獅子丸のモノローグ

☆気まぐれ不定期コラム☆

私が愛したクルマたち(19) スバル・レガシィ ツーリングワゴン(BF系)

2015年10月09日 | カタログ倉庫

 かつて私は、スバルのクルマが大嫌いだった。
 当時のレオーネにしろ、アルシオーネにしろ、妙に腰高でヤボったく、カッコ悪く見えたからだ。

 だがしかし、1989年。奇しくもそれは、私が運転免許を取った年。
 そんな私の考えを一変させる、カッコいいスバル車が、登場したのだった。


 それは、初代レガシィ ツーリングワゴン
 そしてこれは、私が生まれて初めて入手した「スバル車のカタログ」である。




 ボディの上半身をぐるりと取り囲む、美しいグラスエリア。
 ブリスターフェンダーがスーッとのびやかな、その下半身。
 なにか「今までのクルマとは違った使い方」を夢想させる、ルーフレール&ラゲッジルーム。

 それ以前からスバルは「レオーネ ツーリングワゴン」を販売しており、今考えるとあのクルマも、実はなかなかカッコ良かったかもしれない。
 だがレオーネは、レガシィのような「上質で孤高なイメージ」は、持っていなかった。


 テールエンドを引き締める、リアガーニッシュ。
 「レガシィ ツーリングワゴン」は、明らかに「商用バン」とはまったく違う、都会的なオーラを発散していた。


 スバルは、頑なに使い続けてきた「水平対向BOXERエンジン」を、この時に大きく刷新。
 私のBPレガシィにも積まれている「EJ型エンジン」の登場である。


 4WDシステムを、グレードごとに使い分けるのが、スバルの高コストでマニアックな企業体質。
 AT車には「電子制御アクティブトルクスプリット4WD」。
 MT車は基本的に「ビスカスLSD付センターデフ方式フルタイム4WD」で、走りのグレード「GT」には、リヤ・ビスカスLSDが追加装着される。
 廉価版「MiのMT車」はレガシィシリーズの中で唯一の「パートタイム4WD 」となり、「プッシュボタン式セレクティブ4WD」が使われている。


 レガシィ伝統の、4連メーター。
 だがしかしよく見ると、私のBPレガシィとは、速度計・燃料計・タコメーター・水温計の配置が、左右逆になっていることに、今回初めて気づいた。
 「MOMO製本革巻ステアリングホイール」は、「GT」グレードのみの装備品である。




 本革シートについては、「GTのAT車」にメーカーオプションで設定。


 充実の、装備品。
 「リモコンドアロック」や「タイマー付パワーウインドゥ」等はもとより、「ドアハンドルのフック回数でキーを持っていなくてもドアロック解除」ができる「暗証コード式キーレスエントリー」も採用。
 また、車速が15km/hになると自動的にドアロックする「車速感応型集中ドアロック」が「GT」と「VZ」に装備されていたようだが、これは「要らぬおせっかい」なアイテムだと、私は思う。


 引き出し式の「カップホルダー」は、今でこそよく見かける装備だが、この当時ではなかなか画期的だった。
 ダブルフォールディングで完全フラットになる、広大なラゲッジルームも、まさにツーリングワゴンの真骨頂。
 取り外したリヤのヘッドレストは所定の位置に差し込むことができ、これが車中泊の際には枕として機能するという。
 また、「巻き取り式トノカバー」や「サブトランク」といったアイテムが、日常での使い勝手をさらに高めてくれる。





 そして、オーディオ・シートカバー・アルミホイール等、オプションの数々。
 この当時は「ハイマウントストップランプ」が、なんとオプションだった模様。


 余談ですが、「派手なイルミネーションのイコライザー」っていうのも、最近見なくなりましたなぁ・・・
 「ブレーキランプ連動で赤くイルミネーションが光るリアスピーカー」とか、私の若かりし日には、憧れの一品だったものです(←自分からは見えないんだけどネ)。



 そして、グレード展開。
 200psを発揮する「水平対向4気筒DOHCターボエンジン」を積む「GT」は、走り&豪華装備の最上級グレード。


 「VZ」のエンジンはノンターボの「水平対向4気筒DOHC」で、快適装備等も充実。
 また、このグレードには「ハイトコントロール付電子制御エアサスペンション」の装着車が設定されていた。


 「TZ」は、「VZ」からパワーシート等の装備を省いたグレードである。


 「Ti」以下のグレードは、1.8Lの「水平対向4気筒SOHCエンジン」を搭載。
 装備品の内容は、おおむね「TZ」に準ずる。


 「Mi」は、いわゆるひとつの廉価版。
 フルホイールカバー・カセットデッキ・パワーウインドゥ・集中ドアロック・分割可倒式リヤシート・カーゴルームランプ・トノカバー・リヤスタビライザー・・・等が省略される。
 このグレードの5MT車が「パートタイム4WD」に格下げされているのは、前述のとおりである。



 主要諸元。
 全グレードで4ATと5MTが選べたのは、現代と大きく異なる部分でありましょう。
 そしてどうやら、当時のスバル車は、燃費はあまり芳しくなかったようである。
 「GT」(4AT)のカタログ上の10モード燃費は、8.0km/L。
 最良である「Ti」及び「Mi」(共に5MT)のそれは、12.2km/Lであった。


 1.8Ti(5MT)の全長×全幅×全高は4600mm×1690mm×1470mmで、車両重量は1240kg。
 ちなみに私のBPレガシィ2.0i(5MT)のそれは、4680mm×1730mm×1470mmで、1340kgである。
 やはり、このくらいのサイズのクルマが、私にとっては最も使いやすい。
 近年のクルマは、国産車も輸入車も、大きくなりすぎだと思う。



 「LEGACY」とは、「大いなる伝承物」の意。
 あの当時。かなり経営が厳しかったスバルを救ったのは、爆発的に売れたこの初代BFレガシィだった。
 このクルマの存在が無かったら、BPレガシィもおそらく無かっただろうし、私がスバル車のオーナーになることも、無かったかもしれない。
 だからこそ、今。
 私は、BFレガシィの開発陣に、心より、感謝の意を捧げたい。

コメント (2)
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