複数の女性宅に侵入し強姦し、前任地の山梨県の余罪も含めた警察捜査がされていることを聞きました。中島さんは、塩崎大臣から「民主党政権時代もそうしている」と語ると、「私は(野党・みんなの党で)民主党ではなかった」と強調しました。

 本村さんは、塩崎厚労相が言及している、健康増進法を改正しての、飲食店全面禁煙を取り上げました。週末の世論調査でも選択肢となっています。私としては、労働基準法改正案を先に審議すべきなので、法案を出すのは先送りにすべし、という回答です。

 升田世喜男さんは、南スーダンPKO部隊は、地元青森から出ているとしながら、稲田防衛相に質問。「賞恤金(賞じゅつ金、しょうじゅつきん)を9000万円までに引き上げたのは、リスクが高まるからだ」と正直に認めるよう質しました。

 稲田防衛相は、緒方林太郎さんには、「民主党の野田政権の南スーダンPKOの日報にも、戦闘という文字がある。それなのに、派遣を継続した」と強気に攻めました。私は、稲田さんは期せずして、現に戦闘行為でない現場、の定義が広がってしまう答弁をしてしまったように感じました。

 上述の分科会決定直後には、民主党政権時に閣僚を経験した議員が登場し、「私が理事をやっているときには、こんなに強引な運営は無い」と語りました。自らの経験が歴史のすべてだ、と言わんばかりの態度。私は残念です。

 時代に半歩から一歩近く遅れた民進党。

 私はこの党の存続は厳しい状態になってきたと考えます。グローバルマネーIT資本主義集団的自衛権に押し流されかけた、民進党。2月中に衆を通過したら、院内闘争に限界を感じて、院外、国会前で代表以下が恋ダンスを踊ってYouTubeに投稿してFacebookでシェアしてtwitterでリツイートして拡散してください、というくらい、時代に遅れたことをしそうな集団のように、私には思えます。

 賢者は歴史に学ぶ、愚者は経験に学ぶ。

 かえりみて、私自身は謙虚に、温故知新で生きていきます。

 あすは午前9時から中央公聴会。誰が登場するのでしょうか?

【参議院 平成29年2017年2月20日(月)】

 東日本大震災復興特別委員会(桜井充委員長)が岩手県山田町などを視察しました。

この記事の本文は以上です。

(C)2017  宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 
http://miyazakinobuyuki.net

[お知らせはじめ]

宮崎信行の今後の政治日程(有料版)を発行しています。ご購読お願いします。

「国会傍聴取材支援基金」の創設とご協力のお願い 

このブログは以下のウェブサイトを活用しエントリー(記事)を作成しています。

衆議院インターネット審議中継(衆議院TV)

参議院インターネット審議中継

国会会議録検索システム(国立国会図書館ウェブサイト)

衆議院議案(衆議院ウェブサイト

今国会情報(参議院ウェブサイト)

各省庁の国会提出法案(各府省庁リンク)

日本法令索引(国立国会図書館)

予算書・決算書データベース(財務省ウェブサイト)

インターネット版官報

[お知らせおわり]