このようなタイトルを付けると、ジャズ通から「あなた、それほどジャズに精通しているの?」などと冷やかされそうだが、二人のクラリネット奏者の成熟した大人の演奏を愉しんだ1時間30分だった。
5月16日(土)午後、三岸好太郎美術館において「ジャズクラリネット 響きの競演」と題する美術館コンサートが開催され参加した。
私は開演30分前に会場に着いたのだが、すでに満席状態だった。(狭い会場ではあったのだが…)そのため私はかろうじてステージを横目で眺めることができる椅子席を確保するのがやっとだった。
私はジャズ演奏会とだけは承知していたが、誰の演奏かということ知らずに参加したのだが、会場の込み具合から見て、かなり高名なプレイヤーなのではと思いながら開演を待った。
二人のクラリネット奏者は、バークレー音楽大学の木管楽器(クラリネット)教授を務めているという〔ハリー・スコラ―〕と、27年間札響のクラリネット奏者として活躍した〔渡部大三郎〕という、ジャズ界においてはかなりの大物と云っても良い二人だった。
その他にバックとして、ドラムを岸林大輔、ベースを柳真也、ピアノを山元淳子がそれぞれ務めた。
※ 渡部大三郎氏の札響定年退職時の写真です。
プログラムは次のようになっていた。
◇サマータイム / ジョージ・ガーシュイン 作曲
◇鈴懸の道 / 灰田有紀彦 作曲
◇道化役者 / 後藤丹 作曲
◇鳥たちの深淵 / オリヴィエ・メシアン 作曲
◇オール・オブ・ミー / ジェラルド・マークス 作曲
◇枯葉 / ジョゼフ・コスマ 作曲
となっていたが、後半の2曲は別な曲に差し替えられて3曲ほど演奏されたが、渡部氏のMCがよく聞き取れなくて、曲名は分からなかった。
※ ハリー・コスラーの少し若いときの写真と思われます。
二つのクラリネットが掛け合うように演奏するさまはとても心地良く私の耳に届いた。
ハリーコスラーは58歳、渡部大三郎氏は2005年に札響を定年退職されているから当年70歳だと思われる。
年齢の違いによるものか、それともそれぞれの感性の違いによるものか、両者の奏法には違いがはっきり見て取れた。ハリーコスラーの方は、全身を使ったような音量十分の音を響かせた。対する渡部氏の方は、あくまで静かにクラリネットの音色の良さを引き出すような奏法に聴こえた。
両者の演奏はそれぞれの持ち味が十分に出たものだったが、私としては渡部氏の音の方がより心地良く耳に届いた。それというのも、渡部氏の奏法に日本のジャズクラリネットの第一人者である鈴木章治を彷彿とさせるものを感じたからかもしれない。
今回のコンサートで、いずれの曲もジャズの良さを堪能することができたのだが、最も私がジャズの良さを感じたのは、皮肉にもアンコール曲として演奏された谷村新司作曲の「いい日旅立ち」の曲を聴いたときだった。
山口百恵の唄で何度も何度も聴き耳に残っている名曲である。それだけにその曲をジャズ曲として聴いたときに、何故かジャズの神髄(ちょっとオーバーですが)に触れたような気がしたのだ。
耳慣れた原曲から入り、徐々に崩して(?)いき、奏者の感性のままに演奏されながらもどこかに原曲の香りを漂わせて、やがて原曲に戻ってくるという…。クラリネットの音色がまた良かったなぁ…。
いや~、至福のひと時を過ごした気分であった。
5月16日(土)午後、三岸好太郎美術館において「ジャズクラリネット 響きの競演」と題する美術館コンサートが開催され参加した。
私は開演30分前に会場に着いたのだが、すでに満席状態だった。(狭い会場ではあったのだが…)そのため私はかろうじてステージを横目で眺めることができる椅子席を確保するのがやっとだった。
私はジャズ演奏会とだけは承知していたが、誰の演奏かということ知らずに参加したのだが、会場の込み具合から見て、かなり高名なプレイヤーなのではと思いながら開演を待った。
二人のクラリネット奏者は、バークレー音楽大学の木管楽器(クラリネット)教授を務めているという〔ハリー・スコラ―〕と、27年間札響のクラリネット奏者として活躍した〔渡部大三郎〕という、ジャズ界においてはかなりの大物と云っても良い二人だった。
その他にバックとして、ドラムを岸林大輔、ベースを柳真也、ピアノを山元淳子がそれぞれ務めた。
※ 渡部大三郎氏の札響定年退職時の写真です。
プログラムは次のようになっていた。
◇サマータイム / ジョージ・ガーシュイン 作曲
◇鈴懸の道 / 灰田有紀彦 作曲
◇道化役者 / 後藤丹 作曲
◇鳥たちの深淵 / オリヴィエ・メシアン 作曲
◇オール・オブ・ミー / ジェラルド・マークス 作曲
◇枯葉 / ジョゼフ・コスマ 作曲
となっていたが、後半の2曲は別な曲に差し替えられて3曲ほど演奏されたが、渡部氏のMCがよく聞き取れなくて、曲名は分からなかった。
※ ハリー・コスラーの少し若いときの写真と思われます。
二つのクラリネットが掛け合うように演奏するさまはとても心地良く私の耳に届いた。
ハリーコスラーは58歳、渡部大三郎氏は2005年に札響を定年退職されているから当年70歳だと思われる。
年齢の違いによるものか、それともそれぞれの感性の違いによるものか、両者の奏法には違いがはっきり見て取れた。ハリーコスラーの方は、全身を使ったような音量十分の音を響かせた。対する渡部氏の方は、あくまで静かにクラリネットの音色の良さを引き出すような奏法に聴こえた。
両者の演奏はそれぞれの持ち味が十分に出たものだったが、私としては渡部氏の音の方がより心地良く耳に届いた。それというのも、渡部氏の奏法に日本のジャズクラリネットの第一人者である鈴木章治を彷彿とさせるものを感じたからかもしれない。
今回のコンサートで、いずれの曲もジャズの良さを堪能することができたのだが、最も私がジャズの良さを感じたのは、皮肉にもアンコール曲として演奏された谷村新司作曲の「いい日旅立ち」の曲を聴いたときだった。
山口百恵の唄で何度も何度も聴き耳に残っている名曲である。それだけにその曲をジャズ曲として聴いたときに、何故かジャズの神髄(ちょっとオーバーですが)に触れたような気がしたのだ。
耳慣れた原曲から入り、徐々に崩して(?)いき、奏者の感性のままに演奏されながらもどこかに原曲の香りを漂わせて、やがて原曲に戻ってくるという…。クラリネットの音色がまた良かったなぁ…。
いや~、至福のひと時を過ごした気分であった。