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多様な仕事を申告せよ

2009年12月20日 | 雑記帳
 こんな文章を目にした

 大正時代には今の10倍以上の職種があった 

 あるインタビュー記事である。詳しく説明している箇所は次の通りである。

 大正9年の国勢調査で、国民から申告された職業は3万5000種もあったそうです。一方、総務省の日本標準職業分類によれば、今は約2000種類しかない。

 そんなことは問いかけられたこともなかったが、単純に何か現在の方が多様な職種があるイメージを持っていたように思う。
 当然、申告されたものと把握しているものの違いはあるにせよ、これはちょっと驚きのデータである。10倍という表現は単なる誇張とはいえないだろう。

 確かに、なくなった職業もあるだろう。
 社会の発達、生活の変化があれば当然だ。まあ職業として実際には無くなってはいないが、「八百屋」「魚屋」「薬屋」「下駄屋」「家具屋」「自転車屋」…自分が生まれた家の周辺だけでも、こうした単品?の店は姿を消している。百姓や普請工事に必須の「鍛冶屋」とか「トタン屋」「種屋」などかつてはあったが…。

 もしかしたら、それ以上に統合された職業になっていったのかもしれない。これはきっと、大きな括りの中に入れられた、ということなのかもしれない。
 工業の近代化、商業資本の拡大による地方進出…いろいろと絡んでくるのだろうなあ、そんなことを漠然と考える。

 仕事そのものが必要なくなったという面と、仕事の多様性に名づけがいらなくなった面ということで考えれば、後者にこだわってみることは面白いのかもしれない。
 もちろん職業として考えた場合、それが「生業」になるかという点は抜きにできないのだけれど、格差社会とは言いながらどんなことをしてでも暮らせる現在のような状況では、個別の好きな仕事に絞って生きることも悪くはない。