【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【8/18】衆・内閣委閉会中審査2時間で引退の富岡勉さん長崎大学感染症研究所の地元住民理解を求める、山崎摩耶さん9年ぶり復帰

2021年08月18日 18時33分30秒 | コロナなど閉会中審査→オリパラ→衆院選
[写真]きょうの国会議事堂、宮崎信行撮影。

【衆議院内閣委員会 令和3年2021年8月18日(水)】

 閉会中審査2時間コースがありました。自民党は今期で引退する長崎1区・富岡勉さんが質問。「質問の機会をいただきありがとうございます」とし
「長崎大学BSL4感染症研究所への地元住民の理解を得たい」とし、長崎発のウイルス長期戦への備えに未来を託しました。公明党参議院国対委員長の秋野公造さんもよく長崎大学医学部に言及しており、かなり地域社会で尊敬されているようですから、自然と集まった優秀な人材が研究できる環境を整備してほしいところです。

 きょうは与党枠は自民党だけで、公明党は質問しませんでした。

 立憲民主党は、ことし「6人クビとり議員」としてブレークし先日オンライン後援会事務所(選挙事務所)も済ませた、森山浩行さんらが論功行賞もあってか登板。

 国民民主党は、繰り上げ当選して、9年ぶりに国政復帰した山崎摩耶(山崎まや)さんが質問。小政党のやさしさですが、「このたび繰り上げ当選しました。医療専門職としてコロナ対策にあたっていきます」と任期切れには言及せず、大臣らの姿勢を正しました。

 日本看護協会は2010年の参院選で、民主党と自民党に分裂しましたが、今回与野党に議員がいる状態になりました。同じパターンだった日本歯科医師会は逆に現在は与野党とも議員を失っています。

 9年前は同僚議員が400名いた山崎議員は、衆議院本会議場近くで先輩議員を探して「先生、夕べの会合に呼んでいただきありがとうございました」とあいさつする大変正直な政治家でしたが、まあ9年間浪人に耐えられるのであれば、いろいろなスタイルはあるんだろうと思います。

【あすの予定】

 参議院内閣委員会の閉会中審査はあす8/19木曜日午前10時から2時間コース。立憲の杉尾秀哉さん(来夏改選)が「コロナのラムダ株が羽田で判明した女性はオリンピック関係者か」などと切り込む予定。

【きょうの与野党国対委員長会談】

 8月25日(水)衆議院厚生労働委員会閉会中審査、8月26日(木)参議院厚生労働委員会閉会中審査が決まりました。

 安住淳国対委員長は任期満了後の投票日を批判し、森山裕委員長は「憲政の常道という考え方はある」とし、スガ政権のキングメーカーとして菅義偉さんへの配慮を見せました。党三役として選んでもらったのに総裁選先行に前のめりになる下村博文政調会長(細田派)とは人間性が違うと感じました。

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【第49回衆院選】立憲民主党は「党首力」に自信のポスター、枝野幸男代表「任期満了後の総選挙は憲法のバグで、そのこと自体が大きな政治責任となる」と追い込む

2021年08月18日 18時07分13秒 | 立憲構成員である読者を想定した2021-22選挙・組織情報
[写真]立憲民主党の枝野幸男代表、きょう2021年8月18日、衆議院第二議員会館内で、宮崎信行撮影。

 立憲民主党の「代表代行兼国民運動・広報本部長」の蓮舫参議院議員が記者会見を主宰し、第49回衆院選の政党ポスターを発表しました。

 第49回衆院選は最も遅いシナリオでも残り103日間に絶対あります。

 蓮舫さんは「政党政治家らしくないポスターにしてもらった。政治に興味を持っていない人にも振り向いてほしい」と語りました。

 4年前からの「立憲ブルー」を基調に、枝野代表が街頭演説する実際の姿を横から撮った写真。最近では「向き合う」という言葉が流行していますが、「有権者に向き合う政治家」という、当たり前のようで冷酷な未来とも向き合わねばならない表情を、自身を持って前に出した印象を持ちました。きょねん9月に自民党が作成した菅義偉首相・総裁のポスターに比べると、枝野さんの顔の大きさは半分ですが、過去の物と比べると、「党首力」に自信を持っている様子がうかがえます。


[写真]立憲民主党ポスター。


[写真]きょねん9月の新総裁選出後につくられた自民党ポスター、きょう、都内某所で撮影。

 掲示責任者は結党以前からの党事務局長で住所は旧民主党本部がある永田町のビルに戻りました。印刷は、凸版印刷。

 蓮舫代行は、1万2000枚を総支部に配ったとしましたので、おおむね1小選挙区50枚ほどでしょうか。全国どこでもコロナ禍ステイホーム選挙になりますので、国道沿いの建物が自民から立憲に変わったら目立つというような要所要所を攻める選挙になりそうです。

 新総裁の下、衆議院の10月21日の任期満了後の11月29日(日)に投開票日を持ってくるのではないかとの日程が浮上しています。

 枝野代表は、このことに関する筆者の質問に応じて、「たしかに憲法の規定を細かく読めば10月21日以降に投票日を先送りすることができるのが形式的な説明だ」とし「一種の憲法のバグだと思っている」との踏み込んだ認識を示しました。そのうえで「任期がハッキリしている以上、任期満了前に総選挙を行うことは、総選挙の日程を決める権限がある政府与党の責任で、10月21日以降にならないと総選挙ができない状態になれば大きな政治責任となる」と息巻きました。

 菅さんとしてはかなり日程的に追い込まれたことになります。12年前に「麻生首相・菅選対副委員長」が解散日程で追い込まれたときと比べて野党第一党支持率は3分の1に過ぎませんが、諸外国ではわずか1か月の包囲戦で20年ぶりに大統領官邸に戻った政治勢力もありますから、何にしろなめてかかるのはよくないでしょう。

 枝野代表は、記者会見でこのほかに、(1)東京で家族3人が感染して40代女性が自宅で亡くなったことを「驚愕し、政治に携わる者として申し訳ない」「断腸の思いだ」(2)「変えたい。」はオバマ大統領の「チェンジ」を意識したのかとの問いに「バイデン大統領の政権奪還を意識している」(3)候補者調整について「すべての1人区で一本化するのができればよいことで、できるだけ一本化したい」(4)9月12日までの緊急事態宣言の扱いについて「私が菅さんの内心まで見透かすことはできないが、それまでに感染者を大きく減らせるのだろうか」ーーなどと答えました。

 以上です。