このトランジスタラジオAT-280の修理履歴です。それぞれをクリックしてください。
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天気が悪い日は家でのんびりと、ラジオを修理したりいろんな電子製品を作るにかぎります。10月始めにも日立製と松下製の古いトランジスタラジオを修理しました。たまに真空管ラジオも修理します。今回は小型の松下製トランジスタラジオの調子が悪いので分解して修理することにしました。具合が悪いところは、電池を入れても全く音が出ないことです。
電池を入れても全く音が出なくなったトランジスタラジオ
まずはラジオの裏蓋をはずしてみました。私の経験では、このような電池式ラジオの故障の一番の原因は電池ケースの錆です。特に電池の液漏れによる錆や断線がけっこう多いです。このラジオの電源は、9ボルトの006Pを使用します。良く見ましたが006Pのソケットは錆びていませんでした。
裏蓋を開けたラジオ、右側の006P電池ソケットは錆びていず
このラジオは相当古いのか、不思議な部品が使われています。まず、トランジスタは今のように2SAや2SB規格ではないものです。ヨーロッパタイプの丸缶シールの松下製トランジスタです。また、温度保証用でしょうかランプのようなものが使われています。良く見るとひびか入っています。バリスタかサーミスタではないかとも思いますがまったく分かりません。
サーミスタ?ランプ? 丸缶シールのトランジスタ
次に電源スイッチを疑ってみました。このラジオの電源スイッチはボリュームと兼用のものを使っています。このため、長年の使用によってスイッチの部分が埃で汚れてしかも錆びていました。まずは圧搾空気で埃を飛ばしました。そして、錆が取れるようにドライバーなどでごしごしと擦りました。するとラジオの音がポツリポツリ入るようになりました。
内部の基板を取り出す 音量兼スイッチ部を表にする
電源スイッチの錆を取って電池を入れると音は出るようになりましたが、今度は困ったことにラジオ自体をたたくと音が入ったり途切れたりする現象が出ます。電源スイッチの故障以外にも故障があるようです。衝撃で音が途切れる故障の原因として、微妙な断線が考えられます。
衝撃を与えると音が出たり途切れたりする現象発生
先のとがったドライバーを使って丹念にラジオの基板を小さくトントンたたいて見ました。そして、一番トントン叩くと音が途切れる箇所を見つけました。そこは、バリコンとアースを繋ぐ箇所でした。製造したときの半田付けが悪かったのでしょう、長年の使用でだんだん半田付けがはずれてしまったようです。その不良箇所を丁寧に半田付けし直しました。
半田付け不良の箇所 丁寧に半田付け直し
半田付け不良を直すと、ちゃんと音が出るようになりました。チューニングのずれも無いようです。すべてのラジオ放送局を受信できます。ただ、出力段のB級プッシュプルの調整がずれているのか、よく聞くとやや音がひずんでいます。また、音量調節があまりききません。ひびが入っているランプかサーミスタが原因かもしれません。でも、放送がちゃんと聞き取れるので修理はこれまでとしました。
今回修理したトランジスタラジオ、レトロなデザインがGOOD