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三月の雪に全能感を砕かれて

2007年03月10日 | 教育ノート
 全校集会で子供たちに「暖冬」の話をしたので、その報告がてら書き始めた文だったが、途中で思考があれこれとんでしまった。
 結局、前週の年度末PTA全体会で「自己有能感」「仮想的有能感」「幼児的全能感」の話をしたので、何かそれに無理やり結びつけるような形になった。
 学校報も40を超したが、結構気ままに書いてきて反省も多い。
 最後は、ぴりっと締めたいのだが…
 
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 全校集会で暖冬の話をしたら、待っていたように?雪が降り始めました。
 三月半ばの雪が珍しいわけではありませんが、今年はなんだか「季節はずれ」の感じもします。気象庁のデータで平均気温をみると、今冬(12月から2月)の記録は、統計を開始した1899年以降で第1位タイ(1949年と同)という高さだそうです。およそ60年ぶりの暖冬と言えます。積雪量も少なく、市の記録を去年と比較すると約3分の1となっていました。
 雪寄せ、雪下ろしも少なく、登下校、通勤なども楽な年だったと言えるでしょう。
 
 集会の話では、暖冬でよかったと思う人がいる反面、困っている人もいる、ということで、除雪に関係する方々、スキー場関係者、冬物商品を扱う商店、さらには野菜作りの生産者などを挙げていきました。
 もちろん、この地区で最も心配なのは稲作に関わる水不足などが予想されることです。改めて、自然現象が個人の生活や経済全体に及ぼす影響は大きいものだなあ、と感じてしまいます。

 私事で恐縮ですが、昨冬のこともありほんの少しだけ電力による融雪設備を取りつけました。当然、この冬の稼動は少なかったのですが、設定期間が終了という今になって、この雪です。
 「マッタグ、ナエダナヨ」とぼやきたくもなりました。
 その時、あっと思ったのが先週PTAでお話した「(幼児的)全能感」のことでした。
 何でも思い通りなると考えている人間の感覚が、まさしくそれに通ずるなあということです。自然現象に対応する様々なモノを開発し、快適さを求めてきた人類ですが、まだまだ自然の大きさの前には無力さを感じさせられることは多いものです。

 こと自然に限らず、人間社会にもどうにもならないことはついてまわります。身近な暮らしの中にもたくさんあるでしょう。
 それは子供たちが大きくなって間違いなく直面することです。
 問題を乗り越えていく力をつけるために、成功体験やほめたり励ましたりすることはなくてはならないのですが、同時に辛い経験、失敗、挫折などを経て学ぶことも非常に多いはずです。
 将来、自力で様々なことに取り組めるようになるために、このことは少しずつ、しかしきっちりと教えなければいけないと思うのです。
「自分の思い通りにいかないことなんて、たくさんあるんだよ」
(3/8)
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