「プジョー308 GT BlueHDi」の実力に感銘した後。
尾車氏の進言により、次に向かったのは、ルノーのお店。
氏のリサーチによると、そこにはルーテシアR.S.の試乗車があるので、是非試してみたいとのこと。
私もその意見に激しく同意し、そこへとレガシィ2.0i(5MT)を走らせたのである。
そして、確かに、そのクルマはそこにあった。
「ルージュ フラム M」の塗装が、目に鮮やかだ。
履くシューズのサイズは、205/45R17という、ファットさ!
だがしかし・・・
それは、なんとサマータイヤ!
確かに幹線道路はほぼ舗装が出ているとはいえ、3月上旬の札幌市内を夏タイヤで走るのは、あまりにもリスキーである。
私が「このクルマは運転できましぇ~ん」と雄叫びを上げると、セールスマン氏は「では、私の運転でドライ路面だけを走りますので、同乗してみませんか?」と提案したのであった。
なので、一抹の不安を感じながらも、私と尾車氏は、セールスマン氏の運転するルーテシアR.S.に乗り込んだのである。
同乗させていただいたクルマは、「R.S.シャシースポール」(6EDC:税込車両本体価格307万5000円)であった。
尾車氏が助手席に座り、私は後席に佇む。
オレンジの加飾が魅力的な、そのインテリア。
注目すべきは、やはりマニュアルシフトモードの考え方である。
「前に押してシフトダウン・手前に引いてシフトアップ」のロジックは、加速Gの原理からいくと理にかなっており、体感上も自然だ。
私と鈴木亜久里氏が10年以上前から主張してきたことを、ようやくにして、このフランスのメーカーも、採用してくれたのだ。
マツダ以外の国産車メーカーも、早く、この方式にしてほしいと、私は心から願う。
さて、このクルマ。
静粛性にはやや欠け、特に、ロードノイズは気になる。
後席に座っていた私は、運転席のセールスマン氏と助手席の尾車氏が、なにを話していたのか、ほとんど聞き取ることができなかった。
まあ、そもそも私の耳が難聴気味であるということも、要因としてはあるのだが・・・(^^:
とはいえ、そこここに配されたオレンジが、スポーツ心を高揚させる。
ルーテシアR.S.。なかなか魅惑的である。
雪が融けた後に、再度自分でステアリングを握って走らせて、そのライドフィールを実感してみたいものだ。
さて、お店に戻って他のルノー車を見学していて。
やはり最も私の心を揺らしたのは、この「キャプチャー」だった。
ルーテシアベースのFFとはいえ、ロードクリアランスをたっぷり取ったそのSUV的スタイルは、なんとも魅力的である。
尾車氏は、この展示車の「イヴォワール+ノワール エトワール M」のカラーが気に入った模様。
そして、しっかりと積まれた、テンパースペアタイヤ!
キャプチャー。どう考えても、イイじゃありませんか!
そして幸いなことに。
スタッドレスタイヤを履いた試乗車があったので、はにかんだフリをしながら、試乗させていただくことに。
「オランジュ ルシヨン M+ノワール エトワール M」のカラーを身に纏う「インテンス」(6EDC:税込車両本体価格267万2000円)の積むエンジンは、1.2リッターダウンサイジングターボDOHC4気筒で、120psを発揮する。
タイヤサイズは205/55R17。
昨今のクルマのタイヤは扁平率が高くハイトが低いので、このクルマのタイヤは、相対的に「ハイトの高い昔のタイヤ」のように見える。
センターに配されたデジタルスピードメーターが、フランスのエスプリを感じさせる。
指針がルノーのコーポレートカラーであるイエローなのも、粋でいなせだ。
ただし、ステアリングのピアノ調加飾が手のひらに当たる部分にあるので、汗っかきの私だと、夏場は滑ってヌルヌルしてしまう危険性をはらんでいる。
ダイヤル&プッシュスイッチ式の空調は、なかなか扱いやすそう。
シートは低反発枕のような弾力性というか、固さである。
おそらくは、長距離走行でも、疲れを感じさせないことでありましょう。
マニュアルシフトモードのロジックが「前に押してシフトダウン・手前に引いてシフトアップ」となっている点も、二重丸。
そしてその脚自体は、しっとりと柔らかく、地面をトレース。
なんというか、「路面を舐めるように」、接地して走ってくれるのだ。
ステアリングの中央方向への据わり感もしっとりしており、しかもそれは操舵するとナチュラルに反応。
静粛性も文句なしで、一家のファミリーカーとして、心地良く使えそうだ。
ルノー・キャプチャーは、以前から気になるクルマだったが、試乗して、ますます好きになってしまった。
自分としては、次に買うクルマは「次期スバルXV」かなぁ・・・なんて漠然と思っていたのだが、このキャプチャーも極めて魅力的である。
札幌という寒冷豪雪地帯に住む私だが、このクルマに4駆がなくFFのみであるという点を差し引いても、このクルマが欲しくなってしまった。
次回は、家族を引き連れての、「XVvsキャプチャー徹底比較試乗」となりそうだ。