宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。

福山さんを責めないでむしろファインセーブだ、立憲民主党3億9000万円しかなかった、自民党178億円とゴリラ対ゴジラ状態、一年間の支部に対する交付金は自民1100万円と立憲900万円

2020年09月25日 20時32分00秒 | 小沢一郎氏による解党ビジネス
[写真]福山哲郎さん、今月2020年9月15日、都内で、宮崎信行撮影。

 福山哲郎幹事長は責められるどころか、むしろファインセーブだったようです。京都には、勘定がうまい参議院議員と勘定が下手な衆議院議員がいるようです。

 きょねん1年間、自民党本部が支部交付金を1100万円出したのに対して、立憲は900万円にとどまったことが分かりました。旧立憲衆議院議員からきょねん後半、不満が出ていました。

 年末の政党交付金部分に限った残高は自民党178億円に対して、立憲が3億9000万円。余裕があるとされた国民民主党はわずか2億円。50対1、ゴジラ対ゴリラ並みの差で、ことしを迎えていたことが分かりました。当面、自民党が選挙に勝ち続けそうです。


 2019年7月21日に参議院議員通常選挙があり、各党ともこのスケジュールを見すえて、本部から衆参議員が代表をつとめる支部に対して交付金がされていました。

 自民党本部は、神奈川2区総支部(菅義偉代表)に対して年間1100万円を交付しました。4月26日に200万円、5月20日300万円、7月31日200万円、10月31日200万円、12月9日に200万円。このうち5月の300万円は、参議院選挙をバックアップするためのファイトマネーだったと推測されます。

 立憲党本部は、ある衆議院現職議員の総支部に対して、1月31日200万円、4月22日200万円、7月17日200万円、10月21日100万円、12月5日200万円の総額900万円を交付しました。

 ちなみに、総務省から党本部に交付された日から、立憲は3日後、自民は7日後に振り込んでおり、立憲の方が事務はすばやいともいえます。

 立憲はきょねん4月の統一地方選の大勝利で大いに気勢が上がりましたが、7月の参院選であっという間に大失速しました。

 きょねん1月から12月まで一年間の途中。7月参院選投票日時点では、立憲600万円対自民500万円。立憲の方が多かったことになります。

 参院選敗退後、立憲衆議院議員に衝撃を与える出来事がありました。10月21日の振込額が100万円だったのです。1月、4月、7月と3か月ごとに200万円振り込まれたので、てっきり10月も200万円だと思っていたら、半分の100万円。一部の議員では、総支部スタッフの人件費に食い込んでしまった人もいたようです。基本は議員歳費から総支部に貸し付けたり寄付したりします。自民党はこの時期(10月31日)に200万円が振り込まれていました。肝胆あい照らす仲の友人が議員仲間にいる人は異変に気づきました。

 この時期に、枝野幸男代表が福山幹事長に財布を預け切っていることもあり「枝野・福山独裁批判」が上がりました。

 しかし、党本部の交付金の年越し額は、自民党の178億円に対して、立憲はわずか3億9000万円。その前年は9億円でしたので、さらに減っていました。参院選の結果による増収がわずか4億円(年換算では8億円相当)にとどまったからだと思われます。だから、10月21日の支部交付金が100万円だったのでしょう。福山幹事長にしたら、無い袖は振れない。

 ところで国民民主党の繰越額は2億円とさらに少なかったです。巷間言われていた「四十億円台」は党費や寄付として政治資金に移されていたお金だと思われます。国民の年間の政党交付金は51億円ですが、一年間(参院選含む)でほぼ使い切った計算で「50億円」はこの金額との混同かもしれません。いずれにせよ、今月の解党時点でも十数億円しかなかったとみられます。

 参院選で、立憲がもっと借金をしていたら、もっと勝てたかもしれないと事情通は語ります。党本部の土地が財務省と衆議院の土地なのに、建物は一般財団法人自由民主会館の私有物としている自民党はそれを抵当に銀行からお金を借りられます。立憲は銀行から借りられませんでした。

 一方、小沢一郎さんはきょねん国民の生活が第一・自由党を解党して9億円を手にしました。小沢さんの解党ビジネスの方が立憲・国民の政党交付金残高よりも多かったという驚くべき実態が見て取れます。9億円は小沢さんの50年分の歳費や文通費総額に相当します。時給1000円で働いたら90万時間かかります。1997年の新進党解党以来の、小沢さんの解党ビジネスが日本の民主主義を壊してきたことは疑いようのない事実です。

 最後に、選挙や政治をビジネスにしたい若い人には経営者である私からはアドバイスがあります。政治に成長がありません。衆参の定数は今後も増えないと思われますので、選挙で勝って議席を伸ばしたとアピールしても、次では減るかもしれません。例えば、十数年後に「弊社は衆参で3000議席分の選挙を請け負っている」という実績を作りようがありません。永田町のGRPは2兆円程度と考えられますが、そのパイは今後もまったく増えないと考えられます。なので、「年商2兆円で利益率わずか3%の労多くして実り少ない電通」が一事業部門としてやれば黒字になりますが、個人の中小企業が十数年後に「弊社は国会で3000議席分を売り上げている」ということはありえません。銀行もお金を貸してくれないかもしれません。言われてみれば、その通りでしょ?

以上です。
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【メディア批評】「過去最大の概算要求」は当たり前だから見出しの是正を、「政府原案決定」「国会提出」「衆議院通過」「成立」

2020年09月25日 15時32分00秒 | マスコミ批評

[写真]異様なまでに薄暗い日本経済新聞社、4年前の2016年、宮崎信行。

 きょう25日(金)は自民党政調会では9つほどの省庁の概算要求を聞く各種部会が朝から開かれました。

 昨夜からけさにかけて、来年度令和3年度予算案編成に向けた、概算要求の総額が報じられています。

 毎年非常に気になる表現があります。

 「過去最大の概算要求」という見出しです。

 商品経済はインフレしなければなりたたず、概算要求ベースで名目実額が前年比過去最大になるのは当たり前のことです。

 内閣府のSNA(国民経済体系)で確認すると、ここ四半世紀、名目の民間最終消費支出が前年度の名目を下回ったことは、平成10年度の「橋本経済失政」、平成14年度と15年度の「小泉構造改革」、平成20年度の「リーマンショック」の4回。25回中4回しかありません。政府最終消費支出では平成18年度、20年度の2回だけです。

 平成6年度は民間269兆円、政府76兆円で、30年度は民間304兆円、政府108兆円。

 私・宮崎信行が日本経済新聞記者だったころは「過去最大」「史上最多」との草稿の表現を「調査開始以来最大」「○○省○○課は、史上最多ではないか、と話している」とデスクに書き直されることは建設作業現場で親方から始動されるような日常でした。

 毎年の報道を見ていると、「史上最大の予算が国会で成立した」と見だしをとりながらも、文章中で「史上最多」という表現がないから見出しになっていることもあります。

 9月末日の翌日の報道や、12月下旬の政府原案、1月の国会提出、2月の衆議院通過、3月の成立とも、「過去最大」でなく「前年度比○%増加の予算」という表現をしてほしいと思います。

 マスコミも、こびりついたデフレマインドから脱却しましょう!

 以上です。
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