【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【第49回衆院選】立憲現職は既に「選挙事務所開き」(後援会事務所)現地とズームで100名以上が「顔出し参加」、与党現職は前首相を招いたハコを企画

2021年08月12日 22時09分00秒 | 森山浩行 大阪16区
 再来月の第49回衆院選に向けて、立憲民主党現職が選挙事務所(正式には公示日前日までは後援会事務所)の開所式・事務所びらきをスタート。

 衆議院大阪16区は、現在、公明党現職の北側一雄さんと、立憲民主党(比例近畿復活)の現職・森山浩行さんが出馬を予定しています。

 森山ひろゆきさんは、今週令和3年2021年8月9日(月・振替休日)の午前10時から、堺区で事務所びらきをしました。

 アプリとウェブでの会議システム「ズーム」を使ったハイブリッド式となりました。

 司会は、「総支部堺区東区担当幹事」の女性が担当し、全出席者に「顔出し」を要求。当日は長崎原爆忌で、恒久平和を願い全員で黙祷。セガワ後援会長は「今黙祷したが、私は昭和20年生まれ。前回選挙の出発式では孫の力を借りてでも勝ちたいとあいさつしたが、その孫も4歳で、私の来年の喜寿は孫の笑顔を見たい未来へのたたかいだ」と現職のキャッチフレーズをちりばめギアを前にしました。

 来賓は、全水道の二階堂健男・中央執行委員長が「ワクチンを接種し、PCR検査を受けて東京から来た」とし「最後までがんばりましょう」と話しました。

 前堺市議で当地の有力ものづくり労組出身の大毛さんは「実は私は国民民主党所属だ。市議初当選同期の森山さんの2009年のマニフェスト選挙はすばらしかった」と昔を振り返りました。

 連合大阪の地域協議会会長は「実は私は長崎出身で76年。そして私は電力出身だが、17年前に美浜原発事故。8月9日は美浜原発事故の日だ」とし、現職の政治姿勢に話を重ねました。

 個人の立場で応援する、JP労組退職者のヤマワキさんは「4年前は、どこから出るか決まらなかったが、私は小選挙区で出る以上は無所属ではなく政党公認で出た方がいいとした」と語りました。4年前は小池・河村・松井3首長が「3都物語」と競合をさけたために大阪府連は立憲民主党(平野博文さんは無所属)でまとまりました。

 森山さんは「ことしは総務省の違法接待で予算委員会にも出た」とし、山田・谷脇・秋本の3代情報流通行政局長の更迭、東北新社の社長と菅特命部長の更迭、「さざ波」の高橋洋一・内閣官房参与の更迭の「6人首取り」の実績を打ち出しました。また、他の議員とともに支援していた、軍クーデターが深刻なミャンマー代表サッカー選手の難民認定が確実となっています。

 最後は地元の女性マツナガさんが登場。「堺は与謝野晶子の出身地。私も短歌3首で応援したい」とし「歴史ある堺のまちに育まれ、議員・森山、今日も奮闘」。ズームの100人が自主的に盛り上がり両手を振るなど、ミュート・顔出しで会場との統一感を示しました。

 がんばろう三唱はありませんでした。

 地元以外には現職の松田功議員、大阪の萩原仁・元議員総支部長、滝沢泰子(滝沢やすこ)東京・区議も「ズーム」ではせ参じました。

 30分ほどでの短時間で終わり、この後、堺の人は事務所を見に行けば、森山さんが夕方まで居るというかたちでした。

 一方の北側かずおさん。北側代議士は定例的に焼き鳥屋で道に背を向けて食事をしているため、堺市役所の幹部が要望書を茶封筒に入れて、指示を受けた若手が、無言で差し出すと片手で受け取ってくれる、最も地元に近い与党幹部代議士。まさに代議士中の代議士。終生その仕事をしたいので全力の選挙戦となります。北側さんは来月上旬に地元ホテルの「ハコ」に安倍晋三前首相の応援を得て、小選挙区3連勝から4連勝に向けた足元固めをしたい意向で、リアル開催を念頭にした準備をしています。


[写真]北側一雄(北側かずお)さん、12年前の2009年8月、宮崎信行撮影。

[写真]森山浩行(森山ひろゆき)さん、4年前の2017年10月、宮崎信行撮影。

 立憲民主党の新人はだいたい、選挙事務所を念頭に置いた後援会事務所を、2か月・3か月契約で、借りているようで、第49回衆院選では、党からの交付金で家賃は賄えそうです。自民党竹下派・新生党の中島衛衆議院議員秘書から民主党職員・国民民主党事務局長を経て9月に立憲入りした職員が県連有力議員の情報を集めて枝野代表・福山幹事長・平野選対委員長トリオと共有しつつ、総支部長に助言する構造となっています。
 
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【第49回衆院選】政権寄りのNHK・読売で内閣支持率が政権再交代後最低に、また東京都連・下村博文政調会長が総裁選の実施をうながす

2021年08月12日 21時28分29秒 | コロナなど閉会中審査→オリパラ→衆院選
[写真]会議前の「頭撮り」で頭を上げない異色の政治家、菅義偉さんで自民党は選挙に勝てるのか、おととし2018年10月、国会議事堂本館2階皇居側の参議院議院運営委員長室で、宮崎信行撮影。

 政権寄りとされる「NHK」で内閣支持率29%、「読売」で35%となり、2012年12月の第46回衆院選での政権再交代後最低となりました。不支持率が「NHK」52%、「読売」54%とともに初めて50%を超えて「積極的不支持」がコロナ第5波と国内個人消費の低迷で顕在化してきました。

 二階俊博幹事長らは総裁選回避の舗装を急ぎますが、風に左右されやすい都連所属の、下村博文政調会長はきのうBSで「今の自民党、国民の皆さんから非常に厳しい目で見られていますから、この自民党をどうするのかと、それからウィズコロナのこの先の日本をどうしていくんだと、しっかりと総裁選挙で議論する」「菅総理も含めて、我こそはという人が手を挙げて議論していくことが大切だ」と語り、複数立候補・フルスペック(全党員参加型)の総裁選を、第49回衆院選より先にやるべきだと明言しました。最大派閥ながら就任とともに総裁派閥ではなくなった下村会長は都連選出。党四役がこのような発言をするのは、人としてどうか、とまで思います。

 しかし、2008年の自民党総裁選には麻生太郎さんを含む合計5名が立候補。このうち、与謝野馨さん、石原伸晃さん、小池百合子(小池ゆりこ)さんの都連所属が立候補「都連率6割」となりました。「猿回し」と揶揄された全国遊説で、5候補全員が同乗したバスで石原さんが大声で「田舎だなあ」と語ったとしています。さて、麻生圧勝でこの総裁選で、福田康夫内閣の20%から麻生内閣は48%に。が、翌年6月に今回のNHKと全く同じ29%に。そして、追い込まれ解散後の翌月は21%に下落して第45回衆院選で政権交代となりました。

 一方、指摘されているように、

 2008年の8月と、2021年の8月では

 政党支持率は自民党が37%→33%に、最大野党は21%→6%、公明党が3%→3%、共産党が2%→3%となっています。最大野党の支持率は実に3分の1です。しかし、前回第48回衆院選での最大野党の基礎票は2000万票あり、下野時の2倍以上、マニフェスト・郵政解散時と大差ない基礎票に戻しています。なので、支持率に関係なく、第49回衆院選2000万票を超えるのは確定的でしょう。

 今週の「週刊朝日」で、角谷浩一さんが、自民党235議席(小181比54)、立憲民主党129議席(小76比53)、松田馨さんが自民213議席(小154比59)、立憲が158議席(小101比57)を予想しています。松田さんは自公では過半数を6議席上回る予想です。妥当なところでしょう。

 ところで、上述の2008年総裁選の都連3人ですが、石原さんは小選挙区で当選しましたが、与謝野さん、小池さんは小選挙区では落選して比例復活で議席をつなぎました。私を含めてほぼみんな忘れていたでしょうが、第45回衆院選で小池さんは惜敗率91%となり、自民比例東京5人枠の4位でなんとな比例復活しました。仮に2008年総裁選に女性初で立候補していなかったら、小池さんの今の地位はなかったでしょう。

 だとしたら、小池さんのように都市部の議員は立候補した方が、自分の選挙には有効かもしれません。しかしいうまでもなく、その1人の当選に有効なだけで、自民党・内閣・日本にとっていいこととは限りません。

 いずれにせよ、第49回衆院選は、立憲単独の底が2000万票以上だということから計算すると、見えやすいでしょう。

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【第49回衆院選】大島理森衆議院議長も引退発表、但し勤続年数が長い47人中42人は立候補し38人近くは議席確保し、むしろ総選挙後政局でキーパーソン化しそう

2021年08月12日 20時46分46秒 | 第49回衆院選(2021年10月 岸田続投 枝野辞任)
[写真]大島理森衆議院議長、おととし平成30年2018年5月28日、国会議事堂衆議院本館2階内で、宮崎信行撮影。

 大島理森衆議院議長がきょう、青森県内で記者会見を開き、再来月が予想される第49回衆議院議員議員総選挙に立候補せず、議員を引退すると発表しました。

 上の写真の撮影場所ですが、議長室で、隣の議長応接室(サロン)でなく、議長室だと思います。

 先の通常国会終盤から引退表明が相次いでいますが、イメージとギャップがあり、必ずしも引退表明は多くありません。

 在職年数が長い47議員に限ると、引退は5人だけ。

 長い順に、小沢一郎さん、野田毅さん、衛藤征士郎さん、中村喜四郎さん、菅直人さん、麻生太郎さんは精力的に出馬のかまえ。衛藤さんは当選が盤石とは言い切れません。

 その次の補選初当選の川崎二郎さんが引退表明。息子が活動しています。

 1983年初当選組5人のうち伊吹文明、大島理森両議長経験者が引退表明しますが、甘利明さん、二階俊博幹事長、額賀福士郎さんは出馬するとみられます。

 さらに、1986年衆参ダブル組となる、逢沢一郎さん、石破茂さん、船田元さん(初当選はもっと若く間に落選)、村上誠一郎さんの4人は自民党内での影響力はありませんが、小選挙区ではほぼ全員当選の可能性が高い。

 そして、1990年の冷戦崩壊後初当選11人のうち、赤松広隆衆議院副議長が引退表明。その他10人は当然出馬しますが、自民党内での保守分裂で、河村さん、山本さんが地元が揺らいでいます。当たり前ですが岡田克也さんは現役バリバリで立候補します。この期では佐田元議員が出馬できず群馬市長選に回り8000票という惨状がありました。

 そして枝野幸男代表・安倍晋三前首相の1993年「熱病」初当選20人で引退は鴨下一郎さんのみとなっています。閣僚経験者の立憲の荒井聡さんと自民の塩崎恭久さんはそれよりも後輩議員です。

 このように47人中、引退表明が5人、自民党内保守分裂の落選・不出馬引退公算が2ないし3人。党に限らず比例復活もできずに落選引退は数名以下で賞。冷戦崩壊で野党新人が多い1990年組、政治改革ブームの1993年組はまだまだ活躍しそうです。総裁選、総選挙、来夏の参院選までは、むしろこの世代にますます目が離せなくなることでしょう。

 金権腐敗政治の反省から30年経って、多少は身銭を切って、若手落選者を月給20万円で、派閥職員として面倒を見た方がいいと思いますけど、どうでしょうか。 

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1年間の記事)前日の「玉木分党存続」は連合会長も寝耳に急きょ面談、岡田克也無所属フォーラム代表(当時)も緊急記者会見

2021年08月12日 19時56分37秒 | その他

風雲急を告げた玉木代表の「分党」発言で、連合会長と急きょ「面談」へ、連合会長も寝耳に水か、がんばれたまきん
[写真]連合の神津・会長、おととし2018年、東京都千代田区の神田地区で宮崎信行撮影。 玉木雄一郎・国民民主党代表が「分党」して同党に残り、他の議員が「新党」に参加する意向を前日表......