尾車氏のリサーチによると、マツダ・ロードスターRFの試乗車が、札幌にあるという。
しかもそれは、嬉しいことに、6MTとのこと!
なので、土曜日。
我々取材班2名は、いそいそと、マツダのディーラーさんに向かった。
試乗させていただいたのは、マシーングレーメタリックという特別塗装色を纏う「RS」(6MT:税込車両本体価格3,736,800円+特別塗装料54,000円=3,790,800円)である。
乗り出し価格は、おそらく、400万円を超えるであろう。
いやあ、ロードスターも、登場後四半世紀を経て、高くなったものですな・・・(^^;
試乗車の履くシューズは、205/45R17サイズのBBSホイール&スタッドレスタイヤだった。
赤いブレンボのブレーキパッドが、目に鮮やかなワンポイントだ。
横から見ると、クーペ風に見えるデザイン。
Bピラー後半の窓のように見える部分は、窓風の鏡面処理である。
スイッチひとつで、天井が電動で格納され、タルガトップになる。
だが、リアルーフ(フツーのクルマで言えば「Bピラー&Cピラー」)が、ボディに残ってしまう。
このことから私は、「こんなの、フルオープンじゃない!先代のRHTの方がずっと良かった!」と、このクルマに試乗させていただく前は、そう考えていた。
かつてホンダから出ていた「CR-Xデルソル」のような感じなのだろうと、なんとなく想像していた。
だがしかし。
運転席に座ってみて、私が抱いていたネガティヴな先入観は、払拭された。
まさに「青空標準装備」と言った感じの爽快感&解放感!
後方を振り返った時に視界をスポイルするのではないかと思っていたリアルーフ。
だがそれは、実際にはヘッドレストの死角に隠される部分が多いので、乗ってみる前の想像とは違って、ほとんど気にならなかった。
これは、うれしい誤算である(^^)
また、不幸にして事故に遭い、横転してしまった際に、これは「ルーフバーとして乗員の頭部を衝撃から守る役割」を果たしてくれるかもしれない。
春の柔らかい日差しをサンサンと受けて、いよいよクラッチミート。
3ペダルはやや右にオフセットされているかもしれないが、すぐ慣れてしまう範囲だ。
短足な私でも、クラッチミートには、何の問題もなかった。
ストローク短く決まる6MTは、コクコクと小気味良い。
ジャストフィットしたランニングシューズを履いて走るかのような、その軽快な一体感!
まさにスポーツウェア感覚というか、「クルマを着て走っている」かのような気分になる。
ステアリングの重さと切れ味・シートの堅さ・アイポイントの高さ・エキゾーストノート・風の匂い・・・全てが心地よい。
フロントフェンダーが隆起しており、ボンネットがしっかり目視できるので、前方車両感覚も非常に掴みやすい。
オープン時。両サイドのウインドウを上げておけば、風の巻き込みもほぼないので、ロングヘアーの淑女が助手席に座っていても、ノンプロブレムでありましょう。
まあ、最近は、日焼けを嫌がる女性も、少なからずいらっしゃるのではありますが・・・(^^;
標準(幌)のロードスターが搭載するエンジンは1.5リッターだが、このRFは2.0リッターエンジンを積んでいる。
エンジンフィールを含めた全体の印象は、標準車よりもこのRFの方が、軽快さにしっとり感が加わっており、より私好みである。
このブルーな鏡面のサイドミラーは、オプショナルパーツ。
親水加工により雨天時の視認性を確保するのに加え、後続車のヘッドライトの眩しさを軽減する役割も果たすのだという。
そして、約15分間の試乗を終え、電動ルーフを閉じる。
NA~NCまでのロードスターは、「最後のルーフロックは手動で行う」必要があった。
だが、NDロードスターRFは、それすらも電動で行ってしまうので、まさにスイッチひとつで「ルーフオープン⇔クローズ」が可能になったとのこと。
トランクルームの容量も、2シーターのクルマとしては必要十分。
加えて、「開いたルーフが荷室をまったく浸食しない」のが、これまた素晴らしい。
スペアタイヤは無いが、このクルマの場合は、目をつぶりましょう。
WEBや雑誌で見た時はあまり感心しなかった、NDロードスターRF。
だが、今回乗ってみて、私の印象は、180度変わってしまった。
この角度から見ると、そのクーペ的フォルムは、なかなか美しいではありませんか!
北海道という寒冷降雪地帯においては、その耐候性も、魅力的だ。
また、この物騒な昨今。青空駐車だと、やはり幌のクルマは、防盗性に不安がある。
そういった面でも、このRFは、心強い。
やはり、私にとっての問題は、「このクルマを購入する資力」と「家族の同意を得る」ことの2点だ・・・(^^;