東京里山農業日誌

東京郊外で仕事のかたわら稲作畑作などをしていましたが、2012年4月に故郷の山口県に拠点を移して同活動をしています。

田布施農業工業高校で、羊の毛刈りを見学

2016年04月14日 | 綿栽培,糸つむぎ,織り,染色



 数日前、田布施農業工業高校で羊を見学させていただきましたが、今回は羊の毛刈りを見学させていただきました。久しぶりに見る羊の毛刈りでした。見学させていただき、ありがとうございました。
 50年位前、我家では羊を数頭飼っていました。昭和30年頃のことですが、父親と友人はわざわざ北海道まで羊を買いに行ったそうです。田布施農業高校の卒業生だった父親は先生と親しく、そのつてを頼って買いに行ったのでしょう。北海道から山口県まで、羊と同じ貨車に乗って帰ったそうです。昔は貨車に人が乗れたのですね。

 羊と2歳の私(昭和30年)    羊の毛を刈る小屋       見学に集まった方々
  

 羊を飼っていた理由は、羊毛の着物が高価だったためとのこと。羊の原毛と毛糸を物々交換したそうです。この田布施か柳井に、羊の原毛を扱う業者があったのですね。ところで、羊の毛刈りを見学中、ずっと雨が降っていました。雨にも関わらず、たくさんの方々(10人以上)が見学にみえました。小学生もいました。

                   羊の毛を刈り取っている高校生達


 さて、羊の毛を刈り取る時は羊を寝かせなければなりません。羊の両足を持って、横に寝かせるように倒します。昔は手動バリカンでしたが、今は電動バリカンで毛を刈るようです。細かな場所の毛はハサミで刈ります。ただ、羊は寝転がるのを嫌がります。時々ピクピク動きます。そのため、滑らかに毛を刈るのは難しいようでした。なお、羊の国オーストラリアでは、年に一度毛刈りの大会があるようです。その作業は神業のようです。刈られた原毛を広げると、羊の形をしている絨毯のように見えます。

                仰向けにして羊の腹側をハサミで刈取り


 羊小屋にも行ってみました。雨が降っているにも関わらず、何頭かの羊は外にいました。羊の毛には脂分が付いているため、雨は浸みこまないようです。もこもこした毛の間に手を差し込むと、とても暖かいのです。羊の毛に保温効果があることが実感できます。生まれたばかりの子羊が、母羊のお乳を飲んでいました。

   羊を起こして、今度は首回りの毛刈り       毛刈りをし、そして見守る生徒達
  

 私はもともと動物が大好きなため、このような高校に進んでも良かったのではないかと思うことがあります。そもそも、我家は牛を30頭近く飼っている牧場を経営していました。父親は私に獣医になって欲しいようでした。迷った末に、電気の道へ進みました。もう昔には戻れません。牧場を継いでいたならば今どうなっていたのだろうと、自問することがあります。

    雨降る羊小屋連      羊小屋内の親子の羊      母羊の乳を飲む子羊
  

コメント
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