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食育の前にするべきこと

2007年08月09日 | 雑記帳
 「健康づくりと食教育」をテーマにした分科会で、隣市の栄養士さんが発表したなかに、子供たちへのアンケートのことがあった。
 設問と結果が詳しく資料として提示されてはいなかったが、こんなことを発表者が報告した。

「一人で食べるのが楽しい、と答えた子が5%いました」
 
 一瞬えっと思ったが、対象が中学2年と小学5年だし、親や家族にあれこれ言われて食べるより一人で食べた方がマシだと思う子が5%程度はいるのかもしれないと考えた。
 心の底ではそんなことはないはずなのだが、そう答えてしまう状況はやはり少し悲しい。
 5%という数字がどうかではなく、なんとなくその設問にあった「一人で食べる」という選択肢が悲しい気がする。

 夏休み前のPTAの全体会挨拶で話したことを思い出した。
 その一部を書き起こしてみる。
 食育の前にするべきことがある。

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 今、栄養士のNさんから「食」のお話がありましたが、ふと思い出したことがあります。
 以前、テレビで『王様のレストラン』というドラマをやっていたことがありました。その何回目かで、こんなセリフがあったことを覚えています。

 「人生で大事なことは、何を食べるかではなくて、どこで食べるかだ」
 
 レストランが舞台のお話ですので、そうしたのでしょうが、実はこのセリフはセネカという古代ローマの哲学者のことばのパクリなのです。セネカはこう言ったのでした。

 「人生で大事なことは、何を食べるかではなくて、誰と食べるかだ」
 
 この言葉はよく考えると、「何を、どう食べるか」は「誰と食べるか」である程度大きく左右されるということも含んでいるような気がします。
 都市部では、忙しさにかまけて家族がばらばらに食事をするというような現象も出てきているようです。このことが子どもたちの心にどんな影響をおよぼすのか、本当に心配です。
 
 さて、もうすぐ始まる夏休み、子どもたちの自由な時間がいっぱいあるからこそ、食事は一緒にとるというごくあたりまえのことがリズムをつくるように思います。

 水かけまんま(飯)と漬物だけの昼食であっても、家の人といっしょにがぶがぶ食べている子は心配ないなあと思ったりもします。
 ご家族の方々の協力を得ながら、そういう意味でも健康的な夏休みであってほしいと願っております。

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