宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。

「ガースーです」批判で急転直下、病院を初視察、GoToトラベル一時停止で大混乱との報道

2020年12月14日 23時06分41秒 | 2020年夏秋政局 菅自民 枝野立憲 新体制に
[画像]「ガースーです」発言の10秒前後後のニコニコ生放送のコメント入り画面、先週金曜日配信

 菅官邸が縦割りを排除し過ぎて、大混乱のようです。

 先週金曜日、麻生財閥が経営する「ニコニコ生放送」で、「みなさんこんにちは、ガースーです」と発言した菅義偉首相。改めてコメントを見ると、さほど受けたわけではなく、「GoToトラベルについて早く答えろ」という趣旨の厳しいコメントもありました。

 きのうの当ニュースサイトで、菅直人首相は翌朝に福島原発を視察したのに、菅義偉首相は100日経っても病院を視察していないと指摘しました。きょう、全国で4つしかない「特定感染症指定医療機関」を訪れました。東京・新宿に位置し、「歌舞伎町クラスター」について、医師から最初に警鐘がありました。超有名コメディアンもこの医療機関で亡くなりました。

 きょうの対策会議では、コロナ病床に派遣される医師に1時間1・5万円、看護師に1時間5500円の上乗せ支給が決まりました。また、病院が清掃などを外部委託する業者に補助が出ることになりました。私としては事前に思いもつかなかった発想ですが、現状の日本の経済・社会の実情からすると、大変評価できる政策とりまとめだと考えます。

 そして、1次補正の予算措置「GoToトラベル」は12月28日から1月11日までの停止が決まりました。私はちょっと分からなかったのですが、観光庁、旅行代理店、都庁などでは大混乱となっているようです。

 けさ発表の日銀短観では、自動車は前回の「マイナス61」から今回は「マイナス13」にまで回復しました。前期比ではやれやれといったところです。宿泊・飲食・サービス業。中小企業は「マイナス74」から「マイナス41」に回復し、GoToトラベル、GoToイートの一定の成果があります。景気後退では中小企業の方が影響が多い傾向がありますが、コロナ過の宿泊・飲食サービス業では、大企業の方が影響が大きく「マイナス87」から「マイナス66」へと回復した程度にとどまりました。これからも、さらに失業者が出ることが予想されます。他の業種で吸収しろというのも無茶ですから、とにもかくにも、現金給付という政策しかありえません。

 今週の衆参内閣委員会閉会中審査で、閣僚がうまく説明できるかどうかも、年を越した後の菅政権の命運を占うことになりそうです。

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インターネット版官報

Ⓒ2020年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki
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