1月30日は「知床の日」だそうだ。そのことを記念する講演・講座が札幌で開催された。「知床をより知ってほしい」、「知床をより多くの人が訪れてほしい」という関係者・機関の思いを感じたちょっと知的なイベントだった。

1月30日を「知床の日」と設定した理由は、知床の生態系を支えるうえで重要な意味を持つ「流氷」にちなみ、世界自然遺産に登録された2005年の1月30日に流氷が知床沿岸に接岸した初日を記念して「知床の日」としたということだ。
イベント「しれとこ大百科」は、次のような構成で行われた。
◆講演「なぜ、知床は世界自然遺産なのか?」
知床世界自然遺産地域科学委員会委員長 桜井 泰憲 氏
◆講座①「知床学ってなんだろう」
羅臼町教育委員会 自然環境教育主幹 金澤 裕司 氏
◆講座②「先史時代から、中・近世のわがまち」
羅臼町教育委員会 羅臼町郷土資料館学芸員 天方 博章 氏

講演の「なぜ、知床は世界自然遺産なのか?」については、「知床」が世界自然遺産に登録されてから13年、科学委員会の委員長である桜井泰憲氏が、今抱えている課題や将来に向けて資産価値をどのように高めていくかについて語ってくれた。
講演の大要は、いかにして知床の自然を護りながら、そこで生活する人々の生活も護るという命題に対処してきたか、そして将来に向けて対処しようとしているか、ということだった。
「知床」は、他の世界自然遺産と比べても、自然と人がきわめて近接して存在する自然遺産として有名のようである。そのため世界遺産委員会からは高いレベルの保護管理対策が求められているようだが、「知床」は官民一体となってこれまでそうした課題をクリアしてきたようだ。そのことは高く評価され「知床モデル」とも称されているという。
課題は尽きないようだが、科学委員会としてはそれぞれ専門のワーキンググループ(WG)を組織し、専門的立場から提言することによって、知床の魅力を護っていきたいとした。

講座①の「「知床学ってなんだろう」は、地元の小中高生に対して、知床の魅力、知床を護る意義、などについて定期的・系統的に授業として取り組んでいる実践の様子を報告するものだった。世界自然遺産の地元に育つ子どもたちに、将来を担う人材に、こうした教育をすることの意義は大きいものがあると思われる。さらなる実践に期待したい。
講座②の「先史時代から、中・近世のわがまち」は、「知床」が先史時代から人々の営みが続けられてきた地であることを遺跡の発掘の様子から報告したものだった。
それによると、知床地域は「オホーツク文化」圏に属するのだが、一方では北海道の大半を占めた「擦文文化」圏とも近接していた。そのため後年になって、二つの文化圏の文化が融合し、知床の地に「トビニタイ文化」が誕生したそうだ。
イベントではさらに、遠隔通信機を使って現地知床と結び、知床から知床に棲息する動物たちの様子についての報告もあった。
「知床」に関わる関係者が道内唯一の世界自然遺産である「知床」を護り育てようという熱意が伝わってくるイベントだった。
※ 使用した写真は、ホームページから借用したものである。

1月30日を「知床の日」と設定した理由は、知床の生態系を支えるうえで重要な意味を持つ「流氷」にちなみ、世界自然遺産に登録された2005年の1月30日に流氷が知床沿岸に接岸した初日を記念して「知床の日」としたということだ。
イベント「しれとこ大百科」は、次のような構成で行われた。
◆講演「なぜ、知床は世界自然遺産なのか?」
知床世界自然遺産地域科学委員会委員長 桜井 泰憲 氏
◆講座①「知床学ってなんだろう」
羅臼町教育委員会 自然環境教育主幹 金澤 裕司 氏
◆講座②「先史時代から、中・近世のわがまち」
羅臼町教育委員会 羅臼町郷土資料館学芸員 天方 博章 氏

講演の「なぜ、知床は世界自然遺産なのか?」については、「知床」が世界自然遺産に登録されてから13年、科学委員会の委員長である桜井泰憲氏が、今抱えている課題や将来に向けて資産価値をどのように高めていくかについて語ってくれた。
講演の大要は、いかにして知床の自然を護りながら、そこで生活する人々の生活も護るという命題に対処してきたか、そして将来に向けて対処しようとしているか、ということだった。
「知床」は、他の世界自然遺産と比べても、自然と人がきわめて近接して存在する自然遺産として有名のようである。そのため世界遺産委員会からは高いレベルの保護管理対策が求められているようだが、「知床」は官民一体となってこれまでそうした課題をクリアしてきたようだ。そのことは高く評価され「知床モデル」とも称されているという。
課題は尽きないようだが、科学委員会としてはそれぞれ専門のワーキンググループ(WG)を組織し、専門的立場から提言することによって、知床の魅力を護っていきたいとした。

講座①の「「知床学ってなんだろう」は、地元の小中高生に対して、知床の魅力、知床を護る意義、などについて定期的・系統的に授業として取り組んでいる実践の様子を報告するものだった。世界自然遺産の地元に育つ子どもたちに、将来を担う人材に、こうした教育をすることの意義は大きいものがあると思われる。さらなる実践に期待したい。
講座②の「先史時代から、中・近世のわがまち」は、「知床」が先史時代から人々の営みが続けられてきた地であることを遺跡の発掘の様子から報告したものだった。
それによると、知床地域は「オホーツク文化」圏に属するのだが、一方では北海道の大半を占めた「擦文文化」圏とも近接していた。そのため後年になって、二つの文化圏の文化が融合し、知床の地に「トビニタイ文化」が誕生したそうだ。
イベントではさらに、遠隔通信機を使って現地知床と結び、知床から知床に棲息する動物たちの様子についての報告もあった。
「知床」に関わる関係者が道内唯一の世界自然遺産である「知床」を護り育てようという熱意が伝わってくるイベントだった。
※ 使用した写真は、ホームページから借用したものである。