宮崎信行の「新・夕刊フジ」

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

自民党の予算委員長が森法相に対して、異例の事実と異なる答弁厳重注意、ただし検察官定年延長は言及なく

2020年03月16日 09時28分47秒 | 第201回通常国会(2020年1月から6月)「コロナ感染症」
[画像]森法相、きょう年3月16日、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 「福島地検いわき支部管内の検察官は原子力災害でまっさきに逃げた」との発言について、金子原二郎・参議院予算委員長(自民党、長崎)が「事実と異なる答弁を行った」として森まさこ法相を異例の「厳重注意」。森法相は「個人的見解だ」との考えは維持しながらも、謝罪しました。とはいえ、黒川弘務さんの検察官定年延長をめぐる口頭決裁問題は言及しませんでした。

 きょう、2020年3月16日(月)の令和2年度予算案審議は10日目で、テレビ入りの集中審議は2日目(基本的質疑と合わせて4回目)です。

 金子委員長は「先般の委員会で、森法相が事実と異なる答弁を行ったのはたいへんいかんだ。また、離席中に記者に対応した。政府の立場にあることを留意して委員会にのぞみ、質問者に適確に答えることを要請し、委員長として厳重注意します」と発言しました。

 上下そろって紺ないし黒のパンツスーツと白のインナーの森法相が発言。「ただいま、金子委員長から厳重注意を受けたことを重く受け止めます。このたびの私の一連の言動により国会の審議にご迷惑をおかけしたことをお詫びします。3月9日の答弁は私の個人的見解を述べたものですが、検察を所管する法務大臣として検察の活動について個人的な評価を述べたことは不適切で、法務大臣としてはしっかりと事実を確認して答弁すべきだった」とし、3月9日の答弁を撤回しました。

 ただし、福島地検いわき支部管内が「東日本大震災で検事がまっさきに逃げた」について、委員長が「事実と異なる答弁」と断定しているのに対して、森さんは「しっかりと事実を確認して答弁すべきだった」と述べただけで、事実では無い、とは言っていません。筆者は森さんに対して同情的です。

 森さんは離席中の記者対応も詫びて「一層緊張感をもって国会審議に臨み、誠実に対応する」としました。

 しかし、今回の第201回通常国会の令和2年度予算案では、衆議院で、特別法の検察庁法の定年規定は、一般法の国家公務員法の規定によって変更できると、人事院、法務省、内閣法制局が口頭で決裁して解釈を変更し閣議決定したとすることが一番問題視されており、これを見過ごしてはなりません。

 きょうは集中審議「現下の諸課題(新型コロナウイルス対応等)」。水曜日、木曜日の委嘱審査も決まりました。金曜日は祝日。地方公聴会を経て、来週には当初予算は成立の公算。しかし、すぐに補正予算案ということなり、「年金など全世代型社会保障」ではなく、「コロナショックと経済対策」が今国会最大のテーマとなりました。

 きょうのまとめ記事は、おそらく、別エントリーに書きます。

 以上です。
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