イグニスの試乗を終えた後。
やはり「国産同クラスのコンパクトカー」を比較試乗したくなるのが、人情というモノでありましょう。
そこで向かったのが、トヨタカローラ札幌であった。
ターゲットは、最近フルモデルチェンジされた「パッソ」。
このパッソの全長×全幅×全高は3,650mm×1,665mm×1,525mmで、4WD車の車両重量は960kg。
ちなみにイグニスのそれは、3,700mm×1,660mm×1,595mmの、920kgである。
試乗させていただいたグレードは4WDの「X"L package・S"」(税込車両本体価格151万3080円)だった。
タコメーターのないインパネは、なんともビジネスライクで、かなり淋しい雰囲気である。
空調スイッチは、温度調整がダイヤル式なのが素晴らしく、操作ロジックもわかりやすい。
だがしかし、走行中に操作する際には、シフトレバーがその操作性をややスポイルすることは、否めない。
視界良好で、3気筒1リッターエンジンながらも、スイスイ走る、このクルマ。
静粛性の面で言えば、それは「イグニス」に、間違いなく勝っている。
だがしかし、それ以外の感性に響く部分では・・・
率直に言って、このクルマ。
ドライブフィールでは、イグニスの敵では無いというか、足元にも及ばない。
なんというか、素材が違うというか、成り立ちが違うというか、出自が違うというか・・・
全体が軽いというか、淡白というか、味わいが薄い。
まあ、私が重要視するそのようなことは、世の中の大半の人にとっては、どうでもいいことなのだ。
それよりもカラーバリエーションやら多彩なアクセサリーの方が、一般的には重要なのだ。
トヨタは、それを見切って、確信犯的にこのクルマを販売しているのだと思う。
単眼カメラとレーザーレーダーを用いた衝突回避支援システムの「スマートアシストⅡ」。
スバルが「アイサイト」搭載車をリリースして以降、この手の装置を搭載するクルマが、増えてきた。
各社が切磋琢磨して、より良いモノが出来るような状況になることは、今後年老いて動体視力と反射神経が衰えていくだろう私にとって、実にありがたいことである。
この3代目パッソ。
2代目よりも、ずっと進化していることは、間違いない。
アナタがこれを買うことを、反対する理由は、見当たらないが・・・
私個人がこのクルマを買うことは、きっと、無いだろう。ご、御免。