【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

やっと恒久化、「自然災害義援金の差押禁止法」が全会一致で衆委員会通過し、今国会成立へ、「東日本」からの5本は廃止へ

2021年05月20日 12時20分44秒 | 第204通常国会令和3年2021年
[写真]衆議院第二議員会館、5年前。

 「自然災害義援金差押禁止恒久法案」(204衆法 号)が起草され、全会一致で可決しました。今国会での成立は確実。

 さきほど、令和3年2021年5月20日(木)の衆議院災害対策特別委員会で、金子恭之委員長(自民党、熊本4区、7期)が起草案を朗読。採決では全会一致となりました。今国会での成立は確実。

 金子委員長は「義援金は被災者の生活再建に必要だが、これまでの都度の立法措置では、国会閉会中に対応できなかったり、対象が限定的だとの指摘があった。そのため一般法とすることにし、自発的に集まった金銭を原資とした市町村の義援金によって、被災者が交付された権利や金銭の差押を禁止する」としました。法律は令和3年1月1日以降の災害に適用されますが、法律施行前に差押処分が決定していた場合はその処分は有効だとしました。

 自民党内での調整では、金子委員長自ら主導したと聞いています。

 これに先立つ質疑で、与党の公明党江田康幸さんは「数年前から主張し、令和元年の法律審議での恒久化の検討を付け加えた」としました。自民党の森山裕国会対策委員長や、公明新聞も1年前から恒久化を主張していないがら、差押恒久法案がここまで遅れたのは、自民党の一部に債権回収関係者と利権がつながっている議員がいたからだとの推測が極めて有力でしょう。

 これに伴い「東日本大震災関連義援金に係る差押禁止等に関する法律」(平成23年法律第103号)や、「令和元年特定災害関連義援金に係る差押禁止等に関する法律」(令和元年法律第74号)など5法律が廃止され、今回の恒久法に一本化される見通し。上述の委員会での朗読の聞き取りには入っていませんでしたが、法文に入っていると思われます。コロナ禍のひとり親特別給付金の差押禁止法は、これとは別に引き続き有効な法律となります。

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