『パックス・モンゴリカ―チンギス・ハンがつくった新世界』
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ジャック・ウェザーフォード、2006、『パックス・モンゴリカ―チンギス・ハンがつくった新世界』、日本放送出版協会
近代世界の起原は、モンゴル帝国にあったという。たしかに、従来とは異なる最大規模のユーラシア大陸の全域をほぼ版図に入れた大帝国の支配のためには、従来の領域国家とは異なるシステムを必要としたであろう。
しかし、世界規模の帝国は、「黒死病(腺ペスト)」のパンデミックにより、ついえた。もちろん、パンデミックのみが帝国の崩壊の要因ではなく、すでに、別の要因によりモンゴル帝国は四分五裂ではあった。しかし、これらの四分五裂した帝国の一部も、後の時代に大きな影響力をもったし、また、支配のシステムは、継承されていった訳である。
「新型インフルエンザ」は、世界に拡大しているが、モンゴル帝国の終焉とも比較も可能であろう。世界化している経済や人の移動をなくしては、規模の経済は維持できない訳で、昨年以来の経済収縮とのタイミングはまことに、皮肉ではある。しかし、もし、従来の経済体制の復興を目指すのであれば、パンデミック類似の流行をなんとか、しのがねば、ならないだろう。しかし、皮肉な見方をすれば、ある種のリセッションのタイミングとして、経済に加えてパンデミックという課題が与えられたとも見るべきか。
近代世界の起原は、モンゴル帝国にあったという。たしかに、従来とは異なる最大規模のユーラシア大陸の全域をほぼ版図に入れた大帝国の支配のためには、従来の領域国家とは異なるシステムを必要としたであろう。
しかし、世界規模の帝国は、「黒死病(腺ペスト)」のパンデミックにより、ついえた。もちろん、パンデミックのみが帝国の崩壊の要因ではなく、すでに、別の要因によりモンゴル帝国は四分五裂ではあった。しかし、これらの四分五裂した帝国の一部も、後の時代に大きな影響力をもったし、また、支配のシステムは、継承されていった訳である。
「新型インフルエンザ」は、世界に拡大しているが、モンゴル帝国の終焉とも比較も可能であろう。世界化している経済や人の移動をなくしては、規模の経済は維持できない訳で、昨年以来の経済収縮とのタイミングはまことに、皮肉ではある。しかし、もし、従来の経済体制の復興を目指すのであれば、パンデミック類似の流行をなんとか、しのがねば、ならないだろう。しかし、皮肉な見方をすれば、ある種のリセッションのタイミングとして、経済に加えてパンデミックという課題が与えられたとも見るべきか。
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