獅子丸のモノローグ

☆気まぐれ不定期コラム☆

私が愛したクルマたち(4) 日産・ガゼール(S110)

2011年02月26日 | カタログ倉庫

    
 1979年3月にフルモデルチェンジしたシルビアともに登場した、その兄弟車「ガゼール」。
 日本初という「ボンネットグラフィック」が、なんともアメリカンである。 

    
 「未来から大股でやってきた」というコピーが、仰々しくてよろしい。

    
 実質、前回紹介した「シルビア」と同じクルマなのだが、このイメージスケッチは、確かに「かもしか」を彷彿とさせる。
   
       
 兄弟車シルビアとの大きな相違点は、フロントグリルのデザインだった。

    
 インパネのデザインは、非常に都会的でカッコよかった。
 オーディオ等のスイッチ類やメーターの意匠は精緻な感覚に溢れていた。
 当時のクルマのインパネでは、私はこのガゼール/シルビアのものが一番好きだった。

    
 なんだかメーターやスイッチがたくさん付いているのが、まさに航空機を彷彿とさせ、素晴らしい。
 そこが、当時小学生だった私のココロを、鷲掴みにしたのである。

    
    
 足元を照らす照明関係が充実していたのも、このS110系の大きな特徴。
 早く免許を取って、このクルマでナイトドライブを楽しみたいと、コドモの私は夢想していたものだ。

    
 「スーパーサウンドシステム」は、いかにも音質が良さそうである。
 この辺の仕立ても、このガゼールは、当時のクルマの中ではダントツに魅力的だった。

    
 パワーウインドウやリヤセンターアームレスト等の快適装備にも、抜かりはない。
 この手の装備は、当時はクラウンやセドリック等の高級車の装備だったものだ。

    
 高性能・低燃費を謳う、「2プラグZエンジン」。
 このクルマの非常に珍しい装備が、「エンジンルームランプ」である。
 エンジンルームに照明が装備されたクルマを、私はこのクルマの他には知らない。
 それは補助コードとフックが付いており、一定の場所に吊り下げておくことも可能な優れものなのだ。

    
 そして、ドライブコンピュータという名の電卓がオプションで選べたのも目新しかった。
 そもそもこの当時、私の家には電卓そのものが無かったのだから・・・

    
 この当時は、MT車が主流。
 5MTは全てのタイプで選べ、ニッサンマチックと呼ばれるATは3速であった。

    
 装備は非常に充実していた。
 なんとパワーアンテナが全車標準装備! 

    
 全長4400mm×全幅1680mm×全高1310mm。
 ちなみに、現行ティーダ・ラティオのそれは4430mm×1695mm×1535mm。
 昔のクルマの小ささに驚くと共に、ガゼールの背の低さは際立っていた。まさに、スペシャルティ。

    
 ただ、シャシーはボディに対して貧弱だったようだ。
 ボディとタイヤ間の隙間の大きさは、いかんともしがたい。

 だが、免許を取った昭和の終わりに、このクルマを愛車に迎え入れるのも面白かっただろうと、私は未だに後悔しているのである。

コメント (29)
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