一昨日から昨日にかけて大雨でした。このため、田んぼに流れ込む水量を調節したり畦が痛んでいないか見回りをしました。そして、今日の天気を心配していましたが、からりとした天気になりました。風も心地よくさわやかな一日でした。
今年も恵泉女学園大学の学生が田植えにやってきました。大学の環境関連のゼミの授業の一コマです。そのゼミでは、田植え以外にも林に行っての観察会もあったとのことでした。去年は7人ぐらいの参加でしたので数人の大学生の名前を覚えることができました。しかし、今年は10人も参加したので教えることに集中して、とても名前を覚えることができませんでした。
カラフルないでたちで田植えする大学生達
彼女達10人のうち、田植えを体験したことがあるのは4人ほどでした。中学校の修学旅行で秋田県に行って農家に泊まっての体験だった子もいました。農家出身の子供たちが希少になった現代は、田植えなどの農業体験は学校の総合学習,林間学校,そして修学旅行などでしか体験できない時代になったようです。
いっせいに並んで田植え 田んぼが初めての学生も
田んぼに入るのが初めての学生もいたりして最初は、ワーワーキャーキャーとにぎやかな声が聞こえました。田んぼの泥に素足を入れる感覚が、初体験で新鮮だったのでしょう。今日大学生達が田植えした田んぼは、比較的水深が浅くあまり足が沈みません。じきに慣れて泥の感触を楽しんでいる様子でした。
田植え紐の前に一列に並んで、苗を丁寧に移植
田植えする前に各人の役割分担を決めました。田植え紐の両脇にいて紐を結んだ棒を抜いたり挿したりする人,全体の進行を見ながら紐移動の指示や苗植え指示の号令をする人,田植え紐の前に並んで苗を移植する人,そして苗を手渡しする人に役割分担しました。全員がその分担を体験できるように時々分担を交代しました。
号令する人,紐を結んだ棒を抜き差しする人,田植えする人
先週来たボーイスカウトは年齢が5歳~13歳で、園児から少年とさまざまな年齢構成でした。このため、田植えするよりも泥遊び感覚での田植えでした。このため、苗もちゃんと移植できていないものが多く見受けられ、後で植え直ししなければなりませんでした。
今日来た大学生達は21歳で、教えた通りに苗を植えることができました。最初は苗の持ち方も分からない学生もいたり、植えた苗が水に浮いてしまう学生もいましたが、教えればちゃんと修正して正しく植えることができるようになりました。田植えにも教える適正年齢があるように思います。私のこれまでの経験では、小学4年生以上の年齢でないと田植えは無理のように思います。
田植えが順調に進行して後ろ残りわずかに
最初はおっかなびっくりで時間がかりましたが、慣れれば田植えのスピードが上がってきました。それに比例して手に持った苗がすぐになくなり、補給の方に時間がかかるようになりました。通常の田植えでは、束にした苗をあらかじめ田んぼに投げ入れておきます。しかし、今年5月の天候不順で苗が十分育っていなかったため束にできず、今回は苗を手渡しで補給しました。
慣れると田植えがスムーズに 隣同士で苗を手渡し
ここの田んぼは農薬類をいっさい使用していません。このため、いろいろな動物がいます。今日はシュレーゲルアアオガエルの卵が孵化する様子を学生達に見せることができました。白いふわふわした卵塊から小さなおたまじゃくしを泳ぎだす様子を見てびっくりしていました。孵化したばかりの砂粒のように小さいおたまじゃくしを見るのは初めてのことだと思います。他にも、アメンボ、タニシ、カエルなどがたくさんいました。
田植えも終盤、少々狭く窮屈な姿勢で田植え
田植えが終わると手足に付いた泥を洗います。田んぼ近くを流れる小川に行って洗いました。東京にいると、まず自然の小川で手足を洗うことなど考えられません。手足を流れる水に浸して丁寧に洗いました。
小川に下りる道をそろそろと 小川の小さな滝壷で丁寧に
手足を洗い終わると着替えるための農作業小屋に戻りました。畦を歩いて戻る途中、さっきまで田植えしていた田んぼをとてもいい笑顔で見下ろしていました。高揚感か達成感があったのでしょうか、わいわい言いながらしばらく見つめていました。
田植えが終了した田んぼを笑顔で見下ろして
梅雨にしてはカラリと晴れた一日でよかったです。この心地よい晴天の中、やって来た大学生達は田植えを楽しんだ様子でした。現実の農業はとても楽しめるようなものではありませんが、米作りの一端を知ってもらうには良い機会だと思います。自分達が食べている一粒のお米がどのようにして生産されているのか、自然や環境との関わりを肌で感じるには大切なことだと思います。
恵泉女学園大学の先生と学生達,そして手伝いの方々
彼女達が去った後、山で囲まれた田んぼに静けさが戻ってきました。今日植えられた苗は、一週間もすれば定着します。今後は雑草が生えないようにこまめに田んぼを管理する必要があります。除草剤をいっさい使わないため、ここの田んぼは深水方式で雑草防除しています。そのために、毎日のように畦を回って水が抜けていないかどうかの見回りが欠かせません。
水面下に足跡が残る田植えしたばかりの田んぼ
昼食を食べ終わった後、次の田植えの準備をしました。今日大学生が田植えした隣の田んぼの代かきです。耕運機を動かして丁寧に代かきしました。ここも、田植え時にはにぎやかな歓声が聞こえることでしょう。
山の陰が迫る田んぼを耕運機で代かき
早朝は大雨でしたが昼には曇りになりました。今日は、瑞穂農芸高校の生徒であるDさんとKさんが田植えの準備作業にやって来ました。Dさんは一年生の時から来ており、今年で三回目になります。最初、昼食をとりながら去年のごはんCUPの裏話を楽しく聞きました。腹ごしらえが済むといよいよ作業の開始です。
今日は田植えの準備作業のうちのお米の苗作りを主にしました。初めに草がまばらに生えている田んぼを荒くクワで耕しました。朝から雨が降ったためかカエルが周りでにぎやかに鳴いていました。
クワで荒く田んぼを耕すDさんとKさん
田んぼを荒く耕すと代かきの開始です。平クワを使ってもかまいませんが、朝の雨のため昼からの作業開始で時間がありません。今回はロータリーを取り付けた耕運機で代かきをしました。最初私が全体を代かきして、彼女達にも耕運機を使った代かきを体験してもらいました。
初めての、耕運機による田んぼの代かき
今や耕運機を使っての農業は少ないようです。彼女達の話によると、農業高校ではトラクタを使うことはあっても耕運機を使うことはないそうです。昔は家畜による耕運の代わりに耕運機が使われましたが、今やトラクタが取って代わりました。
耕運機を操作するKさん 耕運機を使うDさん
耕運機を使った代かきでは、田んぼにわずかな高低差ができます。この高低差を無くすために、とんぼと呼ばれる専用のレーキを使って均します。今日は狭い田んぼで使いましたが、広い田んぼで泥土を押し出すこの作業は結構疲れます。
とんぼを使った田んぼの均し作業
代かきやとんぼの作業していると、いろいろな動物が顔を出します。おたまじゃくし、アオガエル(シュレーゲルアオガエル)、どじょう、ザリガニ、カニ、ケラ、クモなどです。今はアオガエルにとって産卵時期のためさかんに鳴いています。作業中に産卵された卵も見つけました。ふわふわした綿のような中に黄色の卵がありました。作業中にもアオガエルを何匹か見つけました。目がくりくりしたとてもかわいいカエルです。
田んぼの隅にいたケラ(モグラのような手が特徴)
田んぼの高低差を無くすと、苗代を作りました。時期的にはとても遅いのですが、ぎりぎり6月下旬から7月上旬の田植えには使えそうです。今の農家では苗は箱に種まきをして作りますが、今回は昔ながらの苗の作り方を彼女達に教えました。苗代の中心部に泥土を盛り上げるようにして均します。そして、前日から水に浸した籾を適度な間隔にばら撒きます。籾を播き終わると、左官が使うこてのようなもので軽くたたくようにしながら籾を泥中に浅く沈めます。
籾を播く場所を盛り上げる 籾を適度な間隔にばら撒き
作業が終わると、田んぼそばの小川でクワなどの農具を洗います。そして、自分の足や手についた泥を長し落とします。昨日からの大雨でとても水量が多く、農具を楽に洗うことができました。
田んぼ脇の小川で農具や足を洗う
今日の作業が終わると、ついでに麦畑に行って小麦、大麦、裸麦などの麦を見学してもらいました。小麦は見たことがあっても大麦、裸麦、二条大麦は初めて見たとのことでした。最後に、田んぼを見下ろす場所で写真をとりました。
作業した田んぼを見下ろしながら写真撮影
去年に続いて今年も別所小学校五年生が田植えをします。小雨の降りしきる中、担任の先生に田んぼに田植えの下見に来ていただきました。
田植えの下見に来ていただいた先生
今日は、子供達が持ってきた荷物の置き場所や畑に入らないなどの注意点などについてお話をしました。田植えに来る人数は5年1組36名、2組35名の計71人の予定です。それに加えて保護者が10人程度来る見込みです。
去年子供達ははバスに乗って田植えに来ましたが、今年はバス運転手が手配できないとのことでした。一昨年までのように学校から片道約3Kmを歩いて来る見込みです。6月中旬は林間学校があるとのことで、6月23日の週に田植えになる見込みです。※雨が降っていたせいか、今日はうるさいほどカエルがよく鳴いていました。
稲刈り,脱穀,唐箕,縄ないなどの体験をした大学生達から、その体験の感想文が届きました。この大学生達は6月に田植え体験をしましたが、自分達が田植えした稲を刈り取る体験するためにまた同じ田んぼにやってきました。最初、刈った稲を束ねる稲ワラ作り始めました。最後は脱穀したあとに残った稲ワラを使って「足踏み縄ない機」で縄を作りました。ほど良い天気に恵まれ、大学生達は皆楽しそうでした。
稲刈りする前に、刈った稲を束ねるための稲ワラ作り
** 彩
先日はありがとうございました。自ら体験してみて、稲刈りや脱穀を手動で行っていた時代の大変さがわかり、良い機会となりました。また今回、手動の脱穀と脱穀発動機を使った脱穀を比べてみて、改めて機械のすごさを感じることができました。昔の道具がなかなか残されていない現在にこのような貴重な体験ができ良かったです。とても楽しい時間となりました。
稲刈りしながら、刈った稲がばらけないように結束
結束した稲束を竹竿に掛けて乾燥
** 里香
小学生の頃に一度稲刈りをしたことがありましたが、脱穀の際に初めて見るような道具を何種類も使わせていただき、とてもよい経験になりました。刈った後の稲を縄にする作業もとても面白く、もっと早くに経験しておきたかったと思いました。
これからもっと様々な学生に田植えや稲刈りを体験してもらい、学習に活かしてほしいと思います。ありがとうございました。
江戸時代に使われた「千歯こぎ」という脱穀機の使い方を教える私
足踏み式脱穀機を使っての脱穀
** 麻未
先日はお忙しい中、稲刈りや脱穀をさせていただき、ありがとうございました。三種類の脱穀機を比較してみて、時代とともに進歩していく違いに驚きました。なかなか出来ない貴重な体験だったと思います。本当にありがとうございました。
脱穀して得られたお米の籾を「唐箕」で風選
昭和初期の、石油発動機を使う脱穀機も体験
** 麻友
先日は、稲刈りや脱穀、縄ないと貴重な体験をさせていただきありがとうございまし
た。田植えは小学生の頃に体験したことがあるのですが、今回行った稲刈りや脱穀、縄ないは私にとっては初めての体験でした。昔の人の知恵や工夫を感じ取ることができました。
脱穀では、江戸時代に使われていたものと現代に近づく過程のものを体験することで、時代の進歩と共に農業形態も進歩してきたことがわかりました。こうしてみると、いつも食べているお米ができるまで時間がかかっているのだなと思いました。なかなかできない体験をさせていただき、とてもよい思い出になりました。ありがとうございました。
脱穀したあとに残った稲ワラを使って「足踏み縄ない機」で縄作り
** 洪媚
田んぼの水がなくなったので、植えるときよりやりやすかった。昔から今まで3種類の収穫方法や荒縄の捻り方を勉強して、人間の知恵には驚いた。稲わらで刈り取った水稲を束ねるとき、稲わらが丈夫になるため、先に叩いて、また水で濡らす方もすごいと思った。4つの機械はどちらでも素晴らしいと思うけど、最後使った刈取機は煙がたくさん出したので、環境にはよくないと深く感じた。
水稲の収穫方法をまだ教わっていただいて、本当にありがとうございました。楽しかった上で、いろいろ感じて、よかったと思います。農民になるため勉強ではなく、人間の知恵の素晴らしさをよく感じしたので、これからも田植えの教わる事をお続きください。いろいろ教えていただいて、本当にありがとうございました
今日は別所小学校五年生の稲刈りの日です。曇り空でしたが、雨も降らずまあまあの天気でした。子供達の人数が約90名と多いため、稲刈りの指導は保護者の方にお願いすることにしました。このため、最初に保護者の方に稲刈りの方法を教えました。
一組の稲刈りスタート、自分達が田植えした稲を刈り取り
保護者の方が稲刈りを覚えてから稲刈りがスタートするまでに、時間的に少し余裕があったため、田んぼに持ち込んだ縄ない機の使い方も覚えてもらいました。稲刈りが終わったあと、子供達に縄ないの様子を保護者の方が実演してみせるためです。
二組の稲刈りスタート、稲刈りが終わると他の組の手伝い
予定では、稲刈りが終わると脱穀も子供達に体験してもらうことになっていました。しかし、昨日の雨で干していた稲が濡れてしまったためできなくなりました。毎年行っている体験が今年はできないため少しがっかりですが仕方ありません。
三組の稲刈りスタート、大学生が田植えした稲も稲刈り
去年までは稲刈りと脱穀の両方を体験したので、毎年時間が足りなくて稲刈りはあまり多くできませんでした。このため、刈り残しの稲が残ってしまいました。しかし、今年は脱穀できなくなったため、時間的余裕ができたため全ての稲を刈り取ることにしました。このため、子供達は刈り取りに専念して保護者が結束することにしました。
みんなで仲良く稲刈り 残り少なくなった稲
去年までは用意したカマでしか稲刈りできませんでした。このため、刈り取りを待たされる子供達がでましたが、今年は子供達にカマを持参してもらいました。カマがない子はハサミを持参です。
初めての稲刈りにご満悦かな、笑顔の五年生達
稲刈りは子供達の人数が多いため、思いのほか早く終わってしまいました。しかし、刈った稲を結束する役目の保護者は10人しかいないため、結束待ちの稲がだいぶ溜まっていました。このため、稲刈りが終わって手持ちぶたさの子供達は保護者の結束を手伝いました。
お母さんから稲の結束方法を教わる子供達
稲の結束方法を覚えた子供は、子供達の間でその方法を教えあいました。でも、子供達の中には、タニシやザリガニを探す子供もいたようです。この時期のザリガニは大きく成長して真っ赤に染まっています。子供達が近づくと両手を振りかざして威嚇します。
子供達の間で、稲の束ね方を互いに確認しながら教え合う
実は稲刈りした田んぼにはレンゲの種を蒔いていました。子供達や保護者、先生が稲刈りしながら歩き回っている間にレンゲの種は田んぼの土に埋まります。一週間後位には芽が出ることでしょう。
お母さんから束ね方を教授 なかなか難しいようですね
束ねた稲は脱穀する前に乾燥させなければなりません。このため、あらかじめ田んぼの隅に用意していた竹竿に干していきます。天日干しです。束ねた稲をX字型にして竹竿に次々に掛けていきます。
稲束を次々と竹竿に干していく男の子達
竹竿に掛ける時、稲束と稲束の隙間が無くなるように詰めて掛けます。二段になっている竹竿の一段目から干していきます。
一段目に稲束を掛け終わり、二段目に稲束を掛ける
稲刈りは順調に進みましたが、一箇所だけ水はけの悪い田んぼがありました。先日からの雨で水が溜まっていました。子供達の有志が数人そのぬかるんだ田んぼに入って稲刈りです。
水が溜まってぬかるむ田んぼでの稲の刈り取り
水が溜まった田んぼは、田植えの時のようにぬかるんでいます。靴で入った子供の一人は靴が抜けなくて立ち往生です。それを見て、靴を脱いで田んぼに入る子供もいました。
女の子も負けじと、水でぬかるむ田んぼに入って稲刈り開始
稲刈りが終わると、刈った稲を束ねていきます。子供達の数が約90人と多いのであっという間に結束も終わりました。でも、稲刈りが上手でない子供達が刈った稲穂が田んぼのあちらこちらに散乱していました。これらの落穂を拾います。
みんなで落穂拾いをして、散らかった稲穂を集めます
落穂広いをして集めた稲穂も結束します。多少踏まれて土で汚れた稲穂ですが、これも大切な収穫物です。これらも脱穀して精米すれば、奇麗な白米になって食べることができます。
ばらばらになった稲穂を同じ向きに並べ揃えて結束
稲刈りが終わると、保護者による縄ないの実演です。手で撚るようにして縄をなうのではなく、昭和30年代の縄ない機を動かしながらの縄ないです。保護者も初めての経験で戸惑いながらの縄ないです。子供達に見守られながら縄をなっていきました。
子供達に見守られながらの縄ない機の実演スタート、緊張の一瞬
子供達は、縄ない機のような人間自身が動かす機械はあまり見たことが無いのでしょう、最初は不思議そうに見ていました。この機械は博物館によく展示してありますが、実物を見て触れてしかも実働するところを見ることはきわめてまれです。保護者にとっても子供達にとっても貴重な体験になったのではないでしょうか。
取り巻いている子供達は、初めて見る機械に興味深深
二つの受け口から入った稲ワラは、よじられながら一箇所で合わさって縄になります。実演していただいたお母さんも、足や手を動かしながら感心していました。
三人のお母さんが息を合わせて 先生も縄ない体験
稲刈りと縄ない体験が終わるともう学校に帰らなければならない時間です。最後に残った先生と私などは、子供達が竹竿に並べて干した稲穂に網をかけました。網をかけないと、害鳥のスズメにせっかく刈り取った稲を食べられてしまいます。
子供達が干した稲穂に防鳥網をかける先生
五年一組の生徒達、きれいに稲刈りできました
五年二組の生徒達の勢ぞろい、稲刈り上手にできました
五年三組の生徒達、みんな楽しく稲刈りできました
今年も恵泉女学園大学の学生による稲刈りをしました。6月に田植えした田んぼ隣に小学生が田植えした稲を稲刈りしました。彼女達が田植えした稲を刈り取りしたがったのですが、田んぼの構成と稲刈りの順序としてやむなく今年は小学生が田植えした稲を刈り取りしました。
鎌の使い方に注意しながら稲を刈り取り
逆に、小学生達は大学生達が田植えした稲を刈り取りします。このように必ずしも田植えした稲を刈り取るわけではありません。田んぼの構成上、日付の早い順に小川方面の田んぼから稲刈りしていきます。
めいめいに稲を刈り取って結束
稲刈りを始める前に、刈り取った稲を束ねるワラを作ります。槌でワラをたたいて柔らかくして、さらに水に浸して稲の結束用のワラを作ります。次に、鎌の使い方と刈った稲束の結束方法を教えました。稲はノコギリ鎌という稲刈り専用の鎌を使います。この鎌の刃先はノコギリのような細かいギザギザが付いています。
刈り取った稲束を、結束用ワラで結束
最初は慣れない手つきで結束 次第に上手になった結束
刈り取った稲をワラで結束すると、次に竹竿に掛けて乾燥しなければなりません(はさ掛け)。干すときは、稲束を二又に分けて又の部分を竿に掛けます。二段にした竹竿の下段から稲を掛けていきます。下段がいっぱいになると上段に掛けていきます。
刈り取った稲を次々に竹竿に掛けて乾燥
最初は下段の竹竿に稲を掛ける 下段が掛け終わると上段に掛ける
時間の関係で1時間ほどで稲刈りとはさ掛けを終了しました。刈った稲は青々してみずみずしい稲の香りが漂います。充実している穂は重く垂れ下がります。約一週間ほどで乾燥が終了します。しかしながら、一週間は待てないため、今日彼女達が脱穀するのは14日に高校生が稲刈りして干した稲です。一方彼女たちが今日稲刈りして干した稲は小学生達が脱穀に使います。このように、稲は高校生,大学生,小学生の間で受け渡されるようにして使われます。
稲刈りとはさ掛けが終わると、今度は脱穀をします。最初100年以上昔の江戸時代に作られた「千歯こぎ」という脱穀機を使っての稲の脱穀です。始めに、その千歯こぎを組み立ててもらいました。彼女達はパズルを解くように組み立てを楽しみました。
千歯こぎの組み立てに挑戦、まるでパズル解き
一度は組み立て失敗 だんだん完成に
千歯こぎの組み立てが完成すると、早速脱穀の開始です。さっき稲刈りした稲はまだ乾燥していないため、今日大学生が脱穀するのは先日高校生達が稲刈りして干した稲です。稲は程よく乾燥していました。櫛のような歯に稲穂を通すと、稲穂から外れた籾がパラパラと音を立てて下に落ちます。とても面倒くさい脱穀方法ですが100年ほど前は画期的な脱穀方法だったそうです。確かに穂を一本一本から籾を取ることに比べれば当時は画期的に効率的だったのでしょうね。
千歯こぎの櫛の歯に稲穂を通すと、パラパラと籾が取れて落下
交代して千歯こぎで脱穀 稲束を一度に通すと束がバラバラに
次に明治時代には考案された足踏みの脱穀機を使いました。これまた、当時は画期的な脱穀機でした。勢いよく回転する歯に稲穂を当てると、面白いように奇麗に脱穀できます。
しかし、最初うまく足踏みしないと歯が逆回転してしまいます。そして、稲穂を歯に当てると回転力が弱まるため、そのつど足を強く押さなければなりません。しかし、彼女達はすぐに要領を覚えました。そして、楽しそうに笑顔をまじえながら脱穀作業をしました。
回転する歯に戸惑いながらも、すぐに脱穀の要領を会得
この足踏み脱穀機は子供達にも人気があります。そのリズミカルな動作が体に心地よいのではないかと思います。回転歯が回る音や歯車が回る音も、とてもリズミカルで心地よい響きです。この脱穀機を毎日のように使った昔はとても心地よいはずはなかったのでしょうが、現代人には何か訴えるものがあるようです。
手に持った稲束を回転歯に当てながらリズミカルに足踏み
この脱穀機はダイエットになるかも 稲束を裏表と回しながら脱穀
千歯こぎや足踏み脱穀機を脱穀すると落ちた籾を拾い集めます。そして、網を通して大きなワラくずを取り除きます。籾を通してワラくずを通さないように、約1cmX1cmほどの網の目になっています。
ワラくずが混じっている籾を網で選り分け
網でワラくずを取り除いた籾ですが、まで細かいワラくずが混じっています。この細かいワラくずを取り除くのが唐箕です。この農具が発明される前は、自然の風や手で扇ぐ箕を使ってゴミを取り除いていました。私の祖母はよく川の土手に行って、箕に入れた大豆を上から落として自然の風でゴミを取り除いていました。この唐箕は手でファンを回して人工的に風を起こして、籾や豆などをゴミを取り除く農具です。風がない時や屋内でも使えるためとても重宝します。「唐」と書くので、古代中国の唐から伝わったのでしょうか。
手回しで風をおこしながら籾を落とす、最初は四苦八苦
最初、要領が分からず苦心 原理が分かると使い方は簡単
これまでは人力で脱穀しましたが、次は動力を使った脱穀をしました。昭和20年代の古い石油発動機を動かして、ベルトをつなげて脱穀機を動かします。足踏み脱穀機と違ってあっと言うまに脱穀が完了します。また、ワラくずも奇麗に選別され、さらに米袋に籾が自動的に入ります。今のコンバインに比べれは非効率かも知れませんが、当時は画期的に効率的な農具だったのです。
発動機を回して、その回転をベルトを通して脱穀機を作動
この発動機を使う脱穀では、手や足を動かすことがないのでとても楽です。少々音がうるさいのを我慢すれば楽しく早く脱穀することができます。ただし、これ以降の脱穀機などの農機具開発には、石油やガソリンを使ったエンジンが不可欠になります。つまり農作業はより効率的になりますが、高価格の農機具が必要になりそれを動かす石油やガソリンも必要になりました。
石油発動機の音を聞きながらの脱穀作業
籾は自動的に米袋に入る 稲束が吸い込まれないように
あっというまに脱穀完了 籾が取れて奇麗なワラ束に
現代では脱穀したあとの稲ワラは使い道がありません。しか、昔は縄にしたり,わらじにしたり,むしろにしたりと、有用な使い道がいくらでもありました。中でも一番使われたのが縄ではないでしょうか。今でも縄は農業資材として売られています。しかし、今では縄などに利用される稲ワラは極わずかです。ほとんどの稲ワラは、捨てられるか田んぼに切りワラとして散布されておしまいです。
今回彼女達に、昔よく夜なべしながら作られた縄ない機(「縄撚り機」とも言う)を体験してもらいました。昔、私の祖母は夜になるとこの機械でよく縄をなっていました。なった縄を売れば、ちょっとしたお小遣いになったのでしょう。
本当は一人で操作しますが、彼女達には3人で操作
リズミカルに足を交互に踏みながら縄ない機を動かします。二口の受け口からそれぞれにワラの茎を入れると、受け口が交差するところで撚られて縄になります。この機械の難しいところは、足踏みしながら二つの受け口にそれぞれ絶え間なくワラを入れ続けるところです。
最初、私が一人で縄をなって見せました。彼女たちは何の農機具か最初分からなかったようですが、縄が撚られるところを感心したように見ていました。一人では扱いが難しいため彼女達には、足踏みの係り、右の受け口にワラを入れる係り、そして左の受け口にワラを入れる係りの三人で動かしてもらいました。まず、足踏みの要領が分からず困ったようでしたが、すぐに覚えて楽しく縄をなうことができました。
足踏み係り、右ワラ挿入係り、左ワラ挿入係りの3人で操作
要領が分かると楽しい操作 リズミカルな縄ない作業
彼女達は今後、自分達が田植えして稲を刈ることはもうないでしょう。むしろ、十年後位に自分が生み育てる子供が稲刈り体験する時に、懐かしく今日のことを思い出すのではないかと思います。
今回の体験を通じて、自分達の命をささえる大切な食料がどのようにして作られているのか,食料を生産する自然やそれに関わる生き物の貴重さ、そして、未来をになう子供達のかけがえのない教育の場として里山の大切さを知ってもらえたらと思います。
今回稲刈りなどを体験した、留学生を含む大学生と先生
台風が過ぎた直後で雲行きが怪しいため、予定通り小学生達が田んぼの草取りできるか心配でした。早朝、少雨でしたが天気が悪くても草取りを実施すると小学校から電話が入りました。
子供達が到着するころには雨もあがり霧雨となりました。5年生3クラスの生徒,先生,保護者を合わせて総勢約100人で田んぼに来て草取りをしました。最初に2組と3組が列になってやってきました。簡単に挨拶をしたのち、自分達が田植えしたそれぞれのクラスの田んぼに入って草取りを始めました。続いて1組が遅れてやってきました。3クラスが同時に草取りをしたことは初めてのことです。とてもにぎやかで、田んぼを囲む山に子供達の歓声が響きました。
最初2組の生徒達を誘導、畦を一列になって田んぼに向かう
2組の次に、3組が畦を伝って自分達が田植えした田んぼに向かいました。時折雨がぱらつく霧雨の中をカッパをきて草取り開始です。田んぼに入ることは初めてではありませんが、水が満ちた田んぼにためらいがちに足を入れます。田植えの時は雨が少なく田んぼには水が少なかったのですが、今日は先日の台風で水がなみなみと満ちていました。
ためらいがちに田んぼに入る3組の生徒達
田んぼに入る前に田んぼの草取りの方法を教えました。雑草といっても多くは水草(今年はコナギという雑草が繁茂)ですので、畑や庭の雑草のように引き抜く必要はありません。水面下に生えている雑草を、泥と一緒にかき混ぜるようにして根ごと水面に浮かせます。根ごと浮いた雑草は枯死します。また浮かせないで足を使って泥の中に押し込む方法も教えました。
稲の株間を歩きながら雑草を取っている子供達
肌寒い天気のため、子供達は元気がないのではないかと思っていました。しかし、思った以上に元気に田んぼ内を歩き回っていました。そして、草取りと平行して自分達の楽しみを見つけたようです。稲に住むクモを見つけたり、水中を泳ぐおたまじゃくし,タニシなどを見て喜んでいました。また、素足の歩く田んぼの泥の感触を楽しんでいるようでした。白い沢ガ二(アルビノ?)が田んぼの中を走っていましたが、子供達に踏みつぶされないようにあらかじめ捕まえて田んぼ脇の小川に放しました。
草取りも終盤に入り仲良し組みで田んぼ内を散策
私が子供の頃、田んぼや川では男子が主にはしゃいで女子はおしとやかでした。しかし、今の子供達は男子も女子も同じようににぎやかのようです。むしろ、女子の歓声のほうが耳に残るほど響きます。
みんな楽しそうに草取り。草取りというより田んぼ遊びかな。
草取りを始める前、田んぼの水は透き通っていて水の底が見えていました。しかし、子供達が入るととあっという間に濁ってしまいました。濁ると水面下に生える雑草が見えなくなるので、子供達は探すのに一苦労。水面上に出た大きい雑草だけしか取れなくなります。
草取りはちゃんとできたかな 田んぼの泥に慣れたかな
草取りも終盤に入ると、田んぼ全体がすっかり濁ってしまいます。水面下の雑草を見つけることが難しくなります。しかし、子供達が大勢で田んぼを練り歩くだけで雑草を踏み荒らすことになり、結果としてそれが除草になります。
終盤、濁った田んぼ内を練り歩く3組の子供達
森に近い田んぼでは2組の生徒達が草取りです。ここの田んぼは水深がやや深いので草取りはやや困難です。手をぐっと水面下に入れないと、泥中の雑草に手が届きません。しかし、水深がやや深いメリットとして雑草はあまり生えないことです。
草取りを始めた2組、水深がやや深く草取りしずらかったかな
先日の台風で大量の雨水が田んぼに流れ込んでいたので、稲にはちょうどいい水深になっています。水深が常に10cm以上あると雑草は生えにくくなります。2組の田んぼは田植え時に水深が浅かったので少し雑草が生えてしまいました。しかし、この水深が続くならばこれからはあまり雑草は増えないと思います。
水深がやや深いので、歩きづらい田んぼ
終盤に近づいた2組の草取り、草は取れたかな
1組は他のクラスより遅れて田んぼに到着しました。挨拶も早々に草取り開始です。持ってきた荷物をブルーシートに包んでサンダル履きになりました。田んぼの畦を通りますが、他のクラスが何人も通ったため滑りやすくなっています。平均台の上を歩くような要領で恐る恐る畦を歩いて田植えした田んぼに向かいました。
増水で水没した畦を恐る恐る歩く みんなの列に並んで一安心
他のクラスと同様に最初草取りの要領を教えました。ここの田んぼは日当たりが良い代わりにたくさんの雑草が生えています。特に多いのでコナギという水草の雑草です。この雑草は大きく育つとホテイアオイに似ていて、可憐な紫の花を咲かせます。しかし、田んぼの二大雑草のひとつです(もう一つの雑草はヒエ)。大きくなると猛烈に育ち稲の栄養を吸い取ります。稲が大きくなる前に除草しないと、お米の収穫が見込めません。
みんな一列に並んで、自分達が田植えした田んぼの草取り開始
畑や庭の雑草は引き抜いて除草しますが、田んぼでは草を根ごと水面上に浮かせて除草します。浮いた雑草は枯死して田んぼの栄養になります。雑草は無数に生えていますし濁って見えなくなると一本一本抜いていられません。手で稲の株元を泥ごとかき混ぜるようにして雑草を根ごと水面に浮かせます。浮いた雑草を見ると、緑の葉と同じぐらいの長さの真っ白なひげ根が付いています。
背をかがめるような姿勢で稲の株元の泥をかきまぜて除草
昔田んぼの作業の中でも草取りは一番の重労働でした。暑い夏、汗をしたたらせながら背をエビのように曲げての労働はとても辛いものです。広いすべての面の田んぼを残らず草取りするには朝から晩までの長時間労働です。8月に入って稲が成長すると、伸びて尖った葉の先が目に刺さるようになります。
昔は背をかがめながら歩いていたお年寄りが多くいました。背が曲がった理由の一つに朝夕の辛い草取りがありました。私の祖母も曲がった背をしていました。今日草取りをした子供達には辛い作業には思えず楽しかったかも知れません。しかし、朝から晩まで、灼熱の日も雨の日も毎日続く作業だと知ったらどう思うでしょうか。
みんな並んで仲良く草取り 疲れたかな?棒で体を支えて草取り
1組の田んぼは雑草が比較的多く生えていました。このため、草取りをすると草が根ごと浮きあがってくるのが良くわかります。このためか、他のクラスよりも草取りが上手にできました。両手をしっかり水の中に入れて、稲の株元を泥ごとかき混ぜるようにして上手に草取りをしていました。
両手をしっかり水に沈めて、草取りがとても上手にできました
1組の田んぼもそろそろ草取り完了です。最初は丁寧に背をかがめて草取りしていましたが、田んぼが濁って雑草が見えなくなると稲の株元を歩きながらの除草です。子供が大勢で歩き回ると、雑草は踏まれたり泥中に押し込まれてそれが除草になります。
背をかがめたり練り歩いたりして草取り、そろそろ草取りも終盤
どのクラスも、次の授業に間に合うように一時間ほどで草取りは終了です。近くにはシャワーや水道のようなものはありません。泥で汚れた足やひざなどを綺麗に洗うため、草取りが終わると森沿いに流れる小川に向かいます。
畦を一列になって、森沿いを流れる小川に向かう
小川は先日の台風で水量が豊富です。流れる落ちる豊富な水で、足やひざに付いた泥はあっという間に洗い落とせました。子供達は遊びの達人です。足を洗い終わると、さっそく小川でキャーキャーと水遊びです。
小さな滝になっている小川を登り降り
小さな斜面の滝は子供達のお気に入りです。今日は水量が多いため、1m以上の幅の水が滝のように流れ落ちていました。水が流れる落ちる広幅のすべり台です。男の子も女の子も、水が流れる落ちるすべり台をウォータースライダーです。お尻がぬれてもへっちゃらです。
男の子も女の子も、お尻を濡らして楽しくウォータースライダー
草取りが終わって子供達を田んぼから送り出すと、いつもの静かさが田んぼに戻ってきました。草取りを終えた子供達は、帰ってから今日のことを生き生きと家族に伝えたことだと思います。
何十年後の未来の子供達にも、今日来た子供達と同じ体験や遊びができる場所が残っているといいなと思いました。
午前8時半に田んぼ行って田植えの準備をしました。準備と言っても18日の小学生の田植えの時に既に準備していたので、田植えの基準線を設定するぐらいだけでしたので短時間で済みました。あとは耕運機のエンジンの調子を見たり田んぼの水が減っていないか見回りをしました。そのうち、午前9時半頃に恵泉女学園大学の3年生6人と先生が田植えにやって来ました。
最初小屋で着替えをしてもらってさっそく田植えを体験してもらいました。まず、素足で田んぼ内に入ります。田んぼに入るのが初めての子は、足が汚れないか虫が飛んでこないか気にしているようでした。
田んぼに素足で。泥の感触は最初ちょっと気味悪いけど新鮮かな!
田植えをした田んぼは先日小学生達が田植えした隣です。去年に比べてやや狭い田んぼですので、今年は丁寧に教えました。最初、苗の持ち方や植え方,後ずさりのタイミングなどを説明してから田植えの開始です。
いよいよ田植えの開始です。最初は戸惑い気味に苗を移植
彼女達が苗を植えている間お米についていくつか教えました。植えたお米の品種がキヌヒカリであること。食卓のブランドになっているコシヒカリが背高で倒れやすく作ることが難しく、逆にキヌヒカリが背が低く作りやすいこと。コシヒカリの「コシ」が新潟地方の古代名「越」から来ていること。なぜお米は麦に比べて水田で作れるのか、植物としての特性などを説明しました。
しばらく田植えしていると、上手く早くできるようになりました。
田んぼには、おたまじゃくしがたくさんいました。お米の話のほかに田んぼの生き物の話もしました。どじょう、あめんぼ、クモ、ザリガニ、ホタルなどの話もしました。以前はカメや貝がいたことなども話しました。
手持ちの苗が無くなると手渡しで 両端の学生は田植え紐を移動
半分田植えが済むと、場所をずらして再び田植えをしました。ここの田んぼは耕地整理していないので形が三角形です。このため田植えが終盤にはいると田植え紐が張りづらくなります。それでも和気藹々楽しく田植えを続けました。
濁っている箇所は今日の田植え、澄んでいる箇所は小学生が田植え
田植え終盤は田んぼが狭くなるので、田植え紐も張りづらく、同時に苗も移植しずらくなります。でも要領が分かれば手早く田植えが進みます。
終盤に入って狭くなった田んぼで田植えが進行中
現代の日本の農家では田植え機で効率的に苗を植えます。さらにアメリカでは苗を植えることなく飛行機で直接お米の種を田んぼに蒔くとか。しかし、ここの田んぼは古代とほとんど同じ方法で苗を植えます。すべて人の力で田植えをします。苗の間隔は100年前と同じやり方である一尺正方植えです。
畦のきわまで苗を植える 最後の一株を移植
田植えが終わると小川で足を洗う 足を洗い終わって
今日来た学生の中には海外からの留学生の方もいました。彼女達と同い年の息子が通う大学にもトルコ,アメリカ,中国などから留学生が来ています。学生生活がワールドワイドになることはとても良いことだと思います。
学生達には人と自然が共生する今回のような里山農業をどう感じたでしょうか。自然からいただく食べ物の大切さを知る大人に、将来的には自然や環境の大切さを次代に伝える母親になって欲しいと思いました。
今日田植えに来た学生達と先生、お疲れさまでした。
大学生達を送った後に仕事場である病院に向かいました。田植えの疲れが残っていたのか、深夜勤務は体にきつかったです。
今日は、別所小学校5年生の田植えの日です。9時からの田植え予定だったので、30分前に田んぼに行きました。そして、昨夜作った田植え用の紐を田んぼにセットして子供達を待ちました。9時を過ぎる頃に遠くから歩いて来る子供達のザワザワする声が聞こえました。最初は2クラス同時に来たので、挨拶も早々に田植えを始めました。全員一度に田植えするには狭い田んぼなので、クラスを半分に分けて交代で田植えしました。
田植えを始めるためには、まず田んぼの泥土に素足を入れなければなりません。ほとんどの子が初めての田んぼ体験です。キャーキャー言いながら甲高い声を上げてためらいがちに田んぼの中に入りました。
キャーキャーと甲高い声をあげながら田んぼに裸足で入る子供達
田植えする前に、今日協力していただく保護者の方から稲の苗を一人一人に渡してもらいました。片手で一つかみの苗です。子供達のだれもが、稲の苗を持ったことは初めてのことではないかと思います。
お母さんから一人一人の子供達に苗が渡される
苗を渡すと田植えをするための紐の前に並んで立たせました。そして、苗の持ち方,植え方,植える場所などについて教えました。ほとんどの子供が不思議そうな顔をしながらもまじめに聞いていました。
苗の持ち方,植え方などについて話を聞く子供達
田植えの方法をひととおり教えると、さあ田植えの始まりです。田植え紐を張ったり,苗植えの見守り,植えた後の行動,苗の過不足供給などはお母さん達に指導をお願いしました。私はもっぱら全体の進行を見守ることにしました。そして、上手に苗を植えることができない子供がいればマンツーマンで直接教えることに徹しました。
さあ1組の田植え開始 最初は手つきもおっかなびっくり
最初はどの子供達も苗の植え方がよく分からなくて、植えた苗が傾いたり,根が露出したり,苗が浮いたりしました。でも終盤に入ると早く上手にできるようになりました。子供達は覚えるのがとても早いものです。
1組の田植えも終盤です。とても上手に田植えできました。
2組はやや水が深い田んぼ 楽しくワイワイ田植え中
2組の田んぼは山に迫る田んぼです。後ろの森を背に田植え
3組は最初男子が田植え 次に女子と交代して田植え
みんな仲良く綺麗に苗を植えることができました。苗の成長が楽しみです。
3面の田んぼは隣どうしですが、どういうわけか少しずつ違いがあります。水深,日当たり,水温などが微妙に違います。ちなみに、手前の3組が田植えした田んぼは小川から直接水を入れているためやや水温が低いです。山に接する2組の田んぼは午後から日陰になるので日当たりが良くありません。しかし、雑草が一番生えません。左の1組の田んぼは水温も高く、日当たりも一番良い田んぼです。でも一番雑草が多く生えます。これら三つの田んぼの条件の違いが、お米の成長に、また害虫の住み分けなどにも微妙な影響があります。日当たりが良く水温が高い1組の田んぼが一番収穫量が多くないのが不思議です。
反時計回りに、右から3組の田んぼ,2組の田んぼ,1組の田んぼ
田植えが終わると、子供達は生き生きと泥遊びなどの開始です。泥ダンゴを作ったり、小川で小動物を見つけたりと大忙しです。テレビゲームのような仮想の遊びではなく、体で感じる生の遊びは子供達を捉えて離さないようです。子供達の生き生きした瞳は本物です。
大きな泥ダンゴを作っておおはしゃぎの子供達
学校に帰る時間になると、田んぼ脇を流れる小川で泥にまみれた体を洗います。狭い小川は子供達のかっこうの遊び場です。石をひっくり返したり水のなかに手を入れてカニや虫を探したり、都会の子供には新鮮な遊びです。
流れ落ちる水で足を洗う 石をひっくり返しカニ探し
滑り台のような形状の小川で、全身びしょ濡れになってウォータースライダー遊びです。滑って怪我をしないか、大人たちは少しハラハラしながら見守りました。
女の子もいっしょなって楽しい水遊び
小川で足を綺麗に洗い、いよいよ学校に戻ります。来たときよりも、子供達の目が輝いて生き生きしているような気がしました。今日の経験は、きっと大人になっても覚えていることだろうと思います。将来、自然や環境を大切にする大人になって欲しいと思いました。
5年1組の子供達
5年2組の子供達
5年3組の子供達
とても良い天気の中、瑞穂農芸高校の生徒二人と田植えなどの作業をしました。最初、育苗していた箱苗を隣の田んぼへ一時的に移動しました。今までは鳥などに食べられないように箱苗に網をかけていましたが、網を取っての移動です。箱苗で育苗した苗は、緑のじゅうたんのように成長していました。
箱苗を覆う防鳥用の網を取って移動
続いてトンボと呼ばれるレーキで、昨日耕運機で代かきした田んぼを平らに均します。田んぼは微妙に高低差があります。高いところは水面から土が出ています。低いところは水面下になっています。高いところの土をトンボをつかって、低いところ押し出すようにして移動します。腰を低くして力強く押すため結構疲れます。しばらく作業していると汗が出てきます。高低差が無くなると、田んぼ全体が水面で薄く覆われるようになります。
高い所の土を低い所へ押し出す 均すと田んぼ全体が水面で被覆
代かきが終了するといよいよ田植えです。最初、田んぼ内側の長辺一列に苗を30cm間隔で移植します。そして、その長辺に直角になるような列に苗を30cm間隔で次々に植えていきます。このようにして苗を植えていくと、田んぼ全体に苗が30cmX30cm間隔で均等に移植されます。
田んぼの長辺に直角になるように苗を次々と移植
田植えが終わると休憩を含めて昼食です。組み立て式のテーブルを田んぼ脇の木陰に置きました。木陰にそよぐ風の気持ち良いこと。歓談しながらの楽しいひと時です。近くで里山農業クラブの方達がバーベキューをしていて、その団体の知っている方からたこ焼き,天ぷら,ソバを差し入れていただきました。箸がなかったので近くに生えていた笹を切って代用しました。高校生にはたこ焼きが一番美味しかったようで全部食べました。残ったソバと天ぷらは、私が家に持ち帰り夕食にしました。
差し入れのたこ焼き,ソバ,天ぷらを食べる。箸は笹で代用
休憩が終わると彼女達に18日の小学生達の田植えの準備を手伝ってもらいました。田んぼ3面それぞれに、目印となる苗を3列植えました。このころになると、直射日光で田んぼの水がほかほかに温められていました。
小学生の田植え準備 目印用の苗を30cm間隔で移植
小学生の田植え準備が終わると今日の田植えは終了です。田植えした田んぼの真ん中の畦を通って、近くの小川に足を洗いに行きます。きれいに代かきされて水面が光る田んぼや田植えした田んぼを上から見下ろすととてもきれいです。
足を洗うため田んぼの真ん中を通って小川に向かう
今日の田植えや代かきなどの体験、ご苦労様でした。足を洗って着替えると元の高校生姿に戻ります。全国的に田植えをしたり代かきなどを体験する高校生はまれだと思います。とくに、機械化されていない田んぼで、昔ながらの手作りでお米を作る体験をする高校生はきわめて珍しいと思います。
高校生姿に戻った彼女達、どんな大人になるか期待十分
高校生が田植えをしている間、ある農家から耕運機をいただきました。納屋に数年間使われないまま保管されていた耕運機です。今後使わないとのことでいただくことになりました。ほこりをかぶりとても古い型式の耕運機ですが、エンジンは快調に動きます。暇な時間にどのように使えるか調査しつつ調整しようと思っています。
いただいたふるい型式の耕運機
26日瑞穂農芸高校の女子生徒3人が田んぼの畦塗りの体験にやってきました。最初に、昔ながらのお米作りの紹介をしました。山から流れてくる水の管理方法や、苗代、手植えによる田植えなどについて話をしました。畦の役割なども講義しました。そして、田んぼに出没するカエル、昆虫や小鳥などの小動物と、自然との関わりなども教えました。
一通りの講義を終了すると、素足になって畦塗りを実践します。畦をきれいに塗るためには、最初は土手を築くように湿った土を平らに盛ります。昨日大雨だったせいか適度に田んぼの土が湿っています。
クワを使って田んぼの土を平らに盛る
畦を塗るには平クワを使いますが、平クワにはいろいろな種類があります。平クワの違いを知ってもらうため3種類の平クワと、三本クワを交互に使ってもらいました。土を盛ると今度は、小川を堰き止めて水を田んぼ引き込みます。引き込んだ水と土とをクワで混ぜて、やわらかい漆くい状の土を作ります。平らに盛った土の上にその土をたたきつけます。そして平クワでなでるように伸ばします。
水でこねた土をきれいに塗っていく
畦塗りをしていると汗ばんできます。途中休憩をとって昼食をとりました。今日は日差しが強いため、田んぼ脇の大木の木陰に置いたピクニックテーブルで休憩です。休憩をとりながら彼女達と楽しく談笑しました。二人は畜産科で担当動物は羊と鶏です。もう一人は園芸科です。将来の夢は、自然の中で羊を飼ったり地鶏を飼うことだそうです。
将来が楽しみな、満面笑みの女子高生達
午後からは私が仕事のため居なくなります。ある程度畦の形ができたところで、今日の作業は終了です。上から畦を見下ろすと、少し曲がったり塗り方が足りないところが目立ちます。6月に仕上げ塗りをするので今日はこの辺で良しとしました。
少し曲がり塗り不足の畦、来月仕上げ塗り予定
四月にも関わらず寒空の毎日で、なかなか田んぼの作業が始められません。今日、別所小学校から今年も米作り体験の依頼を受けました。学校から歩いて往復していては実質の田植え時間が少なくなるので、今年は学校からバスをチャーターして来るとのことです。今年の苗は、箱苗を主に苗代を従で作ります。
小学生たちがお米作り体験をする予定の田んぼ
別所小学校からのお米作り体験依頼のメール
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一昨年度も受け持ちの子どもたちがお世話になりました。また、昨年も大変お世話になりました。 ことしも田んぼをお借りできますでしょうか。いつも頼りっぱなしで、田んぼのお世話をお手伝いもせず、申し訳ないばかりなのですが。
今年は、バスを借りて田んぼに行くことができるようになりました。田んぼでの滞在時間を少しでも長く、回数も増やしたいと思いそのように考えています。もし、またご指導頂けましたら、日程をうかがいたく、ご連絡いたしました。バスを利用するので、 これまでよりすこし多くそちらへうかがうことができます。
高橋さんのいらっしゃらないときも、田んぼの様子を見に行くことがあると思います。もしお願いできましたら、田植の時期を教えていただけますか。バスの予約を入れたいと思います。なにとぞよろしくお願いします。
去年の6月、別所小学校5年生の3クラスにお米作りを教えました。その小学生達が今日、暑い梅雨時に田植えし,秋晴れの下で稲刈りし,そして収穫したお米でおはぎを作りました。うるち米ともち米をブレンドして昨夜から水に浸しました。今日はその水で浸したお米を蒸すか炊いてからおはぎにしました。
蒸し終わったお米を、こね棒でこねてお団子状に
自分達とが作ったお米で料理をします。初めてのおはぎ作りはとても楽しそうです。手助けにきたお母さんに見守られながらの調理です。
お米を丸くまとめ団子状に みんな楽しくワイワイと
もち米をブレンドしたので手でまとめようとしてもくっついて四苦八苦。子供達それぞれの大きさの団子になりました。その団子に、各家から持参した、こしあん、粒あん、黄な粉、ゴマなどをからめます。地方によっては「ぼちもち」と言いますが、どっちが正しいのでしょうね。
みんなで仲良く作った美味しそうな黄な粉おはぎ
私は子供のころ祖母がよく作ってくれました。このため、おはぎと言うと祖母が作ってくれたご馳走のイメージがあります。最近はスーパーやコンビニで手軽に買うことができますが手をかけて作った手作りおはぎが一番美味しいですね。
めいめいあんをからめます それぞれ違った大きさのおはぎ
おはぎを作るとみんなで自慢しあいながら、また作ったおはぎを交換しながら食べ比べします。子供達も自分達がつくったお米での調理はとても楽しかったと思います。作ったおはぎは家に持つ帰るとのこと、家族の間で食べてもらうようですが評価はどうだったのでしょうか。私も子供達が作ったおはぎを食べさせてもらいました、形は不ぞろいでしたが子供達の手作りおはぎはとても美味しかったです。
昔は小豆を蒸してつぶしてあんを作りましたが、今は買うことができます。いつか小豆も作ってあんを作り、おはぎ作りに挑戦してみたいと思います。
自分達が作ったお米で調理した「おはぎ」、最高に美味しかったね!!
あいにくの曇り空でしたが、瑞穂農芸高校の学生達と稲刈り、脱穀、もみすり、そして芋ほりをしました。本当は11月11日の予定でしたが、当日が雨だったため今日に延期したものです。この延期した2週間の間にすっかり寒くなり、紅葉した山を眺めがら稲刈りを始めました。
彼女達は6月に田植えに来たことがあるため、和気あいあいと楽しく話しながら作業を始めました。最初は稲刈りです。彼女達が田植えした稲は先月に小学生達が刈り取ったため、今日は大学生が田植えした古代米(赤米)を稲刈りしました。
古代米は背が高くて倒れたため、稲を起こしながらの稲刈り
刈り取った稲は束にして稲ワラで縛ります。彼女達は稲刈りや刈った稲を束ねることは初体験だったため、最初稲刈りや束ね方や縛り方の講習をしました。縛り方が一般の結び方とは異なるため、最初は戸惑ったようです。しかし、小学生と違って飲み込みがとても早く、2,3度の試行錯誤で覚えてくれました
稲ワラで刈った稲を縛る 稲束を絞めるように縛る
古代米はとても背が高いため茎が重く、普通の稲よりやや重くなります。このため稲の結束にはやや力が必要です。稲ワラを持って縛ったまま、稲束の方を回すようにしながら絞めてきつく縛ります。そして、回してできた稲ワラのこぶを、縛った稲ワラの内側に回すようにして稲束を硬く留めます。このようにすれば、簡単に稲束を結束できます。
稲束を回すようにしながら絞めて縛る
稲刈りが終わると脱穀の開始です。今日刈り取った稲はまだ乾燥していないため、脱穀できません。先日刈り取って干しておいた、ため池の田んぼの稲を脱穀しました。干した稲をよく見るとスズメがだいぶ食べたようで、地面には食べたあとに散らかした籾殻が散乱していました。やれやれ、スズメの食べ残しを脱穀するようです(笑)。しかし、彼女達はこの初体験の脱穀をとても楽しんでいました。
干した稲を脱穀機に運ぶ 干した稲束を脱穀
彼女達は交互に脱穀しました。私も加わって脱穀しましたが、脱穀機にごみが詰まらないように監視したり、エンジンの調子をみることに徹しました。紅葉した山に高らかに響くエンジンや脱穀の音を聞きながら、もくもくと作業しました。
交互に稲束を運びながら稲を脱穀
古い発動機も快調に回転 時々右のレバーを引いてゴミを取る
脱穀も終盤に入ると、脱穀を終わった稲が山のように積み重なる
脱穀が終わると午後1時頃でした。さっそく、弁当を開いて昼食です。曇り空のため休むと体が冷えてくるため、コンロでお湯を沸かして紅茶やコーヒーの飲んで体を温めます。食べながら高校生活や日常生活の話題で楽しくお話をしました。
農芸高校の畜産科では男子が5人しかいないとのことでした。昔は逆で、男子が多かったとの話を聞いたので今と昔の違いに驚きました。また教わる動物も昔は、牛や豚が中心だったそうですが、今は犬やサルなどのペット類も教えているそうです。例えばトリマーを勉強する犬は人気があるとのこと。そういえば、去年農芸高校を訪れた時にたくさんの犬がワンワンとにぎやかに吠えていました。
今日来た二人の女子高校生は、まだ1年生のため来年担当の動物が決まるとのこと。羊と豚を希望しているそうです。
近くの鈴木牧場を訪れる、牧場主は彼女達の大先輩
昼食を済ますと脱穀したお米(籾)を籾摺りします。籾摺りとは、籾がついたお米の殻を取って玄米にする作業です。籾摺り機は近くの鈴木牧場にあるため、脱穀したお米を一輪車で鈴木牧場まで運びました。
鈴木牧場に着くと、彼女達の通う高校の大先輩である牧場主に会いました。いろいろと高校の昔話や酪農組合などのお話を伺いました。ついでに牧場内を見学しましたが、その時に生まれたばかりの可愛い子牛が一頭いました。彼女達は顔をほころばせてさかんに撫でていました。
牛舎を見学すると籾摺りです。籾摺機を出して、玄米を入れる袋をセットして籾摺り開始です。彼女達は初めての籾摺りに興味津々のようで、玄米が出来る様子をじっと眺めていました。
玄米ができる工程を始めて経験
籾が籾摺機に入る箇所 籾摺りされ、玄米が袋に排出
籾摺りが終わると玄米ができますが、このままでは食べられません。この玄米を精白して、やっと食べられる白米になります。残念ながら玄米を精白する精米機が故障していたため、今日は精白はできませんでした。コイン精米機を使って精白するか、健康食の玄米ご飯にして食べるしかありません。彼女達にはこの玄米を持って帰ってもらうことにしました。
籾摺りが終わる頃には、だいぶ日が傾いていました。帰る前に、ジャガイモ堀りして持って帰ってもらうことにしました。赤、紫、白の三色のジャガイモです。
掘り取ったジャガイモを袋に詰める
彼女達は、農作業にとても興味を持っているようで「来年も来てみたい」とのことでした。なぜだかよく分かりませんが、農業に興味を持つ若者には女性の方が多いようです。
農業は金儲けのできる仕事ではありません。しかし、環境と共存し、生きる糧の食べ物を生産するとても大切な仕事だと思っています。少しでも農業に興味を持ってくれる若者が増えて欲しいと思っています。
夕暮れで薄暗くなった田んぼ前で写真をパチリ
先月恵泉女学園生のゼミとして稲刈りや脱穀などをしましたが、その生徒達からその感想のメールが届きました。彼女達にとって稲刈りや脱穀は初体験でした。どんな気持ちで田植えや稲刈りをしたのか興味を持っていました。次に彼女達の感想を紹介します。
コシヒカリの稲刈り、雑草が生えていたので刈りにくい
(**可奈子)
先日はお世話になりました。今回は初めての稲刈りと脱穀に挑戦できて、本当に楽しかったです!稲刈りをしているときカマでザクッと切る感触がとても心地好くて、束ねる作業も慣れるとどうやればしっかり束ねられて綺麗に仕上がるかなど考える余裕まで出てきました。
脱穀の作業では、千歯こぎがどれだけ大変な物かわかりました!脱穀機はリズミカルで早く仕上がる、せばこぎはゆっくり丁寧に仕上がるという違いに面白さを感じました。昔のやり方、今のやり方では全然違うこともあるというのが実感できて、とてもいい経験になりました。ありがとうございました!
刈り取った稲の束ね方を教える
(**直子)
田植えに引き続き、稲刈りという貴重な体験をさせて頂き有難うございました。稲を縛るのも稲、という事に「昔の人は無駄にすることなく利用したのだ」という事を実感し、また現在の生活を見直さなければいけないところがたくさんあるのだと改めて感じました。 そして束ねた稲を連ねていく並べ方が、昔話の挿絵やTVなどでよく見るものと一緒であったので、変に嬉しかったです。
そして脱穀なのですが、まさか江戸時代に発明された千歯こぎを間近で見て、体験出来た事がとても感動しました。実際、現代人には向いている道具ではないとしみじみ感じてしまいましたが、当時は画期的だったのだという事が高橋さんのお話からもよく理解できました。
田植えも稲刈りも未経験のものばかりだったので驚きばかりでしたが、色々な意味でとても勉強になりました。本当に有難うございました。
束ねた稲を、竹竿で組んだはさに掛けて干す
(**千寿)
自分たちの植えた苗が大きくなっている姿に驚き、同時に感動しました。稲を刈る→結ぶ→干すという作業の繰り返しでしたが、私たちは初めてで新鮮でしたので、飽きずに作業を続けられました。でも、これを仕事にしていて、何時間も何日も作業を続けるというのは、本当に大変なことだと感じました。自分たちの食べているものがどういうふうに作られているかを知る、大変良い機会となりました。
また、脱穀機を2種類共体験できたことも良かったです。高橋さんはお話しやすくて、ご指導もわかりやすいです。これから寒くなりますが、くれぐれもお体に気をつけて下さい。
足踏み脱穀機を使って、稲の脱穀
(**教子)
先日は貴重な経験をさせていただき、ありがとうございます。とても楽しく、多くの事を学ぶことができました。私たちが毎日食べているお米はこんなにも長い時間をかけ、また様々な過程を経ているのだということを知りました。
江戸時代で使用していた千歯こぎは少量ずつしか脱穀できなかったのに対し、明治時代で使用されていた脱穀機は短時間に大量に脱穀できたことに技術の進歩を感じます。全てが初めての経験でしたが、本当にありがとうございました。
江戸時代の千歯こぎを使って、稲の脱穀
環境教育で実際に田植えや稲刈りまでするゼミはとても珍しいと思います。生きる糧である食べ物を作ってみることは、最も身近な環境教育ではないでしょうか。