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内なる息子魂が疼く

2010年11月18日 | 読書
 『ああ息子』(西原理恵子+母さんズ 毎日新聞社) 

 人気漫画「毎日かあさん」が発端になり、投稿を求めた「息子ネタ」が大きく反響を呼び、一冊の本になったということだ。もちろん西原の漫画も随所に散りばめられている。

 幸いなことに?息子を育てた経験がない。
 しかし、私はかつて、いや今も、確かに誰かの息子なわけで、その意味では興味深い事例?の連続だった。
 もちろん自分自身はここに投稿されたような出来事はしていない(つもり)。品行方正な幼年、少年時代だったと思う。

 ただ、書かれているなかに我が内なる「息子魂」が疼く場面が確かにあった。

 戦の章
 
 広い牧場に行った時にどこまでも「ウォー」と言って走り出すとか、自分たちのいつもいる場所に知らない連中が来たときに、かなり大げさな言葉で強がってみるとか…そして極めつけは、台風や大雨のときに、叫んで外を走りたくなったり、何か対決を挑んだりしたくなる、そんな感覚である。

 そういえば小学生の頃、仲間と他人の傘で遊び壊してしまったので、担任の先生に「直してこい」と授業時間中に学校から出され、傘屋を探して半日さまよった思い出がある。
 なんと良き時代かな。

 ところで、かなり前から感じていたのだが、なぜか暴風雪の日に心が浮き立つような気分になることがある。
 心理学や脳科学などでもこうした例はあるのかもしれないが、何かの折に話したら、周囲に変な顔で見られたことがあり、やはり一般的なことではないらしい。
 ところが、ある時同じようなことを言う同僚がいたので、なぜか安心し、一層親近感がわいた記憶がある。

 もっとも、これからの季節に毎日暴風雪などを期待しているわけではなく、仮にあったとしても、我が内なる息子魂が暴走しないように、温かい部屋でゴロロンとして、西原の漫画でも読んで笑っていた方が、「平和」ということなのです。


 それにしても、戦の章に挿入されている西原の漫画は、わかる人はわかるだろう。
 こんな台詞です。

 メリーポピンズは放映禁止映画だと思う。