宮崎信行の「新・夕刊フジ」

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

国土交通省官房長異例のクリスマス転籍の「鉄道建設・運輸施設整備支援機構法など改正法案」を第204回通常国会に提出へ

2020年12月26日 22時23分18秒 | 第204通常国会令和3年2021年
[写真]説明は後で。

 「鉄道建設・運輸施設整備支援機構法・旅客鉄道法・国鉄債務法などを改正する法律案」(204閣法 号)が、第204回通常国会に提出されるはこびとなりました。

●延長が柱

 JR北海道、JR四国、JR貨物の支援継続が柱。

 「旅客鉄道法」の対象=JR北海道、JR四国、JR貨物の3社。

 「鉄道建設・運輸施設整備支援機構法」を設置根拠とする、「旧鉄建公団」は、3社に、「鉄道施設等、設備又は車両の更新」「会社の経営基盤の強化に必要な鉄道施設等の整備に必要な資金に充てるための無利子の資金の貸付け又は助成金の交付を行うことができる」とあります。この任務は、機構法第5条で来年平成33年(令和3年と読み替え)の3月31日までだとしています。

 この機構法第5条を延長する改正項目が法案の背骨となります。

●官房長が12月に辞任

 同機構(旧鉄建公団)は、北陸新幹線の金沢延伸区間の1年遅れの批判殺到で、理事長・副理事長が辞任。このため国土交通省官房長(元鉄道局長)がきのう霞が関局長として異例の「クリスマス辞任」し、副理事長に転出(新・理事長は公募)。新・副理事長は分割1年前入省の旧国鉄を知る最後の国交官僚で、立て直しを図ります。
 
 ◇
 
 写真の意味。

 自民党の県会議員ですら「だまされた」と怒りにふるえるのではないでしょうか。

 オリンピック予定日前に開業した山手線「高輪ゲートウェイ駅」近くの「港区高輪1丁目」にある表示。すべて2020年3月16日に宮崎信行が撮影しました。
















 勘の良い方は、お察しでしょう。JR東日本が11万平米の土地のうち7万平米に、4街区にわたる建物を建てる「仮称・品川グローバルゲートウェイプロジェクト」。私の試算だと、7万平米に、平均160メートルの高さの建物を建て、建物の不動産価格で時価3000億円ほどになると思われます。

 この真ん中に「高輪ゲートウェイ駅」をつくった。金の亡者め。ネットメディアで「駅名大喜利」などをやっていましたが、何か変だな、と思わないとジャーナリストと言えないのかもしれません。これにより、田町駅を降りて、慶應義塾本部の近くにある高輪郵便局から高輪ゲートウェイ駅を経て品川駅までの「山手線1・8駅分の皇居側」がすべてJR東日本の建物になります。再開発の看板は「JR東日本・東京都・都市公団・京浜急行」の4者ですが、ほとんどJR東日本の不動産となります。建物だけの資産価値が私の試算通りなら、それだけで、全日空の全純資産の3倍となります。

 東京と地方の格差を広げる、JRグループ。

 これなら、地方の若者は東京に集まって当然。旧鉄建公団の支援だけでどうこうなるものではありませんが、向こう数年間はコロナ渦での安全確保に全力をつくしていくしかありません。

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インターネット版官報

Ⓒ2020年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki
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