【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【5/20国会まとめ&展望】「年収1200万円以上には児童手当不支給法」「病床切り捨てを消費税原資に支援」法律案はあす成立のはこび

2021年05月20日 21時50分54秒 | 第204通常国会令和3年2021年
[画像]引退する公明党の石田祝稔さんが衆議院総務委員長として報告、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 きょう5本目の記事になります。どういうことかというと、インターネットの世界は単純で、1日1本アップするよりも、1日5本アップした方が、理論上ページビューは絶対に増えるからです。ご明察の通り、5倍にはなりませんが。

 「1200万円以上だと児童手当不支給」という子育て世代分断法がある成立のはこび。「児童手当不支給を知る月を見て眺めました」とツイッターに月の写真を投稿したら、現金目当ての強盗が月の位置から住宅を割り出すかも。一方、年金を入れて年収200万円以上の後期高齢者の自己負担を2割にする法律案は既に衆議院で可決しましたが、参議院の委員会審議入りは、立憲・共産の共闘で阻止されました。

【衆議院議院運営委員会 きょう令和3年2021年5月20日(木)】 

 正午から、議長応接室で議運委が開かれ、本会議の段取りを調整しました。あすは、観光の沖縄県・工業の岐阜県両県が緊急事態宣言区域入りする見通しとなっており、大臣への質疑が衆参とも開かれます。細田博之元沖縄相の差別発言が昨日の自民党内部会議で、玉城デニー知事隣席のもと明るみに出ており、沖縄タイムスなどは全文を報道しているようで、あすの質疑で野党が取り上げます。

【衆議院本会議 同日】

 終盤ですので、審議入り案件はなく、議了案件のみが議題に。

 「地方公務員法改正案」(204閣法53号衆修正)は、全会一致で修正すべきだと議決し、参議院に送られました。こういう場合は閣法の白拍子冊子に、修正分は紙を挟み込んで、参議院総務委員に配られます。

 「農水産業協同組合貯金保険法改正案」(204閣法58号)は共反対、自公立維国などの賛成多数で可決し、参議院に送られました。農中に税金投入が可能になる改正規定が盛り込まれました。

 「薬害B型肝炎ウイルス感染症被害者給付金支給法10年延長法案」(204閣法22号)は全会一致で可決し、参議院に送られました。政府は※指定をお願いしてました。

 「産業競争力強化法改正案」(204閣法23号)は共反対、自公立維国の賛成多数で可決し、参議院に送られました。

【衆議院災害対策特別委員会 同日】

 改正法がきょう施行されさっそく「避難指示」を出した自治体があります。きょう既報の通り、「自然災害義援金差押禁止の恒久法案」(204衆法 号)を全会一致で賛同され、次の本会議に提出することを決定しました。今国会で成立。東日本からの5つの時限法を恒久法にし、今後の災害も対象になります。コロナ禍のひとり親への支援金の特措法は引き続き有効な法律として残ります。

【衆議院政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会 同日】

 倫選特別委常連の篠原孝さん(立憲民主党、長野1区)はアメリカの国会議員も地元生まれ・地元大学卒・地元在住者が多いとして、「全員では無くてもいいが、日本の国会議員も地元育ちでなく、国家がどうしたといっても腰が据わらない」と正論を披露しました。

 この後、「公職選挙法改正法の罰則など2つのミスの是正法案」(204参法28号・筆頭発議者関口昌一・自民党参議院議員会長)が審議入り。石井準一・参議院議員が陳謝のうえ、内容を説明。後ろで自民党参議院議員3人ほどのほか、参議院法制局長らスタッフ数人も頭を下げました。

 かつて1993年政治改革で光り輝いた、往年の大スター、岩屋毅さん(大分3区)は、衆参一致した改革論議が必要だったとし参議院改革協議会を批判。細川・羽田内閣で、羽田さんの側近の2回生岡田克也さんが人選と事務局長をつとめた「いしずえ会」で公明党2期生2人からピックアップされた佐藤茂樹さん(大阪3区)は「私が手掛けた公職選挙法を気づつけた」と激高しました。
 参議院法制局長も答弁しました。
 採決の結果、立維が反対し、自公共が賛成して可決すべきだと決まりました。

【参議院外交防衛委員会 同日】

 理事会が穏便に終わった後、中山泰秀防衛副大臣(大阪4区)が2分遅刻したため、流会しました(きょう既報)。

【参議院内閣委員会 同日】

 「子ども子育て支援法及び児童手当法改正案」(204閣法14号)が立共国反対、自公など賛成多数で可決すべきだと決まりました。あす成立。

【参議院厚生労働委員会 同日】

 「医療法を改正して地域医療構想プログラムを進めて病床を削減する法案」(204閣法17号)を可決すべきだと決めました。あす成立。その一方、年金を含めた年収200万円以上の後期高齢者自己負担2倍法案の審議入りは野党が阻止しました。

【参議院法務委員会 同日】
 4月27日(火)から委員会審議をしてきた「少年法・更生保護法・少年院法改正案」(204閣法35号)の審議が議了し、採決。立共維が反対し、自公国が賛成して可決すべきだと決まりました。あす成立のはこび。20歳成人を18歳成人にした国民投票法→改選公選法→民法で、刑法・少年法もついに立法措置が終わったことになり、与党国対の優先法案の処理が終わりました。

【参議院環境委員会 同日】
 既報の通り、小泉進次郎環境大臣が復帰し「10日に入院して虫垂炎の手術を受けた」と発言し、先輩大臣である長浜博行委員長(立憲、千葉)に感謝しました。

 菅義偉内閣の3つの柱「カーボンニュートラル」の実現プログラムが一部入った「温対法改正案」(204閣法47号)の対政府質疑が再開し、次回も議論することになりました。

【参議院国土交通委員会 同日】
 「長期優良住宅普及促進法案」(204閣法25号)が全会一致で可決すべきだと決まりました。これに先立つ質疑で、れいわ新撰組の木村英子さんは日本の壊しては作る住宅サイクルを批判しました。

【参議院経済産業委員会 同日】
 一般質疑。

●衆議院財務金融、決算行政監視委員会は理事懇談会を開きました。

【今後の議員立法の予定】

 大臣が提出を見送った「わいせつ教員の免許再取得制限法案」は、あすの衆議院文部科学委員会で提起。日教組の支持を受ける立憲民主党が質問に立ちますが、賛否はきょうの政調審議会で決定済みで、今国会成立のはこび。

 東京五輪のアスリートが国内に持ち込む薬物の国内特例規定を入れた「オリパラ特措法改正案」が提出される見通しです。

 「国会職員退職手当法も改正案」が出そうです。

 「鳥獣保護法改正案」も用意されています。

 また四半世紀以上構想がある、「災害時の病院船」を推進する理念や予算措置を検討させる法案が出そうです。

 「LGBT差別解消法案」も修正協議や与党内手続きが進んでいます。

 「木材利用促進法改正案」も出そうです。

 参議院内閣委員会に付託されるテーマは日程がきつそうです。

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