最近スズキが日本国内に投入した、4代目となる、新型エスクード。
初代エスクードオーナーだった私としては、やはり気になるクルマである。
今回試乗させていただいたのは、4WD・6AT(税込車両本体価格234万3600円)だった。
サイドアンダーミラーを廃したフロントエンドは、ブーメランのようにスッキリとしている。
まずは、ラゲッジスペースのチェックから。
トノカバー下の高さも、奥行きも、十二分。
ラゲッジルームランプがトノカバー下に装着されているのも、地味ながらインポータントなポイントである。
バックドアは、横開きから、ハッチゲート式に変更された。
そして、悲しいことに。
ラゲッジ下にサブトランクはあるものの、スペアタイヤは省略され、タイヤパンク応急修理セットに置き換えられてしまった・・・SUVなのに(涙)
私は過去の経験上、スペアタイヤの存在はマストだと信じて疑わない、意固地な昭和男なのである。
なかなか緻密で質感の高い、メーターパネル&ステアリング。
だがしかし。冷静に見てみると、「SX4 S-クロス」との共有部品が多い。
ちなみに、この4代目エスクードも、ハンガリー生産による逆輸入車だとのこと。
トランスミッションは、CVTだった「SX4 S-クロス」とは異なり、新開発の6ATとなっている。
しかしながら、新世代4WDシステムという「ALL GRIP」のモードスイッチは、どうやら共有部品のようだ。
インパネセンターに配置された「アナログクロック」。
そのデザインは、なにか「ダイバーウオッチ」を彷彿とさせ、クロカン気分を盛り上げる。
これまでは「縦置きエンジンのFRベース」だったエスクードだが、今回のモデルチェンジで「横置きエンジンのFFベース」に転換した。
ステアリングはセンターがしっかり出ており、なかなかダイレクト感がある。
足回りも、確かな直進安定性と硬質なしなやかさを、併せ持っている。
フラフラと落ち着きなかった初代エスクードとは雲泥の差の、その安心感というか、スタビリティ。
FFベースとなったことで、後席のレッグルームも広くなり、ファミリーカーとしての資質も、充分だ。
着目すべきは、そのボディサイズ。
先代(3代目)よりも全長で125mm・全幅35mm・全高85mm、エンジンは2.4L→1.6Lへの、ダウンサイジングなのだ。
そして車両重量に至っては、なんと410kgもの、大幅ダイエット!
当然ながらJC08モード燃費も、先代比で9.6km/L→17.4km/Lと、なんと倍近く向上している。
「クロスカントリーRUNではなく、街乗り主体」の使い方をするのであれば、この基本設計転換は、大いに歓迎すべきである。
4代目エスクード。
MTの設定が無くなったのは残念だが、フォレスターの強力なライバルであると、私は認定せざるを得ない。
やはり、スズキのクルマは、あなどれない。