【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

いわゆる大阪都構想否決で、維新の勢力ピークの観測が高まる、菅首相はIR・万博重視、野党は補完勢力第三極から二大政党的勢力に引き込みたいかまえ

2020年11月02日 12時43分15秒 | 第49回衆院選(2021年10月 岸田続投 枝野辞任)
[写真]衆議院第一議員会館、ことし2020年6月。

 個人的に地方選挙と国政を結びつけたくないのですが、一夜明けた報道を見ると、かなり大きな影響となりそうです。

 大阪市を廃止し、4特別区を新設する、いわゆる「大阪都構想」の投開票が、きのう令和2年2020年11月1日(日)にあり、67万票対68万票で否決されました。維新と衆議院小選挙区での競合をさけた公明党(府本部代表は佐藤茂樹・衆議院議員)が賛成し、自民党・共産党・立憲民主党が反対の運動をしました。

 国政政党「維新」の松井一郎代表は、大阪市長の任期を全うした後に、政界を引退すると明言。吉村知事は、「3度目はない」として、「都構想」の断念を表明。府・市二重行政の改革を訴えて、府内の市外や、兵庫県などに、市長・府議・市議の強力な支部をつくりあげ、参議院議員や全国比例の議員をつくりあげてきた維新の12年の旋風にとって、ピークを迎えたことは明確です。

 松井さんらと仲が良く、IRカジノ施設を推進してきた菅義偉首相は「2度にわたり賛成と反対が拮抗し、結果的に否決をされたが、大阪市民は大変悩まれたのではないか」とダメージコントロールし、今後については「経済を回復させていくなか、地方を元気にするためにいろんな議論をしていくことは大事だと思う」と述べ、IRや万博を推進していくための求心力が必要だ、との考えをにじませました。

 立憲民主党の安住淳国会対策委員長は「この都構想を実現するために国政に出てきた」とし、松野頼久代表・松浪健太幹事長の維新の会国会議員団結成に思いを馳せました。そのうえで「5年間やってきて票は増えていない。この10年間大阪の主役は維新だった。やはり第三極というのはマスコミがもてはやすほど大きくはならない。小選挙区で北海道から沖縄まで勝つとなると、やはり私は二大政党的な勢力に収れんされると思う」との趣旨の発言をしました。

 2015年の平和安全法制などで見せた、国政与党・自民党の補完勢力との位置づけから、野党陣営に引き込もうという最初の発言で、昼のNHKニュースでも報じられました。

 gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/asahi/politics/ASNC230X5NC2UTFK003

以上です。


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