原作:東野圭吾の作品の映画化である。東野作品の良さを上手く引き出した出来となっているように思われた。主演の阿部寛も良かったが、松嶋奈々子が陰のある役を見事に演じていたように私には思えた。
今年は立て続けに試写会の鑑賞券を入手することができた。ついている。
一昨日(1月19日)夜、共済ホールにおいてHBCシネマクラブ主催の試写会「祈りの幕が下りる時」が行われ、観賞することができた。
映画は、夢だった舞台演出家としての名声を獲得し、人生の成功者と思われていた浅居博美(松嶋奈々子)だが、彼女の生育過程において大きな傷を抱えていた。
一方、彼女の過去を追う日本橋署刑事の加賀恭一郎(阿部寛)も、実は自身の生育の過程に大きな謎を抱えていた。
その二人の親、浅居の父と加賀の母が、彼らの知らないところで繋がりができていたとは…。
ストーリーは東野圭吾特有の複雑な人間関係を縦糸として進行するのだが、ストーリーの前半はその人間関係の把握に苦労した私だった。しかし多くの人たちにとっては、東野の著書「新参者」を原作としたテレビドラマとしてそうした人間関係は把握済みだったのかもしれないが、TVドラマをまったく見ない私にとっては、そこのところに苦労した。
苦労しながらも、なんとか登場人物の人間関係を把握してからは、ずっぷりと映画の中に感情移入することができた。
過去を回想するシーンから、浅居博美のやりきれない過去が明らかになっていく。そして加賀恭一郎の母の過去も…。
サスペンス映画としては上々の出来となっていると私には思えた。
実は、昨年暮れから私は突然のように東野圭吾作品にはまってしまった。それは某ラジオ番組のパーソナリティの一言が発端だった。以来、○○〇OFFの108円の新書を残らず買い漁り、毎晩寝不足に陥りながら、飽きもせず読み進めている。
そんな東野圭吾原作の作品だったこともあって、本作にはいつも以上に入り込んで映画を観てしまった。
映画「祈りの幕が下りる時」…。自信をもってお勧めできる作品です!
いや~。映画って、最高のエンターテイメントですね。