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警句を持って二学期へ

2007年08月24日 | 教育ノート
 始業式前日の会議の資料の一部を使って書いたものだ。
 授業づくりを日常的に意識するためには、何らかの警句を自らの心に留めておく必要がある。自分の紹介したことばが、一人ひとりが持っている課題とフィットすればいいのだが、そう簡単ではないだろう。「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」の精神で機会をみて書き続けていきたい。


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 やはり、坪田耕三先生の授業は凄い。
 算数数学夏季研修会での提案授業のことです。
 周囲の方々は「苦しい授業」と口にされていたようですが、会場が西馬音内小であった数年前の授業でもそうであったように、今回も、私には言うなれば「つながる授業」そのものの気がしました。

 授業に入る前に、坪田先生は身近な地名などをもとに、「アナグラム」(言葉の文字順を入れ替える)のゲームを4問行いました。字の組み合わせをあれこれ考えることが、実は本時の「場合の数」に結びついています。
 こうした教材レベルのことだけでなく、早く思いついた子にヒントを言わせたり、困っている子に挙手させたりと、活動レベルに関することも扱い反応を早くしていきます。自然に楽しみながら学習に誘導していくのです。

 教材(ネタ)の斬新さについては語りつくされているので触れませんが、それ以外に私が特徴的ととらえているのは、教師の言葉と板書です。子どもが実際に操作したり思考したりすることを優先し、その反応にそって言葉をかけ、黒板などに実際に書かせていきます。
 とにかく結論を急がない、徹底して子どもの反応を大切にして、そのよさをほめてから、本時のねらいに近づけていく言葉かけをしているということです。実際の反応を織り交ぜながら、「授業が板書として完成していく」形をイメージしてもらえばいいでしょうか。
 ともすれば教師自身が言葉でまとめてしまう授業がよく見られがちですが、それとは対極をなしていることを実感しました。

 簡単に真似のできることではないかもしれませんが、例えば坪田先生の次の言葉が主張していることは、そのような授業へ近づく一歩ではないでしょうか。

 「課題は紙に書いていて貼ってもいいだろうが、まとめはそういうことをしては駄目だ。みんなで作り上げて印象を残すことが大切だ。」


 同行した筑波大付属小の細水先生が「授業を支える教師人間力」という題で講演したのですが、その冒頭でテーマに触れてこんなことを言ったことも印象的でした。(これは実際に授業を見なければなかなか通じないとは思うのですが、想像してみてください)

 「坪田先生の指導で言えば、子どもとつながる一言が大切なんだ。授業記録では言葉としてあまり出てこないような…。その子に応じた一言が言えるかどうかが鍵になる」

 指導過程や発問は当然ですが、学習活動を左右する要素は他にもあることを再確認させられました。
 小学校の担任にとってはあまりに日常的ゆえに、意識化するための方法が必要になってきます。
(7/23)
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