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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

伊藤惇夫 菅政権をズタズタに斬る

2011-08-11 22:43:26 | 講演・講義・フォーラム等
 それは初めから終わりまで菅政権を非難し、否定する内容だった。北海しんきん経済講演会で「大震災が一変させた政局 どうなる日本政治」と題する政治アナリスト伊藤惇夫氏の講演を聴いた。 

 伊藤氏は冒頭ね「経済講演会ということだが、私は政治のことしか話せない。まあ、そのことが経済にも繋がることと解して話を聞いてほしい」と言いながら講演に入った。
伊藤氏はあらかじめ受講者にレジュメを配布し、講演の要旨を伝えてくれた。
 それによると、テーマをやや変えて「混迷の中の日本政治 その行方は」として、
 1.激変した政治状況
 2.菅政権、その弊害と問題点
 3.「ポスト菅」の行方は
 4.民主党、その根源的問題
 5.大震災から学ぶこと
の5点にわたって述べるということだった。
 そして実際の講演はリード文でも紹介したように菅政権を終始非難し、否定続ける内容だった。

        

 講演会の内容をレポートする場合、90分間の講演の全てを紹介することは難しい。
 いつものように象徴的な言葉や内容をチョイスして紹介することにする。

 伊藤氏が現在憂慮することの一つとして政治危機が非常に進行していることを挙げる。国民の中に政党離れが進んでいることは第一次世界大戦後のドイツの状況と酷似しているという。ドイツはその結果として「ナチス」を産んだが、日本国内でも「英雄待望論」が出てくることを憂慮し、警戒しているという。

 また、長年政界ウォッチングを続けてきて総理になると三つの欲望が沸いてくるという。
それは①一日でも長く在位したい。②自分の手で解散総選挙を実施したい。③歴史に名を残したい。そうした欲望を抱くというのだが、どうやら本日時点で菅総理は②についてはあきらめたようである。

        

 菅総理のリーダーとして問題点を数々指摘したが、特に大震災に対しての危機管理能力の欠如を指摘した。菅総理はダメージコントロールができなかったという。具体的には「初動対応のミス」、「情報対応のまずさ」、「ビジョンの提示ができない」などなど…。
 その他には、資質の問題、人柄の問題など、これでもかこれでもかと提示した。

 さて、メディアが伝えるには粘るに粘った(?)菅総理もいよいよ遠くない時期にその座を降りることを口にしたようである。
 伊藤氏は「ポスト菅」にはどのような人材が適当かということで4点挙げた。それは、
 ①党内融和を図れる人
 ②野党との信頼関係を築ける人
 ③官僚を使いこなせる人
 ④突破力のある人(人気者でない人)
とした。
 そして具体名として、一に小沢一郎氏、二に岡田克也氏、とした。しかし、小沢氏は党員資格停止中、岡田氏は現政権の責任者ということで今回総理を目ざすことはない。すると第三の候補として浮かび上がるのは野田佳彦氏だという。
 なんだ、これでは適任というよりは消去法で浮かび上がってきたという感が拭えないのではないか。
 例え早晩菅総理が退陣したとしても日本政治の混迷はまたまだ続きそうある。あ~あ。