すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

小さいことばに浸って

2007年08月01日 | 読書
 先週、かつて一緒に勤務した方々と十年ぶりぐらいに会を持った。
 発起人として挨拶をしたのだが、そのなかで会の命名に引っ掛けて
「教育界の『糸井重里』を目指している私ですが…」
などと冗談めいた言葉を使ってしまった。

 が、「教育界」という部分はともかく、私にとって糸井重里は間違いなく羨望の位置にいる人である。
 4月、「ほぼ日刊イトイ新聞」が新しいブックスを出した。

 『小さいことばを歌う場所』

 全編が糸井重里の言葉で構成されている。ほぼ日サイト限定販売である。
 4月以来、ベッドの横に置いてほんの数項ずつ読み進めたり、前へもどって読み返したり…十分に浸ることのできた本だ。

 糸井の個性をどう表現したらいいか迷う。
 「自由」「透察」「変幻」…「肩の力がぬけている」いや「肩に力が入っている自分を冷静に見つめている、または笑える」いろいろな形容が浮かぶ。
 
 ともかく、少しずつ少しずつ体に沁み込んでくるような数々のフレーズ、みんなお気に入りだけど、とりあえず三つほど記しておこうか。

「とてもおいしいもの」って
「卵かけごはん」ににてくるんじゃないか。
そういうことを、よく思います。
いや、これなにかの比喩じゃなくて、そのまんまの話。


原爆が落とされたおかげで戦争が終わった、
などという理屈が、
ちょっとでも正しく聞こえたとしたら、
「それはもう、とてもおかしいことなんだよ」と、
ぼくは言いたい。
いや、仮にその理屈が正しいとしたって、
ぼくは正しくない側にいるつもりだ。


ああ、ほめあって生きていきたい。
これは、ぼくの最大の夢だ。