ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

【9/3】総理なき安倍晋三内閣の国会審議幕切れ 厚労相「政府がマスクをしろとは言ってない」

2020年09月03日 18時18分15秒 | 第202回臨時国会(2020年9月~)菅新首相選出
[写真]参議院第一別館、ことし2020年7月、筆者撮影。

 安倍晋三首相が先週末退陣を表明しました。与野党合意にもとづき、参議院予算委員会が設定され、閉会中審査がありました。

【参議院予算委員会 令和2年2020年9月3日(木)】

 首相どころか、財務大臣も出席しない予算委員会。先例にならないことをのぞみます。

 一般質疑。新型コロナウイルス感染症対策。きのう衆議院とは様相を変え、分科会の尾身座長、脇田副座長、そして、東京都医師会の尾崎治夫会長が参考人として陳述。それを含めて、加藤勝信厚労相、西村康稔コロナ相、文科副大臣の答弁がありました。

 尾崎会長は「ある程度の補償と場合によっては強制力をもった休業要請が必要だ」と特措法の再改正に言及。「指定感染症2類だと、PCR検査が要請だと病院に入れなければならない。宿泊療養と自宅療養を含めた指針づくりが必要だ」としました。

 自民党の山田修路さんの問いに答えて、尾身座長は「この病気は相手の弱みが分かってきたので、適切に対処が可能だ」としました。脇田副座長は「ノマド的なワーカーが活躍する集中を避けた社会」を提唱し、新しい日常での生活様式を提唱しました。

 石橋通宏さんは「共同会派として、この後、矢田わか子、伊藤孝恵両議員と3人で役割分担をして質問する」として、野党の要求に基づく臨時国会を開かなかったことと、きょうの予算委員会に財務大臣が出席していないことを批判しました。

 矢田さんの質問に対して、加藤厚労相は雇用調整助成金の財源は「まだ余裕がある」と答弁しました。

 公明党の三浦信祐さんが「マスク、フェイスシールドのほかに、マウスシールドをしている人がいるが有効か」との問いに尾身座長は「エビデンスに乏しいが、相手の飛沫を吸い込むことには効果が乏しいと思う」と語り、マウスシールドは、マスクと併用する必要があるとの知見を示しました。加藤厚労相は「念のため言っておきたいが、政府はマスクをした方がいい、と言っているのであって、マスクをしなくてはいけないとは言っていない」と強調しました。

 三浦さんはワクチンを無料にするよう要望。これに先立ち尾崎会長は山田さんの質問に対する答弁で「ワクチンはお金がないと打てない人もいるので対処してほしい。インフルエンザワクチンについては例年10月上旬に品不足になるので、厚労省が手を打ってほしい」と述べました。

 政府は先週、2021年前半までにコロナワクチンを1・2億人分用意することを閣議決定しており、これは、菅義偉さんらが次の首相になったあとも、政府をしばる公約となります。

【衆議院 同日】

 とくにありません。

このエントリーの本文記事は以上です。
国会傍聴取材支援基金の創設とご協力のお願いをご一読ください。 
このブログは以下のウェブサイトを活用しエントリー(記事)を作成しています。
インターネット版官報

Ⓒ2020年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする