久しぶりに映画を観てみようと思った。特別アニメが好きなわけではないし、スタジオジプリの作品に興味があるわけでもなかった。ただ、今話題の作品を観てみようと思ったときにスタジオジプリのアニメ「コクリコ坂から」があった。映画は私が期待していた以上に楽しめた。
映画「コクリコ坂から」は現在札幌では3館で上映されている。私は今月末で閉館が決まっている「札幌東宝プラザ」で観ることにした。
15日(月)13時35分上映開始の部で観たが、やはり観客は少なかった。他のシネコンの2館はそれなりに集客しているのではないだろうか、などと思っていた。
映画は1963(昭和38)年の横浜の港が見える丘と高校が舞台だった。ストーリーは高校の学園紛争と高校生同士の純愛を描いたものだった。
1963年というと私自身も高校生、田舎と都会の違い、高校で紛争など経験しなかったものの、同時代を高校生として過ごした懐かしさが蘇ってきた。
※ 「コクリコ坂から」の主人公の 松崎海と 風間俊です。
そしてその時代を活写するスダジオジプリの絵の確かさである。実写以上にまだまだ洗練されていない活気あふれる横浜の街を描き出している。また、高校の部活棟「カルチェラタン」の描写も力が入っている。
そしてストーリーの終盤に意外な展開が待っていた。人により好みは分かれるかもしれないが、私には「意外な終末を用意してくれていたなぁ」という思いが強い。
映画のレビュー欄に次のようなコメントがあった。
「この映画はオールウェイズ 三丁目の夕日と同じで、対象が1950年~60年代を知っている人間、つまり60歳以上じゃないと楽しめない気がする。あとは60年代に興味がある人間とか …。少なくとも子供向けでは決してない」
私もそう感ずる。アニメ作品とはいえ子どもにその良さは分からないであろう。
私には主題歌の「さよならの夏~コクリコ坂から~」を歌う手嶌葵の歌がとても心地よく耳をくすぐった。
なお、「コクリコ」とは、フランス語で「ひなげし(虞美人草)」という意味だそうである。