【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

立憲NC野田代表「熟議と公開の国会でNC心して」挨拶を「トンビ」13名ほどに党がお漏らし、自公国政調会長協議第1回で岡本「我々自公」小野寺「税調は自国、公国も」

2024年11月12日 21時44分23秒 | 第215回特別国会
[写真]野田さんの挨拶中に、党の政調、役員室、国対職員があけたドアの先で、様子をうかがう霞が関の廊下トンビのみなさん、宮崎信行撮影。

 特別国会2日目は、委員会はありませんでした。

 衆議院第二議員会館の地下2階では「総合経済対策案」をめぐる公明党政調全体会、立憲民主党の次の内閣(NC)、総合経済対策案をめぐる自公国政調会長協議が相次いで開かれ、狭い空間を記者や霞が関官僚が移動しました。

 次の内閣(NC)は野田佳彦さんのもとでは第3回で、国会の委員長就任にもとない、ネクスト環境大臣に篠原孝さん、外相に武正公一さん、内閣のこどもに高木まりさん、公務員に中谷一馬さんの4人が補われました。

 野田さんは「きのうの両院議員総会でもお話ししたが、この特別国会は国会の人事だけで終わる。次の臨時国会、その後の通常国会、夏の参院選と熟議と公開を柱とした新しい国会を先導する。法案だったら修正協議、予算だったら組み替え動議、様々な政策をつくる次の内閣の役割がますます大きくなってきているので、ご自覚のうえ議論をしてほしい」と語りました。

 枝野幸男代表がNCに出席せず、泉健太代表からNCに毎回参加するようになりました。泉さんは頭撮りカメラを意識し、木曜日の「党の会合で」として報じられた素材は半数以上この会合でした。野田さんは「挨拶」だけでその日の動きへのコメントはしませんでした。

 ブリーフィングをした重徳和彦政調会長と城井崇同代理によると、今国会から臨時国会冒頭までに解散で廃案となったうち(1)紙の保険証廃止延期法案=今朝提出済み(2)訪問介護事業者緊急支援(3)介護・障害福祉従事者処遇改善(4)130万円の壁対策としての就労支援給付制度(5)保育士・幼稚園教諭処遇改善(6)トリガー条項凍結解除ーーの6法案を提出することを決めました。また、杉尾秀哉・ネクスト内閣から「闇バイト」に関してヒアリングを始めて法案を作成したい意気込みが語られました。杉尾さんの部会は、きょねん10月の上旬に「悪質ホスト」で塩村あやか内閣委員が一般質疑で、国家公安委員長と消費者担当相から競うように前向きな答弁を引き出せたことから、同月下旬には法案をまとめています。

 この会合は、党の政調・役員室・国対の幹部らがドアを管理し、ドアを開けたまま、野田さんの挨拶が行われました。「トンビ」と呼ばれる各府省庁の国会連絡室・大臣官房の職員13名ほどが代表して話を聞いたり、廊下に控えたりしました。この後、代表者らと13名ほどが自動販売機コーナーに集まり、挨拶を一字一句共有しました。衆院選前と比べて3倍増ほどか。菅直人さん(勇退)の首相政務秘書官が役員室部長ですので、野党としての攻撃力が強いにもかかわらず、霞が関への情報の意図的なおもらしに好意的だと考えられます。

 この後、週内に閣議決定するとみられる「第1次補正予算案を念頭にした総合経済対策案の内閣府のとりまとめ」を議題にした、自公国の政調会長らの協議が初めて開かれました。場所は、自民政調が仕切る「与党政策大会議室」が使われました。自民党の政調会長がこの部屋に来るのはまれですが、小野寺五典政調会長が参加しました。松本洋平・政調会事務局長(政調副会長)、公明党の岡本三成政調会長とベテランの上田勇さん、国民民主党の浜口誠政調会長とベテランの古川元久さんの3党6議員が参加しました。

 終了後に自公の政調会長ら4名がぶら下がり取材に応じました。小野寺さんに続き、岡本政調会長は「自公案とほぼ同じだった」と、1人称として「自公」を強調したのが印象的でした。岡本さんが「自公」を強調したためか、小野寺さんは「税調では、自国、そして公国として協議する」と国民民主党の意向を示しました。ところで、公明党の税調は先週土曜日の臨時党大会後に、西田実仁さん(党幹事長)が顧問に下がり、会長には先輩の赤羽一嘉さん(10期31年)がつくことが初めて決まりました。赤羽さんは商社マン出身の元財務副大臣ですが、金融・経済・税制に詳しくありません。国土交通省ではごく一部の不届き者が「赤馬鹿大臣」と揶揄してもやさしく見過ごすナイスガイとしてしられています。このため、国民民主党の古川税調会長は公明党税調との協議に手を焼くことも予想されます。


[写真]重徳和彦政調会長、野田佳彦NC首相、城井崇政調会長代理。

[写真]古川元久さん、浜口誠政調会長、松本洋平政調事務局長(政調副会長)、小野寺五典政調会長、岡本三成政調会長、上田勇さん。




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「自公国3党」の枠組みに変更、きょうの経済対策の政調会長協議、自民党の政調・税調ペースか

2024年11月12日 12時11分18秒 | 第215回特別国会
[写真]浜口誠国民民主党政調会長、宮崎信行撮影。

 ハングパーラメントによる、自公と国民民主党の政策協議は、先週の顔合わせでは「自国」「公国」の枠組みでしたが、あさってにも閣議決定するとされる「秋の経済対策」に関するきょう午後3時半からの協議が「自公国」の3党政調会長らが同時に顔を合わせる形式で行われることがわかりました。

 参議院運営の大きい2党主導体制の間隙を縫って情報交換する中だった、西田実仁、榛葉賀津也両幹事長の思惑含みの流れを、小野寺五典政調会長ら自民党側がペースを取り戻しつつある流れだと、推測できます。玉木雄一郎代表の不倫により、もともと男女比が違う同党の特徴的な支持動向の先行きに暗雲が生じた影響もなきにしもあらず、と言えそうです。

 国民民主党は、中間所得・現役層の支持を集めた103万円の壁とされる所得税の基礎控除・給与所得控除の引き上げなど「手取りを増やす」政策項目を一つ以上入れたい考え。経済対策に入った場合は、補正予算案に盛り込まれなくても、秋の税制協議をへて、来年度当初予算案の衆院通過、来夏の参院選でも政局の主導権を握ることができると考えられます。

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