
先週の土曜。BMWエクスクルーシヴ・フェアが開催されているとの情報を得た我々取材班3名は、家族サービスもそこそこに、ルネッサンスサッポロホテルへと繰り出した。

試乗車は色々と用意されていたのだが、私は一番現実的な選択肢となるであろう「116i」(6AT:税込車両本体価格297万円)を選択。

ホテルの地下駐車場をスタートし、豊平川周辺や、住宅街の積雪路を走る。走り出したとたんに、直進方向に据わっている重ためのステアリングで、BMWテイストを濃厚に感じる。
かつての冬道のFR車ドライブというのは、リスキーかつデンジャラスなモノだった。だが、DSC装着のこの116iは、いたって平和に走る。よっぽど無理な運転をしない限り、破綻しそうもないその走りは、やはり驚きだ。この安心感溢れるフィールには、まったく脱帽である。
とはいえ、この116i。タウンスピードにおいては、お世辞にも静粛性は高いとは言えない。正直言って、全体的な印象としては、私のレガシィ2.0i(5MT)の方が、むしろ上質に思えた。ディーラーの方によると、燃費も巡航・街乗り問わずだいたいリッター9kmくらいとのことなので、その点においてもレガシィ2.0i(5MT)の勝ちと思われる。なおかつ、同じような価格でVWゴルフのGT・TSIを購入できることを思えば、この116iは、なかなか難しい位置にいると言わざるを得ない。
私個人としては、この小さいエンジンのクルマにこそ、MT仕様の導入を強く望みたい。その方が、圧倒的に面白いクルマになるような予感がする。

続いて、尾車親方運転の「323i」(6AT:税込車両本体価格487万円)のリヤシートに座ってのインプレッションである。確かに価格も116iと200万円違うのだが、このクルマは静粛性も含め、1シリーズよりも歴然と上質だった。やはり、どうせBMWを買うなら、多少無理してでも3シリーズを選ぶべきであろう。そして、いまや絶滅危惧エンジンと言える「ストレート6」が、シルキーで素晴らしい。さすがにバイエルンの咆哮BMW。BMW3シリーズには、国産車では決して味わえない一つの世界がある。まいりました。