すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

火天の城に散ってしまう夜

2009年12月23日 | 雑記帳
 久しぶりに映画を観た。

 『火天の城』

 ちょっとは話題になった作品とは思うが、正直あまりいい評価はできない。

 原作の小説の構想はいいだろう。
 安土城を建てるプロジェクトに関しては今まであまり知られていなかったと思うので、それなりのドラマが組みたてられる。
 木組みのこと、指図(図面)争いや親柱になる檜探しなどなかなか見所はあったと思うが、様々な突っ込みを入れたくなる場面も多くあった。

 小さいことはともかく、どうして結末が、城の出来上がったところで終わってしまうのか解からなかった。
 安土城ですよ、火天の城ですよ、これは炎上しなければどうしようもないでしょう。収まらないはずですよ、その物語は。
 その場面での無常、やるせなさじゃないかなあ、日本人が一番喰いつくのは!

 いや、これは自分だけの思いこみかも…と、冷静になって原作はどうなのか調べたら…。
 やはり、原作では書かれているらしい。しかも、火を放った人物がいるらしい…ああ、これは想像力をかきたてられるなあ。
 歴史小説は全然経験がないといっていいほどだが、もしかしたらそちらの方向へ行くかもしれないという思いもしてくる。

 それはともかく映画である。
 この映画も流行のお笑い芸人をずいぶんと使っているなあという印象。きっとギャラが安くて、売れない俳優よりは多少観客が見込めるからかしら、と穿った見方をしてみた。
 でも、そうやって映画や演劇で伸していく芸人もいるからなあ…。その辺りのインパクトの強さをどう見極めるかは、演出家や監督の仕事だね。M-1とか観て勉強しているのかなあ。
 しかし、M-1も少し新味に乏しいというか、マンネリというか…

 と、あらぬ方向に進み、散ってしまう夜。