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本屋で「タタのすべて」という本を見つけてしまい、例によって購入した。「インドマニアック車アルバム」や「スズキのインド仕様モデル」等の特集が面白い。この本で初めて、インドが左側通行で、クルマも右ハンドルだということを知った。
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やはり注目は、話題の激安カー「ナノ」についての徹底解剖である。直列2気筒624ccエンジンで、RRのこのクルマ。トランスミッションは4MTのみ。一番安いモデルは現地価格12万5340ルピーで、日本円に換算すると22万6000円!
ただし、色々な面であからさまにコストが削られている。たとえば、ブレーキは4輪ともドラムで、ABSもエアバッグも無い。もちろんパワーステアリングは未装着。左側のドアミラーも省略されている。ホイールは3穴。フューエルリッドすら無く、給油する際にはボンネットを開けて、そこにある給油口にノズルを入れなければならない。バッテリーは運転席の下に搭載されており、カバーもないため後席からはそれが丸見えだそうだ。
で、一番の問題は、バックドアが、無いことだ。一見5ドアハッチバックに見えるこのクルマだが、実は純然たる4ドア車で、コストを下げるためにリヤハッチを作らなかった模様。リヤにあるラゲッジスペースに荷物を出し入れするには、車内側からいちいちリアシートを倒さなければならないらしい。コレは、いくらなんでも使い勝手が悪そうだ。
もし、このクルマが日本でも実際に20万円ちょっとで売られるのなら、それはそれで結構面白いとは思う。が、現実には日本の排ガス規制やら安全基準等をクリアしなければならないので、おそらくそれは実現しないだろう。
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さて、ここで私は、日本で一番安い新車はいくらで買えるのかと思い立ち、調査してみた。そうすると、どうやら三菱のミニカバン・ライラ(3ドア・FF・5MT)が一番安いようだ。4ナンバーなのでリヤシートは狭そうだが、パワステ付で前輪はディスクブレーキだ。さらにエアコンも標準装備で、その価格は税込58万2750円!これは、随分と安い。かつて30年ほど前に「アルト47万円」が話題となったが、今の物価から換算すると、このクルマも激安だと思う。ただし、ABS(3万6750円)とエアバッグ(運転席のみ2万6250円・左右両席は5万7750円)はオプションだが・・・
三菱自動車では、最近「コルト」が地道に改良を施し、登場後7年を経過した今、売上を伸ばしている。この「ミニカ・ライラ」も、うまく宣伝すれば、もっと売れるかもしれないですネ。