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池上彰が語るグローバル社会

2018-01-31 16:39:32 | 講演・講義・フォーラム等
 淀みなく滔々と語る池上節に酔った。いまや避けて通れないグローバル化した世界の現実を読み解く池上彰氏の解説は説得力に富み、池上ワールド全開だった。

                    

 1月27日(土)午後、道新ホールにおいて立教大学主催の公開講演会が開催され、いまやジャーナリストとして飛ぶ鳥を落とす勢いの池上彰氏が講演するのを聴いた。
 立教大学ではグローバルリーダー育成を目指す少人数コース「GLAP(Global Liberal Arts Program)」の開設1周年を記念しての講演会を開催するにあたって、立教大学客員教授をしている池上彰氏に講師を依頼したということのようだ。
 
 池上氏の講演のテーマは「グローバル社会を生きる」と題するものだった。
 池上氏は、最初に現代はグローバリズムの全盛であるが、その反作用としてのアンチグローバリズムも存在すると話した。
 そのアンチグローバリズムの例証として、イギリスのEU離脱、EU内における極右政党の台頭、トランプ米大統領の登場などを挙げた。
 しかし、グローバリズムの動きは今や止めようとしても止まらないのが現実である。そのような現状だからこそ、それに反発するアンチグローバリズムも存在すると語った。

                    

 世界がグローバル化する中で、深刻化するのが宗教の問題であると池上氏は指摘する。
 最もホットな問題は、エルサルムの問題である。トランプ米大統領がエルサレムをイスラエルの首都であると宣言したことは新たな火種を世界は抱えてしまったと指摘した。
 また、イスラム教の中でも派(スンニ派とシーア派など)による抗争が泥沼化している事実がある。また、北アイルランド問題もやはり宗教対立による抗争であるが、再発するのではないかと予想した。

 池上氏は、各宗教がその教義を正しく理解すれば宗教対立は起こらないはずであるとしたが…。
 最後に池上氏は、グローバリズムはもはや避けて通ることはできず、そのことを否定していては国が成り立っていかない、とした。
 そうした現実の中で、私たちは(世界は)異質な考え方、違う宗教を互いに受け入れながらグローバル社会を生きていく必要があるとした。

 テレビで活躍する池上氏の姿を見られる方は多いと思うが、まさに池上氏はテレビでの姿のまま、まったく淀みなく、私たち聴衆に分かり易く90分間語り続けた。それはもう池上氏の特異な才能といっても良いのかもしれない。
 絶えなる自己研鑽を続けているという氏の語りはこれからもますます冴えわたるのだろう。