『イタリアのしっぽ(集英社文庫)』
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あとがきを読むとタイトルの理由がわかる。子供の頃、太平洋の洋をとって「洋子」と名付けた祖父と飼い犬とともに、須磨海岸に出かけたエピソードを書いている。海岸で海の向こうに行くのだと語った祖父の思い出と年を取って途中で歩けなくなり祖父に抱えられた飼い犬のしっぽ動きにちなんで、本書のタイトルがつけられた。本書に書かれているエッセイはいずれも動物にちなんだものとなっているからこのタイトルであることは確かだが、動物に絡んだいたイタリアの知人たちのエピソードとなっていて、イタリア人のステレオタイプとして持たれがちな、明るいあっけらかんとした性格とは異なる様々なイタリア人像を描き出している。
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