すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

未来について語ること

2007年08月16日 | 雑記帳
 かつて担任した子どもに十数年ぶりに会った。
 お盆の帰省にあわせて、拙宅まで訪ねてきてくれた。
 しかも、可愛い婚約者を伴って…。

 たくましく成長した身体、精悍な顔つきの青年となった彼は、今北の地で航空自衛隊に務めている。
 去年は中東へも行ってきたという。当時の長官である著名な政治家とのツーショットの載った広報なども見せてくれた。控え目ではあったが自信を持って仕事をしていることが伝わってきた。

 当時私が実践した「チャレンジノート」をしきりに誉めてくれた。
 岩下修氏の自学実践に刺激を受けたものだった。今になってもそう語ってくれることは教師冥利につきる。
 卒業文集や学級通信の合本を出してきて、ひとしきり話が弾んだ。
 婚約者の方もなぜか笑顔でじっくりと通信を読みいってくれた。

 二人を見送った後、文集にもう一度目を通す。
 「詩」のコーナーがあり「○○は◆◆だ」という題名で何篇か載せていた。
 ある女の子の書いた詩に、妙に惹きつけられた。

 先生は原始人だ
 先生は/何億年も前からの事を/まるで見ているように/知っている
 だから先生は原始人
 先生がいくら昔の事を知っていても/未来の事を言える/原始人にはなれない


 私はそんなに知ったかぶりだったのだろうか、未来について語らなかったのだろうか。その真意はわからないが、子どもなりに未来への希望や不安を感じていたことは確かだ。

 訪ねてきてくれた彼を含めて、改めて目にする懐かしい名前の子どもたちよ。
 あの時抱いていた未来は実現したのだろうか。
 今、君は未来について希望を持って語ることができているだろうか。

 一人ひとりに訊いてみたい気持ちになった。