―こんばんは、今宮シュンです。今夜は、昨年6年ぶりにビッグマイナーチェンジを果たした、トヨタの5ナンバーセダン「プレミオ」について、お三方に熱く語っていただきましょう。よろしくお願いします。
一同:よろしくお願いします。
バルバッツァ:しっかしまあ、この「私はクラウンになりたかった」みたいなフロントグリルの意匠は、いかがなものでしょう!私は、なんだか悲しくて、涙がちょちょぎれますね・・・
グルイヤール:同時にマイチェンしたアリオンは、グリル内のデザインをメッシュ調にして、イメージをスポーティーに振ってますよね。2車の棲み分けを、より明確にしたということなんでしょうね。そしてここで見逃せないのが、2車のイメージを分けながら、実はパーツの共有化を進めて、コストダウンを図っているということなんですね。これまでプレミオとアリオンのヘッドライトのパーツは別物だったんですが、今回のマイチェンで同じものになっています。
フォイテク:トヨタという企業のあざとさというか、したたかさというか、奥深さを感じますね!
―今回のマイナーチェンジの目玉となるのは、やはり緊急自動ブレーキ等の運転支援デバイス「Toyota Safety Sense C」の装着と言えますよね。
グルイヤール:特に、ユーザー層の高齢化がはなはだしいこのプレミオですから、これの装着は必然だったのでしょう。
フォイテク:高齢者の衝突事故は、マスコミでもほぼ毎日のように報道されてますものね・・・
バルバッツア: 明るいベージュのシートカラーは、イイですね!ブラック以外のインテリアカラーを選択できるというのは、このクルマの美点だと思います。
グルイヤール:特に、スバルさんあたりには、是非とも見習ってほしい部分ではありますね。
バルバッツァ:インパネ周辺の造りも、上々ですよ!自発光式メーターはラグジュアリーですし、ステアリングは汗っかきに嬉しい革巻き。プッシュスイッチ式の空調コントロールも、一見での操作感は悪くないです。
グルイヤール:どこかのメーカーみたいに、ココを「すべてタッチパネル」にしてしまうような暴挙に出ないのは、やはりトヨタの見識でしょうね。
バルバッツァ:とはいえ、この、これみよがしな木目調パネルについては、私の趣味とは、遠く乖離しています・・・
グルイヤール:噂では、このクルマのオーナーの平均年齢は68歳オーバーとのハナシですからねぇ(^^;
フォイテク:ですが、このS字カーブを描いたドアハンドルの造形は、なかなかモダンアートなんじゃないですか!
バルバッツァ:この部分については、私も「なかなかやるな!」と感銘した部分です。
グルイヤール:こういう小技が、オヤジゴコロをそそりたたせるのでしょう。
―今回の試乗されたのは「1.8X”Lパッケージ”」の4WD車(税込車両本体価格248万5963円)だったそうですが、印象はいかがでしたか?
バルバッツァ:まずは、しっかりと植毛処理が施されたAピラーに、トヨタのソツのなさというか、高年齢層に後ろ指をさされない抜かりなさを感じました。また前方視界がスッキリと開けていて、実に気分爽快なんですよ!この辺は、燃費というか空力を意識し過ぎの近年のエコカーでは得られない美点ですよね。また、サイドウインドウが立っていてスクエアなボディなので、取り回ししやすく、初めて乗った人でも車両感覚が容易に掴めます。
グルイヤール:この辺は、老人向けなのはもとより、実は初心者にこそフレンドリーな部分ですネ。
フォイテク:5ナンバーセダンの良さを、私も再確認しました。しかも、リアシートは足元も頭上空間も広いです!率直に言って、バルバッツァさんのBPレガシィや同じ日に乗った新型XVよりも、居心地は良かったです!
バルバッツァ:市街地走行においては、ステアリングも重すぎず軽すぎずでちょうど良かったですし、直進性もしっかり出ており、オヤジ4名乗車でも加速に痛痒はありませんでした。シートも結構肉厚で、小太りの私のカラダを、しっとりしながらもしっかりと受け止めてくれます。まるでフランス車のような乗り味といったら、ホメすぎでしょうかねぇ!
グルイヤール:実はこのクルマ。リヤサスはFFがトーションビーム(半独立)なんですが、4WDはダブルウィッシュボーン(独立)なんですよ。今回乗ったのは4WDモデルですから、その辺りにも、今回の好印象のポイントが隠されているのかもしれませんネ。
フォイテク:札幌の冬期間、「除雪をせずにクルマを発進させたい私」が注目したのは、最低地上高です。4WDのそれは155mmなんですが、コンパクトSUVであるCH-R(4WD)と同じ数字なんですよ!この辺に私は感動しましたね。ついでに言うと、FFのプレミオのそれは160mmで、FFのCH-Rは140mmです。プレミオは、積雪地において「名より実を取る」クレバーな選択と言えるのではないでしょうか!
バルバッツア:ちなみに私のBPレガシィのそれは、150mmでした・・・プレミオ4WDに5mm、プレミオFFに10mmも負けていたとは・・・驚愕です(涙)
グルイヤール:プレミオですが、4WDの方が最低地上高が低いっていうのは、やや釈然としない部分ではありますネ。サス形式の違いゆえなのでしょうか・・・
バルバッツア:プレミオの乗り心地の良さと、最低地上高の高さに寄与しているのは、実はこのハイトの高いタイヤかもしれないですね。
グルイヤール:195/65R15っていうのは、昔はかなりスポーティなスペックのタイヤだったんですが、現代ではすいぶん肉厚に見えるものなんですねぇ。
フォイテク:トランクルームも広大ですね!
グルイヤール:やはり居住空間と隔離された独立したトランクルームというのは、大きな意味がありますよ。漬物樽を積んでも、その臭いが車室内に侵入してこないというのは、このクルマのターゲットユーザーにとって実用上見逃せない美点ですね。
バルバッツァ:私が最も素晴らしいと思ったのは、しっかりとスペアタイヤを積んでいる点です!結構、パンクって起こり得るんですよ。近年のクルマは、なぜか「パンク修理キット」という、実用上むしろユーザーに負担を強いるモノを搭載している。このスペアタイヤ搭載は、あっぱれです!
グルイヤール:最近の若い者は、そもそも「タイヤ交換を自分でしない」というか、おそらく出来ないですからネ。このクルマのターゲットユーザーは、未舗装走路でパンクが日常茶飯事だった時代を体験していますから・・・
フォイテク:セダンなのに、リアシートがダブルフォールディングで倒せて、長尺物が積めるってのも、高ポイントじゃないですか!
バルバッツア:ホームセンターで購入した介護用ベッドも、ひょっとしたら、積めるかもしれないですネ。
―お三方、今回乗ったプレミオというクルマの印象はいかがでしたか?
バルバッツァ:私は10年前に兄弟車のアリオンに乗ったことがあるんですが、その時にはまったく感銘しませんでした。ですが、今回乗ったプレミオは、なかなかいいクルマに思えました。
グルイヤール:まあ、それは、10年前よりプレミオが進化したというよりは、私たち自身の年齢が、プレミオのターゲットユーザー層に近づいたからかもしれないですね。
フォイテク: 塗装色の「ブラッキッシュアゲハガラスフレーク」にも要注目です!なんか、ハクション大魔王の「アカムラサキブルーアゲハ」 を連想させるじゃありませんか(笑)
―5ナンバーセダンの良さを、再認識されたということでよろしいでしょうか?お三方、今夜は遅くまでありがとうございました!