参議院は、平成28年2016年5月31日(火)、衆議院から送付されていた、閣法(内閣提出法案)と衆法(衆議院議員立法)の委員会審査を終えました。あす会期末の6月1日(水)の本会議で可決し、成立へ。
参での審議未了議案は、参院議員自らが提出した参法は8本(最終盤になってからの提出を除く)のみ。
参では、選挙前には継続調査手続きをしないことから、廃案になるのは、参法のみとなります。
私の知る限り、2013年は電力システム改革法案などの閣法、水利用促進法案などの衆法が審議未了廃案になったほか、調査会報告書の説明がされませんでした。2010年は、地球温暖化対策基本法案がかなりの長時間両院で審査されたのに、廃案になり、その後再提出されることはありませんでした。
溝手顕正・自民党、郡司彰・民進党、魚住裕一郎・公明党などの議員会長がしきった、第22期・23期参議院は正常なまま卒業式を迎えることになりそうです。
【平成28年2016年5月31日(火)参議院内閣委員会】
「東京オリンピックパラリンピック特措法改正案」(190衆法45号)は毎国会提出されている印象ですが、今次改正案は、JOCから国会への報告を義務付ける内容。まず、衆・文部科学委員長の谷川弥一さんから趣旨説明がありました。質疑は、JOCの竹田会長(前招致委員会会長)に集中しました。
民進党の長島昭久・衆文部科学委筆頭理事も答弁しました。
[画像]長島昭久さん、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。
討論は省略。採決は賛成多数で可決しました。衆では全会一致でした。本会議に上程へ。
「国外での犯罪被害者への弔慰金支給法案」(190衆法46号)は、西村康稔衆・内閣委員長から説明されました。質疑、討論は省略。採決の結果、全会一致で可決しました。あす成立のはこび。
「特定非営利活動促進法案」(190衆法47号)は、質疑、討論省略の後、全会一致で可決しました。
【同日 参議院法務委員会】
「民法を改正して再婚禁止期間を6か月から100日間に短縮する法案」(190閣法49号)はていねいな質疑の後、全会一致で可決しました。すでに運用上は実現しているようですが、法律にしないと、意図的に泥沼化を図る民事訴訟戦術に使われそうな気もしますから、迅速な法制化ができてよかったでしょう。
【同日 参議院農林水産委員会】
衆・農水委員長から「真珠振興法案」(190衆法49号)が説明され、全会一致で可決しました。本会議に上程へ。
【同日 参議院国土交通委員会】
「都市再生特別措置法改正案」(190閣法18号)について各会派が質疑しました。討論では、共産党が反対。一部の人に莫大な国費が投入されることを問題視したようです。社民党の吉田忠智党首も反対討論しました。採決では、共社反対、自公民賛成多数で可決しました。あす成立へ。
【同日 衆議院本会議】
午後1時に内閣不信任決議案が提出されました。印刷し全衆院議員に配布し終えるまで2時間かかりますから、開議は午後3時半となりました。
岡田克也さんが「本院は安倍内閣を信任せず。右、決議する」と趣旨弁明。
[画像]内閣不信任決議案を趣旨弁明する、岡田克也民進党代表、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。
決議案には理由を付すことができます。
岡田さんは「アベノミクスの経済失政」を理由に上げました。
江田憲司さんは討論で「信なくば立たず。綸言汗のごとし」と語り、前回の解散時の2017年4月に確実に上げるとした安倍首相の発言の信頼性と取り戻せないことを明示しました。
志位和夫さんは討論で「経済失政」を中心に語りました。
一方、自民党は松本純さんが討論に立ちました。今国会冒頭の補正予算に関する演説の代表質問があった1月6日(水)にも代表質問に立っていますから、今国会の自民党政府外議員の登壇は、松本政調会長代理に始まり、松本政調会長代理に終わったことになります。松本さんは現在6期。討論では「希望出生率1・8に向けて、一億総活躍アクションプランをまとめる」と擁護しました。ここで思ったのですが、根っからの自由主義者の私ですが、ソ連共産党と中国共産党の違いというのを聞いたことがあります。ソ連共産党は計画経済で「5年後はこうなる」と言いながら5年経ってもならない」。一方、中国共産党は「毛沢東主席が農村を指導していた頃はこうだった」と話し、以前に比べれば現在は良いと説得する。これがソ連が崩壊し、中国が今の体制でいる理由だと聞きました。これからすると、三本の矢、新三本の矢、一億総活躍、G7版三本の矢と語り自民党政治はソ連共産党型のように感じます。
公明党の佐藤茂樹さんは民進党攻撃に出て、「対案を審議入りするよう理事会で求めなかった」とし、「対案を出せ」路線から「対案を出したけど理事会で審議入りを求めなかった」路線へと転戦したようです。
おおさか維新の会の下地幹郎さんは「大胆な成長戦略が必要だ」と討論しました。
記名投票表決。
[画像]開票結果を発表する、向大野新治・衆議院事務総長、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。
なお、今47期衆議院から、定数は475となっており、過半数は238です。
向大野新治衆議院事務総長は起立し、投票総数469、賛成124、反対345。賛成少数で決議は否決されました。
【同日 衆議院議院運営委員会】
正午設定。本会議について。
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