宮崎信行の夕刊フジ

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

自公維3党首合意も「天秤修正協議」は1週間強延長戦へ委員会通過第1号は「公選法」品位規定に「立花孝志さんや黒川敦彦さんら頭の良い人は抜け穴を見つけて立法府をあざ笑う法改正だ」と有志・福島伸享さん

2025年02月25日 17時22分57秒 | 第217通常会 2025年1月召集
[写真]予算案修正で折り合った日本維新の会の吉村洋文代表、きょねん11月23日、東京・新宿で宮崎信行撮影。

 きょうは、私は永田町に行っていません。

 金曜日の自公維政調会長合意は、高校授業料無償化の所得制限撤廃が入るため、令和7年度予算案の款項目が増額され、予備費がその分減額される修正案が政府から提出される見通し。自公維の三党党首会談で合意するお膳立てが整いました。

 30年かそれ以上ぶりの、自公と維、国、立の修正案の3つの天秤ですが、来週まで延長戦になりそう。全員初体験ですが、5党とも熟議と公開と説明を求めたいところです。石破与党は、国、立との協議も進め、5党の賛成を募る努力を続けるようです。

 与野党問わずセンセイ方の最大の関心は選挙のようで、今国会の衆議院委員会通過の法案第1号第2号は公職選挙法改正の2法案となりました。

【衆議院政治改革特別委員会 きょう令和7年2025年2月25日(火)】
 先週木曜日に小泉進次郎さんらが提出した「公職選挙法改正案」が可決すべきだと決まりました「217衆法9号」はポスターの品位規定を新設し違反したら100万円以下の罰則と、候補者の名前を明示することを義務づけます。提出会派は自公立維国保参。きょうの採決ではれいわ新選組と有志の会が反対しそれ以外の賛成多数で可決すべきだと決まりました。施行は、今後、参議院で可決・成立し公布された1ヶ月後。6月13日(金)朝の都議選スタート以前となります。
 「217衆法10号」は自公立維国保が提出し、採決では有志の会も賛成に回って全会一致で可決すべきだと決まりました。選挙カーとポスターの規格を各級選挙で完全に統一する内容。施行は令和8年1月1日(木)。

 ところで「217衆法9号」は検討条項として次のように書き込まれました。「選挙に関するインターネット等の利用の状況、公職の候補者間の公平の確保の状況その他の最近における選挙をめぐる状況に対応するための施策の在り方については、引き続き検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとする」。これに関して週末、重大な問題が表面化しました。維新の岩谷良平幹事長らは、兵庫維新の県議が、立花孝志前候補者にペーパーを渡していたことが確認されました。知事選の2馬力を維新の全体または一部が働きかけた疑いがあり民主主義にとって重大な事態です。2馬力を「その他の最近における選挙をめぐる状況」との書きぶりにとどまったことから、国会の審議はストップせずに済んだということになると思います。

 217衆法9号の反対討論に立った有志の会福島伸享さんは次のように語りました。「法律の解釈についてのガイドラインを作らない、現場で運用もできない法律を作ってやったことにするのは、立法府としてあまりにも不誠実です。選管や警察にとっても迷惑でしょう。そのような法律のために貴重な時間を使うことは、私達にとっては耐え難いことであります。いい加減な法改正をすれば、ある意味で賢い立花孝志さんや黒川敦彦さんはきっとまた新たな穴を狙って選挙活動して、立法府をあざ笑うことでありましょう。法律というのはそんなに甘いものではありません。このような与野党談合の弛緩しきった国会の有り様こそが、民主政治の危機であり、このような国会審議のあり方を変えることこそが、令和の政治改革だ」と述べました。なお、「黒川敦彦」が国会会議録に載るのは、これが初出となりそうです。

【衆議院予算委員会 同日】
 「令和7年度予算案」は15日目。まず理事会であさって松本参考人を出張聞き取りが決まりました。この後、委員会が開会され、27日(木)28日(金)に分科会を開くことが決まりました。いったん散会してから、中央公聴会になりました。並行して、立憲の重徳政調会長と自民の小野寺政調会長が国立国会図書館で会談したと報じられました。

【衆・財務金融委員会 同日】 
 「所得税法改正案」(217閣法1号)の法案審査は1巡目の後半で、朝9時から5時過ぎまで。「立憲が委員会に提出した修正案」も並行審議されました。ところで、自公国税調が朝8時半に設定されていましたが、とりまとめはなかったようです。217閣法1号は、「103万円の壁を123万円に引き上げる」ことは盛り込まれていますが、仮に160万とかになると修正が必要になります。基礎・給与所得控除の引き上げ額が決まらない中で、他の条項の審議はできないように私には感じられますが、与野党とも審議時間を積み重ねた方がいいという暗黙の了解はできていたようです。立憲の江田憲司さんの問いに対して、令和6年度の円買いドル売り介入は15・3兆円だと明かしました。立憲の数少ない減税派の3期生・桜井周さんですが、意外にも「貸借対照表」と発音するときに噛み噛みで、簿記が分かる議員はいないのではないかという末恐ろしさも感じました。玉木ショック、森永卓郎さんの逝去、高井崇志さんの懺悔で勢いづく財務省解体デモは1000人規模と伝えられ国会の枠を出て納税者が「ザイム真理教」と闘う2週間となります。次回は28日(金)に時刻不詳で開会されることだけを決めて、散会しました。

【衆・総務委員会】
 「地方税法改正案」(217閣法2号)と「立憲が単独で委員会に提出した修正案」「地方交付税法改正案」(217閣法3号)が審議されました。法案審査は2巡目。次回は未定で散会しました。

●参議院はありませんでしたが、参議院自民党の中にも、3月2日(日)より後になってから、予算案を受け取りたいと考えている人もいるはずです。今週末の土日の国会開催の可能性は非常に低くなったと思います。

【定例閣議】
 開かれました。また、首相は官邸に全国知事会の宮城県知事らを呼んで、大阪・関西万博(4月13日開幕)の通期パス(半年なので年パスでなく通期パス)の早期割引への協力を求めました。

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