[参院本会議 2011-1-28 ]
良識の府、参議院(笑)。
代表質問の2日目の眠たくなる時間帯に、参院民主党(民主党・新緑風会)を代表して、大石尚子さん(全国比例)が登壇し、「ゆとりとこころある」質問。久しぶりに良識の府を感じました。74歳の大石さん、きょうが本会議初登壇。輿石東・議員会長、羽田雄一郎・国対委員長らの良い人選だったと思います。
民主党の初代「ミスター年金」だった山本孝史さんが亡くなって、繰り上げ初当選したのが大石さん。総理の菅直人さんは、昨年9月の代表選での政見演説に続き、今国会の施政方針演説でも山本孝史さんに触れました。大石さんは山本さんから議員としてバトンタッチを受けました。命のバトンタッチとしては、大石さんは、坂の上の雲・日露戦争の英雄というか日本の英雄、元海軍中将、秋山真之の実の孫です。何度かこのブログでも触れているので、もうご存じの方も多いと思います。秋山が書いた開戦を伝えた電報の「本日天気晴朗なれど波高し」は美文すぎると上司からたしなめられましたが、大石さんは「総理がおっしゃる最小不幸社会、不条理について、不という文字が入ると、元気な日本へと前に進めない、元気が足りない」とたしなめました。そして、「総理は施政方針演説で2つの政党(自民党、公明党)の名前だけ出したが、与党少数の参議院では、他の政党との話し合いも必要です」と語ると、議場がわきました。総理をたしなめているようで実は総理を助けているという、与党質問のお手本を示しました。
大石さんはやはり巡り合わせが多く、神奈川県議会議員としての地盤は金子洋一さん(現・神奈川選挙区選出民主党参院議員)のお父さんから引き継いだそうです。金子さんのお父さんは、松竹大船撮影所の労働組合から民社党で県会議員に推されていました。「神奈川」「鎌倉」「松竹」「大船」「秋山真之」「坂の上の雲」・・・大石さんには、なんだか参議院というより、貴族院の薫りを感じます。
「子供たちが国会を見ています」。これは参院自民党にはキツイ言葉だと思いますが、なぜか議場は笑い声。
「日本人はせっかちの性分なのかしら」として、総理に対して、解散・総選挙を迫る声をたしなめました。もちろん、私も庶民のみなさんがタイヘンな思いをして生活しているのは理解しております。しかし、余裕も必要です。いたずらに変化をあおることで、心の安定を保とうとするやじうま根性はいかがなものか。
与謝野馨大臣について。「先生の民主党への酷評は正直言って怒りを感じました」、「入閣でまたビックリ。経緯を思えば、よく受けたものだと思いました」、「しかし、私も与謝野大臣と同じ時代を生きてきました。
人生は有限であります。
年を重ねて、初めて、次の世代に連なる人生のつながりを理解することができます。それに気付いた上での決断(入閣)では」としました。
政権交代直後の2009年11月17日の参院外交防衛委員会での大石さんの初質問では、「防衛大学校の教育課程というのを、これを今この機に見直す必要があるのではないかと思っております」との指摘に、防衛大臣の北澤俊美さん(参院長野選挙区)が「大石委員の、先ほどの統合運用の問題もそうでありますが、今の優秀な自衛官を育てていくという、多分、大石先生のDNAが呼んでいるんだろうと思いますが、明治の時代に建軍の中心になった皆さん方の思いと共通するものがありまして、傾聴をいたしたわけでありますが」という「俊美流脱線答弁」もありました。大石質問を聞いていると、明治の先人から「何やっているんだ!」とたしなめられているような感じが、今を生きる日本人として感じました。ちなみに、北澤さんお父さん、北澤貞一・元長野県議も民社党結党メンバーなんですね。
次の世代に、良い日本を残さないとね。
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